サッカーの「DOGSO(ドグソ)」とは? よく耳にする言葉を知って試合観戦を楽しもう!

近年、サッカーの試合中継で「DOGSO(ドグソ)」という言葉を耳にする機会が増えてきました。一方で、あまり耳馴染みのない言葉なので、意味をよく知らずに聞き流している方もいらっしゃるかもしれません。DOGSOは決定機で使われることが多いため、意味を知っていると試合中継をより楽しめるようになります。
ここでは、サッカーにおけるDOGSOの意味やルール、似たシーンで使われることがあるSPA(スパ)との違いをご紹介します。

 


【目次】
■DOGSO(ドグソ)とは
■DOGSOの目安となる4つの要件
・反則とゴールとの距離
・プレーの方向
・ディフェンスの位置と人数
・ボールをコントロールできるか
■DOGSOが適用された場合は全て退場?
■DOGSOとSPAの違い
■試合展開を大きく左右するDOGSO


 

■DOGSO(ドグソ)とは

 

DOGSOは「Denying an Obvious Goal Scoring Opportunity」の頭文字を取った略語です。日本語に訳すと「決定的な得点機会の阻止」という意味になります。
端的には、シュートが確実に打てたり、キーパーとの1対1を作ったりできる機会を阻止することに対する反則です。
DOGSOの要件を全て満たした状態において、決定機を反則で阻止した場合、反則した選手は原則として一発でレッドカード(退場処分)となります。

 

1980年頃のサッカーは、相手の得点機会を妨げるために意図的なファウルが増えていました。そこで、1990年のワールドカップから決定的な得点機会の阻止に関する罰則がルールとして制定。
その後、2007年には「決定的な得点機会の阻止」が競技規則内の一項目として独立、2018年には「DOGSO」と表記されるようになっています。

 

近年はVAR(ビデオアシスタントレフェリー)の導入により、DOGSOに当たるシーンをファンも映像で確認できるようになりました。
そのため、DOGSOという言葉を耳にする機会が増えているのです。

 

 

■DOGSOの目安となる4つの要件

 

全てのファウルがDOGSOとなるわけではありません。具体的に、「決定的な得点機会の阻止」とはどのようなプレーに適用されるのでしょうか。
審判は、次の4つの要件を全て満たしているものをDOGSOと判断する可能性があります。

 

・反則とゴールとの距離
ファウルがあった場所とゴールとの距離は、DOGSOの要件のひとつです。ゴールから近い場所でのファウルは、DOGSOの要件を満たしたと判断されます。
DOGSOの要件とされる距離は明確に決まっていませんが、ペナルティーエリア内またはその付近が一般的です。

 

ただし、ボール保持者の前にディフェンスが一人もおらず、ファウルがなければシュートまで行けた可能性が高い状況であれば、ゴールから離れた場所でもDOGSOの要件を満たしたと判断される可能性があります。

 

・プレーの方向
プレーの方向も、DOGSOの要件のひとつです。具体的には、攻撃側のプレーがゴール方向に向かっていることが条件になります。
ポストプレーなどでゴールに背を向けた状態でファウルを受けても、決定的な得点機会の阻止とは見なされません。

 

また、体の向きではなく、プレーそのものの向きが判断の条件になる点に注意が必要です。
ゴールに向かうプレーをしているのであれば、体を反転させて横や後ろを向いたタイミングだとしても、DOGSOの要件は満たされます。

 

・ディフェンスの位置と人数
ディフェンスの位置と人数も関係します。基本的には、守備側の選手がゴールキーパーしかおらず、オフェンスは2人で攻めているなど、攻撃が数的に有利な状況や、ディフェンスがプレーに参加できるポジションにいない場合などは、決定的な得点機会と判断されます。
カバーに入ることができるディフェンスがいる場合は、DOGSOとはならない可能性が高いです。

 

また、判断基準はあくまでも選手のポジショニングと人数だけです。
シュート力や突破力に優れている選手がファウルを受けた、ディフェンスが苦手で抜かれる可能性が高いなど、選手の能力で判定が左右されることはありません。

 

・ボールをコントロールできるか
ファウルがなかったと仮定した時に、選手がボールをコントロールまたはキープできていたかどうかも判断材料のひとつです。
ボールを自由にコントロールできる状態であれば、DOGSOの要件を満たしたと判断されます。

 

反対に、トラップに失敗していた、ボールに追いつけそうになかったというシーンは、決定機にならない可能性が高いため、DOGSOは認められません。

 

 

■DOGSOが適用された場合は全て退場?
DOGSOが適用された場合、原則としてファウルをした選手には審判からレッドカードが提示され、退場処分となります。

 

一方で、ペナルティーエリア内でボールにプレーしようと試みたファウルについては、イエローカードになります。ペナルティーエリア内でディフェンス側がファウルをすると、相手チームはペナルティーキック(PK)の機会を得られます。
さらに、レッドカードを提示された選手は退場するうえに、基本的には次節も出場できません。

ペナルティーキック・退場・次節の出場停止という3つの罰が重なるため、ペナルティーエリア内でのDOGSOは軽減措置としてイエローカードになっているのです。
 

ただし、相手をつかんで止める、ボールではなく選手の体に向かって悪質なタックルを仕掛けるなどのプレーについては、通常通りレッドカードです。

その他には、主審がアドバンテージを取っていた場合も、DOGSOの罰則がイエローカードになります。

 

 

■DOGSOとSPAの違い
DOGSOと似た場面で使われるサッカー用語に「SPA(スパ)」があります。「Stop a Promising Attack」の略で、日本語では「有望な攻撃の阻止」という意味です。
SPAは、DOGSOの4要件を全ては満たしていないものの、決定機を防ぐことになったファウルに対して適用されます。

SPAに該当するファウルを犯した選手には、イエローカードが提示されるのが原則です。
 

DOGSOと同じくペナルティーエリア内でのSPAには軽減措置があるため、イエローカードは提示されません。
審判がアドバンテージを取ってファウルを流した場合も同様です。


 

■試合展開を大きく左右するDOGSO
VARの導入に伴い、決定的なファウルのシーンは映像でわかりやすく確認できるようになりました。特に、VARが行われるようなDOGSOやSPAは、判定が試合展開を大きく左右するワンシーンです。
それぞれの要件を理解したうえで試合を観戦すると、よりサッカーが楽しめるようになるでしょう。

 

ご紹介した内容を参考に、「今のファウルはDOGSOの4要件を満たしているか?」などと考えながら試合観戦をしてみるのも、面白いのではないでしょうか。

 


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【文章】アルペングループマガジン編集部

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