ショート(遊撃手)は、野球における花形ポジションのひとつです。日本ではピッチャーの人気が高い傾向にありますが、メジャーリーグではピッチャー以上に高い人気を誇ります。
また、ファースト(一塁手)やセカンド(二塁手)など、内野手は原則として塁の番号がポジション名になっていますが、ショートだけはポジション名が塁とリンクしないという点も特徴です。野球のショートは、いったいどのようなポジションなのでしょうか。
ここでは、野球の花形ポジションであるショートの概要や、求められる能力などをご紹介します。
【目次】
■野球の「ショート」の基礎知識
■ショートに求められる役割
・ベースカバー
・中継プレー
・サイン伝達
■ショートの選手に求められる能力
・フィールディング力
・俊敏性
・肩の強さ
・状況判断力
■花形ポジション「ショート」の魅力を知って野球を深く楽しもう
■野球の「ショート」の基礎知識

ショートは、2塁と3塁の間に位置する、内野のポジションのひとつです。非常に広範囲の守備を担うポジションでもあり、三遊間と二遊間に加えて、レフト前やセンター前もショートの守備範囲になります。
名前は英語のショートストップ(SS)の略語です。従来はバッターの近くを守るポジションだったため、短い打球を処理することからショートストップと名付けられたとされています。
日本語では「遊撃手」と書かれることもあります。これは、baseballを「野球(やきゅう)」と訳したことで知られる明治時代の教育者・中馬庚(ちゅうまかのえ/ちゅうまんかなえ)が、ショートを「まるで遊軍(遊撃隊)のようだ」と称したことが由来です。
ショートは、1塁からの距離が遠いうえに、センター・レフト方向という広い範囲を守る必要があることから、さまざまな能力が求められるポジションです。
そのため、ショートを任されるのは走攻守の全てに優れた好選手であることが多く、「花形ポジション」と称されています。
■ショートに求められる役割

内野守備の要でもあるショートには、打球の処理だけでなく、さまざまな役割が求められます。ショートが守備で担う主な役割としては、次の3点が挙げられます。
・ベースカバー
塁を踏んでランナーをアウトにするために、ベースカバーに入って野手の送球を受けることは、ショートの役割のひとつです。主に、最も距離が近い2塁のベースカバーに入りますが、場合によっては3塁のベースカバーに入ることもあります。
また、二遊間とセンター方向の守備を担うセカンドとはプレーがかぶらないように連携を取らなければいけません。セカンドと連携を取りながら、打球はもちろん、相手の盗塁やピッチャーからの牽制球、内野ゴロの際のダブルプレーなどに備える必要があります。
・中継プレー
フライボールを処理した外野手からの返球を受け取って目的の塁に送球する中継プレー(カットプレー)も、ショートに求められる役割のひとつです。外野手の肩の強さやランナーの走力などを考慮して、返球をカットするのか流すのかを判断しなければいけません。
基本的には、センターからレフト方向にボールが飛んだ場合は2塁ベースカバーをセカンドに任せて、ショートは適切な位置に移動して中継プレーができるように備えます。
また、センターからライト方向にボールが飛んだ際は、セカンドが中継プレーを行い、ショートがベースカバーに入ります。
その際は、セカンドがボールを止めて中継するのか、外野手からの返球を止めずに直接塁に送るのかを指示することも役割です。
・サイン伝達
サイン伝達も、ショートの重要な役割のひとつです。例えば、ランナーが2塁にいるシーンでは、状況を考慮したうえで、ピッチャーに牽制球を投げるように指示を出すことがあります。
また、守備の際は、ピッチャーがどこにボールを投げるのかを踏まえて守備位置を調整する必要があります。投球内容を組み立てるのはキャッチャーの仕事ですが、キャッチャーが出すサインは外野手から見ることができません。
キャッチャーからの距離が遠い外野手に対してサインを共有するのも、ショートの役割です。
投球内容やバッターの癖から打球が飛んできそうな場所を予測して守備位置を変えることで、アウトを取る可能性を高められます。
■ショートの選手に求められる能力
守備の際にさまざまな役割を果たすショートを務めるには、基本的には高い身体能力が必要です。
ショートの選手に求められる能力としては、次の4点が挙げられます。
・フィールディング力
野球におけるフィールディング力とは、捕球や送球などといった一連の守備動作のことです。ショートは1塁と距離が離れているため、ボール処理が遅れるとバッターランナーがセーフになる可能性は高まります。最適な動作でボールに入ることができる高い守備能力が必要不可欠です。
加えて、グラウンドの状態に応じて打球のバウンドを予測し、イレギュラーバウンドに備える能力も求められます。
また、ショートは外野からの送球を処理したり、セカンドと連携して2塁ベースカバーに入ったりすることもあります。
そのようなプレーでのポジションの取り方も重要です。
・俊敏性
三遊間と二遊間、レフト前、センター前と、ショートの守備範囲は非常に広いです。素早く打球に追いついて処理するために、俊敏性も欠かすことはできません。
さらに、ボール処理やベースカバーなどで試合あたりの運動量は多くなる傾向にあります。試合終了までしっかりと守り切るためには、体力も必要です。
・肩の強さ
前述のとおり、ショートは1塁からの距離が離れているポジションです。ボールを素早く処理できても、送球が遅いと相手がセーフになる可能性が高くなってしまいます。
素早い動作で、強いボールを投げることができる肩力も必要です。
とはいえ、どれだけ強肩でも送球が乱れてしまうとエラーになってしまう点には注意しなければいけません。強い肩に加えて、狙った場所に正確にボールを投げられるコントロール力も求められます。
・状況判断力
ショートは、外野手にサインを出したり、他の内野手と連携を取ったりする機会が多いポジションでもあります。サインを取り違えたり、連携がうまく取れなかったりすると、アウトにできるはずだったプレーもセーフになってしまいかねません。
確実にアウトを積み重ねていくためには、状況判断力や戦術理解力、リーダーシップなども求められます。
■花形ポジション「ショート」の魅力を知って野球を深く楽しもう
ベースカバーや中継プレー、サイン伝達といった多くの役割を果たすショートは、ピッチャーと並ぶ花形ポジションのひとつです。さらに、広い守備範囲を守り切るための身体能力も求められることから、見応えのあるプレーが多い点もショートの魅力といえます。
試合観戦の際は、ショートがどのようなプレーをしているかに注目してみてはいかがでしょうか。
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【文章】アルペングループマガジン編集部