サッカーをやる上で、スパイクシューズ選びはとても重要です。スタッドとは、靴底に付いている突起のことです。この突起のおかげで、スパイクシューズは他の普通のシューズよりも高いグリップ力(滑りにくさ)を持っているのです。
スパイクを選ぶ際は、スタッドの種類もきちんと見ておく必要があります。ひと口にスタッドと言ってもさまざまな種類があるので、どれを選べばいいのか分からずに困っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、どんなときにどのスタッドが適しているのかを解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
【目次】
■スタッドはなぜ重要?
■スタッドの形状
-丸型
-異形型
■スタッドの素材
-合成樹脂
-アルミニウム
■場所別で適したスタッド
-HG(ハードグラウンド)
-FG(ファームグラウンド)
-AG(アーティフィシャルグラウンド)
-SG(ソフトグラウンド)
-TF(ターフ)
-IN(IC)
■まとめ
初心者の方は特に、フィット感やデザインにばかり目がいって、スタッドの特性まで考えないまま「なんとなく」で選ぼうとしてしまっていませんか?
スパイクを選ぶ上で、スタッドはとても重要です。フィールドやプレイヤーに合わないタイプのスタッドを選んでしまうと、パフォーマンスが低下するだけでなく、足への負担が大きくなりケガの原因にもなります。
まずは「形状」と「素材」によって、それぞれのスタッドに特徴があることを理解しましょう。スタッドの特徴をきちんと理解していれば、スパイク選びはとても簡単になります。
スタッドの形状には、大きく分けて「丸型」と「異形型」の二つがあります。スパイクを選ぶ際はこの二つの違いについて知っておくとよいのですが、その前にもう一つ注意点があります。
スタッドには形状のほかに、「固定式」と「取り替え式」という違いもあるのです。まずはこの二つの違いについて解説していきます。
日本で主に使われている「固定式」は、スタッドがソールと一体化しているタイプです。スタッドの数が12個前後と多く、足への負担が少ないため、初心者にもおすすめです。
これに対し、「取り替え式」はスタッドをソールに取り付けて使用するタイプです。スタッドの数が6~9個と少ないためグリップ力が高く、雨で濡れて滑りやすくなったフィールドや柔らかいフィールドに適しています。ただし「取り替え式」は足への負担が大きいため硬いグラウンドでは使えず、また初心者や子どもが使うのにも適していません。
また「取り替え式」の中には、スタッドの一部が固定されているような、「固定式」と「取り替え式」をミックスさせたようなタイプのものもあります。
さらに詳しいスタッドの構造については以下のページをご覧ください。
⇒ 【構造と素材】自分に合うサッカーシューズを選ぶための基礎知識
次に、「丸型」と「異形型」という、スタッドの二つの形状について見ていきましょう。
※注1
丸型のスタッドは安定感があるのが特徴で、初心者や子どもにもおすすめできるタイプです。前述のとおり、スタッドの数が多ければ多いほど安定し、足への負担は軽減されます。安定感と安全性を求めるなら、スタッドが丸型で数が多いものを選ぶのがいいでしょう。特に日本では硬いグラウンドが多いため、足への衝撃が少なくて済む丸型のスタッドが主流となっています。また硬いグラウンドに限らず、柔らかい天然芝でのプレーにも対応している丸型スタッドのスパイクもあります。
ただしデメリットとして、「異形型」に比べるとグリップ力は劣ります。柔らかかったり滑りやすかったりするフィールドでプレーする場合などは、「丸型」よりも次に解説する「異形型」がおすすめです。
異形型のスタッドは丸型のスタッドよりグリップ力が高いのが特徴です。柔らかい芝や雨に濡れたグラウンドでは、異形型の高いグリップ力が活きてきます。
また、急に止まったりダッシュしたりといった、スピーディーな動きにも適しています。ドリブルでどんどん攻め込んでいくようなプレースタイルにも適していますし、守備の場面では相手の急な動きに合わせて動くことができます。さらにそのグリップ力を活かして足元を安定させれば、力強いキックが可能になります。
ただし足腰への負担が大きくなるため、基本的には上級者向けのスタッドと言えるでしょう。
異形型の中にも、さらに三つの種類があります。
・ブレード型
スタッドが棒状やL字型になっているのが特徴です。ブレード型はグリップ力が高く、特に横への動きに長けています。
異形型の中でももっともグリップ力が高い反面、足腰への負担ももっとも大きく、上級者向けのスタッドです。
・トライアングル型
スタッドが三角形になっているのが特徴です。丸型とブレード型の中間といったような形で、グリップ力の高さと安定性のバランスを取ったタイプです。すべての方向に高いグリップ力を発揮します。
・ミックス型
その名の通り、丸型や異形型のスタッドを組み合わせているタイプのもので、最近特に人気のタイプです。個人のプレースタイルに合わせて作られたものなので、プレースタイルの固まっている人におすすめです。
スタッドの形状について理解できたところで、次はスタッドの素材について見ていきましょう。
スタッドに使われる素材は、大きく分けて二つあります。それが、「合成樹脂」と「アルミニウム」です。
以前は鉄のスタッドも使用されていましたが、手間がかかる上に錆びつきやすいため、今はあまり使われていません。
二つの素材の違いと特徴について解説していきます。
合成樹脂はスパイクのソールにもよく使われている素材になります。軽いため固定式のスタッドによく用いられています。硬いグラウンドと柔らかい芝の両方のフィールドに対応しているため、日本においてはアルミニウムよりも広いプレー環境に対応することができます。
足への負担を減らしたい場合にも、合成樹脂製で特に柔らかい素材のスタッドを選ぶとよいでしょう。
合成樹脂のスタッドのデメリットとしては、アルミニウムより軽くて地面に刺さりにくいため、雨の日や深い天然芝のフィールドでは滑りやすくなります。
アルミニウムのスタッドは取り替え式のスパイクに使用されています。錆びにくく、鉄よりも長持ちするのが特徴です。
合成樹脂よりも重いですが、そのかわり地面に刺さりやすく高いグリップ力を得ることができます。雨で緩くなった地面や長い芝のフィールドに適しています。
ただし素材自体が硬いため足への負担が大きくなるので、その点は注意が必要です。
これまで見てきたように、サッカーのスパイクシューズには様々な種類があり、それぞれに適したプレー環境があります。柔らかい天然芝と硬いグラウンドとでは、履くスパイクも変えるべきなのです。
スパイクシューズの商品名には「HG」や「AG」、などといった記号が付いています。この記号を見ていけば、そのスパイクがどんな場所に適しているかが分かります。
硬くて乾いた土のグラウンドでの使用に適したスパイクです。摩擦によりグリップを得るため、足と地面との接地面が大きく、スタッドの高さが低いのが特徴です。また、スタッドの数の多い「固定式」のタイプになります。
足への負担が小さく済むタイプのため、日本の学校や運動場に多く見られる硬い土のグラウンドでの使用に適しています。逆に柔らかいグラウンドや雨に濡れたグラウンドでは、滑りやすくなってしまいます。
ファームグラウンドとは天然芝のことです。FGは、日本によく見られる短く滑りやすい天然芝のグラウンドでの使用に適したスパイクです。硬めの地面にも適度に突き刺さる、細く長いスタッドになっています。またスタッドの数も少ないため、グリップ力に長けています。
ただし人工芝ではスタッドが折れてしまうことがあるため、使用しないようにしましょう。
アーティフィシャルグラウンドは人工芝を意味します。AGは毛足が長く引っかかりやすい人工芝のグラウンドでの使用に適したスパイクです。人工芝はスタッドに引っかかりやすいため、天然芝よりも滑りづらく、その分足に負担がかかりやすくなります。そのためFGよりもいくぶん地面との接地面を大きくする設計になっており、足への負担が少なくなっています。
海外によく見られる長い天然芝のグラウンドや雨によって滑りやすくなったグラウンド、もしくは柔らかい土のグラウンドのことを指します。柔らかったり滑りやすかったりするグラウンドでのプレーには、しっかりと地面に突き刺さるような高いグリップ力が求められます。そのため、SGはアルミニウムの取り替え式スタッドが多く見られます。
SGのスパイクは硬いグラウンドには使用できません。また消耗がはやくなるため、スタッドの交換が必須になります。
TFのスパイクはトレーニングシューズとよく呼ばれています。ターフとは芝を指し、硬い土や人工芝のグラウンドに適したスパイクです。ラバー素材で高さの低い小さなスタッドがソール全体に付いているタイプです。足への負担が非常に低いことが特徴ですが、その分グリップ力は低くなります。
人工芝の屋外のフットサルグラウンドなどで使うのに適しています。TFは疲れにくいシューズでもあるので、プロ選手からもウォーミングアップやトレーニングの際によく使われています。また、もし小学校低学年からサッカーをはじめるなら、足への負担が軽いTF(トレーニングシューズ)からはじめるのが良いでしょう。
体育館などの屋内施設での使用に適したシューズです。木材やアスファルトなど、固く平らな地面で使うことができます。靴底にはスタッドがなく平らですが、ゴム製なので滑りにくいシューズです。
この記事で説明してきたようにスパイクのスタッドにはさまざまな種類があり、それぞれ役割が違います。スパイクを選ぶ際は、それぞれのスタッドの特徴をきちんと把握した上で選ぶことが大切です。
またサッカーのグラウンドにも様々な種類や状況があって、すべて同じスパイクで対応できるわけではありません。サッカーのプレー場所によってスパイクを使い分けることが大切です。そうすることでパフォーマンスが向上するだけでなく、ケガの防止にもつながります。
※注1 イラストはイメージです。メーカーによって対応するスタッドは異なります。あらかじめご了承ください。
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