サッカーにおけるトランジションの重要性。成功させるための3つのコツ

サッカーやバスケットボールなど、攻守の切り替えが激しいスポーツでは「トランジション」という言葉をよく聞きます。トランジションは、試合展開を左右する重要な要素のひとつです。
しかし、サッカー初心者の方だと、トランジションとはどのような意味なのかわからないかもしれません。
ここでは、サッカーにおけるトランジションの意味や種類、成功させるためのコツをご紹介します。

 


【目次】
■トランジションとは
■トランジションの種類
・ポジティブトランジション
・ネガティブトランジション
■トランジションを成功させるコツ
・プレーを素早く切り替える
・ポジションごとの役割を明確にする
・チーム全体で連携する
■試合展開を左右するトランジション


 

■トランジションとは

 

トランジション(transition)は、「移行」や「変化」などの意味を持つ英語です。サッカーにおいては、「攻守の切り替え」を指して使われます。

サッカーにはさまざまな戦略がありますが、現代サッカーの主流は自チームでボールを保持する時間を増やしてゴールを目指す「ポゼッションサッカー」です。

相手にボールを奪われた際、相手チームはできるだけ長くボールを保持しながらゴールを目指と考えられます。

 

そのため、ボールを奪われたらすぐに奪い返して攻撃の芽を摘み、ボールを奪ったら相手がディフェンスを固める前に素早く攻撃に転じなければいけません。
戦略の変化によって攻守の切り替えの重要性が今まで以上に高まった結果、トランジションが注目を集めるようになりました。

 

 

■トランジションの種類
サッカーのトランジションは、攻撃から守備への切り替えと、守備から攻撃への切り替えの2種類に大きく分けられます。種類ごとに求められるプレーやポイントが異なるので、2つの違いをしっかりと理解しておくことが大切です。
トランジションの種類と概要をご紹介するので、プレーの際の参考にしてみてください。

 

 

・ポジティブトランジション
守備から攻撃に切り替える動きがポジティブトランジションです。ポジティブトランジションでは、相手のディフェンスラインが整う前に素早く攻撃(カウンターアタック)に転じることが求められます。
ボールを奪ってすぐに攻撃に転じて、数的優位な状況を作り出せれば、その分ゴールの確率は高まります。

 

ただし、急いで攻撃に移ろうとして、自チームのフォーメーションが定まっていないまま前がかりになると、かえってボールを失うリスクが高くなる点に注意が必要です。

 

・ネガティブトランジション
攻撃から守備への切り替えは、ネガティブトランジションと呼ばれます。ネガティブトランジションでは、自チームの攻撃が相手に防がれた後、すぐにボール奪取を目指してプレスを仕掛けるのか、相手のカウンターを封じるためにディフェンスラインを整えるのかを見極めなければいけません。

 

すぐにボールを奪い返すカウンタープレス(ゲーゲンプレス)は、ボールを奪えればすぐ攻撃に転じられるのがメリットです。

一方で、ボールを奪えないと失点するリスクが高くなります。


ブロックを形成する戦略を取った場合は、すぐ攻撃に移ることは難しいものの、相手の攻撃に対処しやすくなり、失点のリスクを減らすことが可能です。
いずれもメリット・デメリットがあるため、どちらの戦略を取るのか瞬時に判断する力が求められます。

ディフェンスラインが整う前に速攻を仕掛けられた、後ろに選手が残っていないなど、明らかに失点のリスクが高い場合は、相手を止めるためにあえてファウルをするのも作戦のひとつです。


 

■トランジションを成功させるコツ

 

ポジティブ・ネガティブを問わず、トランジションを成功させるにはいくつかコツが必要になります。トランジションで求められる基本的なスキルやプレー、考え方のコツは、以下の3点です。

 

・プレーを素早く切り替える
ポジティブトランジション・ネガティブトランジションともに、攻守の切り替えは素早く行うことを心がけましょう。

例えば、守備から攻撃を素早く行い、相手のディフェンスラインが整う前にボールを運べれば、カウンターアタックがゴールにつながる可能性も高くなります。

攻撃から守備への切り替えも、素早く行えないと失点のリスクが高まるため注意しなければいけません。

 

プレーが途切れたタイミングは、どうしても気持ちが途切れてしまうものです。特に、絶好のチャンスからボールを奪われてしまうと、一瞬足が止まったり、思考が鈍ったりすることもあるでしょう。
そのような際も、素早くプレーを切り替えることを心がけるのが、ゴールを決めたり、失点を防いだりするためのポイントです。

 

・ポジションごとの役割を明確にする
フォワードやミッドフィールダーなど、ポジションごとに攻守の切り替え時の動き方は異なります。
例えば、攻撃に転じる時はフォワードならゴール前に駆け上がる必要があります。守備の際も、ボール保持者にすぐプレスをかけに行く、前線に残ってカウンターを待つなどの動き方になるはずです。
 

一方で、中盤のミッドフィールダーは守備ラインを形成したり、ボールの位置に合わせてポジショニングを調整したりすることになるでしょう。

他にも、相手ゴール前や自チームのゴール前、センターサークル付近など、コートのどこでボールを奪ったり、失ったりしたのかによっても、その後の動き方は大きく変わるものです。

 

トランジションを成功させるには、誰がどのタイミングでプレスを仕掛けるのか、他の選手はどう動くのかなど、ポジションごとの役割を明確にしたうえで、状況を判断しながら適切に動く戦略的な思考が求められます。

 

・チーム全体で連携する
トランジションは、ボール付近にいる1人の選手が行うだけでは意味がありません。1人がボールに寄せに行っても、それによってできたフォーメーションの穴を狙われると、相手に攻め込まれるリスクが高くなります。

 

トランジションを成功させるには、チーム全体でどのようなプレーを行うか共有し、連携を深めることが重要です。
攻撃に移行する際はすぐにカウンターを仕掛ける、後ろに戻して攻撃を組み立てるポゼッションサッカーを行うなど、ある程度の方向性をチームとして決めておきましょう。
方針があればプレーの際に悩むことが減り、判断が早くなるので、切り替えもスムーズに行えます。

 

また、選手間のコミュニケーションを密に取ることも重要です。
サッカーコートは広いため、ボールから遠くにいる選手ほど、切り替えが遅れやすくなります。ボール近くの選手から積極的にコミュニケーションを取ることで、ボールから離れた位置にいる選手も、攻守の切り替えを行いやすくなります。

 

 

■試合展開を左右するトランジション
攻守を素早く切り替え、的確なプレーに移せるかどうかは、試合の勝敗を左右する重要な要素のひとつです。個々の選手の能力が高いとしても、切り替えの判断が遅いとその分攻撃のチャンスが減ったり、失点のリスクが増したりする可能性があります。

トランジションは、選手個人が意識しても高い効果は期待できません。チーム全体で戦略を共有し、攻守の切り替えの動きを練習することが大切です。

 

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【文章】アルペングループマガジン編集部

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