約180gの軽さで加速し、ダイレクトなタッチでゴールを狙う。ニューバランス「Furon Elite HG/AG V9」を試し履き

軽さを特長とするストライカー向けスピードモデル、ニューバランス「Furon Elite HG/AG」がV9へアップデート。27.5cmで約180gという軽量性と、足を包み込む柔らかなフィット感を両立した。

 

今回は、アルペングループのサッカー担当社員がトライアルセッションに参加。実際にピッチでプレーしながら、加速や切り返し、ボールタッチ、シュート時の感触までを確かめた。

 

「スピードモデルは硬くてタイト」というイメージを、Furon Elite HG/AG V9はどう変えたのか。進化した一足の特徴を、販売現場でシューズと向き合うスタッフの率直な声とともにレポートする。

 

 

■27.5cmで約180g。「Furon Elite HG/AG V9」が追求したサッカーのスピード

 

 

トライアルセッションに先立ち、ニューバランスの担当者から、参加者が着用するFuron Elite HG/AG V9の商品説明が行われた。

 

開発にあたり、ニューバランスが改めて見直したのが、「サッカーにおけるスピードとは何か」という問いだった。

 

単純な走力だけでなく、試合の状況を理解して次のプレーを選択する判断力、ボールを持たない場面で相手のマークを外す動き、ボールを持った状態で相手を抜き去る加速力、さらに、その速さを試合の中で維持する力も、サッカーに必要なスピードの一部だという。

 

 

 

こうした多様なスピードを足元から支えるため、Furon Elite HG/AG V9では軽量性、フィット感、前方への推進力、ダイレクトなボールタッチを重視した。

 

 

 

Furonを象徴するのが、履き口を低く設計した「ロープロファイルシルエット」だ。わずかなタイムを競う陸上のトラック競技用スパイクから着想を得たデザインで、初代モデルから受け継がれている。履き口を低くすることで足首の動きを妨げずにプレー中のスムーズな動作を支える。

 

 

■センターレーシングでフィット感をアップデート

 

 

Furon Elite HG/AG V9で大きく変わったポイントの一つが、シューレースの位置だ。

 

従来モデルでは、ボールを蹴るエリアを広く確保するため、シューレースを中央からずらしたオフセンター構造を採用していた。Furon Elite HG/AG V9では、足の甲の中央に配置するセンターレーシングへ変更。足全体を均等に締めやすくし、プレーヤーが好みのフィット感に調整しやすい設計とした。

 

 

 

履き口から甲にかけては、ニューバランス独自のニット素材「Hypoknit」を採用。さまざまな方向へ伸縮し、ソックスのように足の甲から足首まで包み込む。

 

トップモデルのEliteでは、Dと2Eの2種類のウイズを展開。スピードモデルでありながら、足幅に合わせて選べることも、日本のプレーヤーにとって大きなポイントとなる。

 

 

■アッパーを3層から2層へ。Furon Elite HG/AG V8から約12g軽量化

 

 

Furon Elite HG/AG V9の大きな進化として紹介されたのが、アッパー構造の刷新だ。

 

前モデルのFuron Elite HG/AG V8では、中央のニット素材を、表面のTPUフィルムと足側のライニングで挟み込む3層構造を採用していた。さらに、各素材を貼り合わせる接着剤も必要となり、その重さや硬さが生じていたという。

 

Furon Elite HG/AG V9では、TPUフィルムと超軽量のエンジニアードメッシュによる2層構造へ変更。素材と接着剤の層を減らすことで軽量化を図ると同時に、足とボールの間にある素材を少なくし、よりダイレクトなボールタッチを追求した。

 

 

 

エンジニアードメッシュは、選手が前方へ加速するときの動きと、カットインなどで急激に減速するときのデータをもとに設計されている。強い負荷がかかる部分にはサポート性を持たせ、フィット感に関わる部分には柔らかさを残すなど、エリアによって構造を変えている。

 

 


こうした見直しにより、重量は27.5cmで約180g。Furon Elite HG/AG V8から約12gの軽量化を実現した。HG/AG対応のスピードモデルとして、非常に軽量な仕上がりとなっている。

 

担当者は、単に軽さだけを追求したのではなく、選手が違和感なく履き、攻撃的なプレーを引き出せるバランスを重視したと説明した。

 

 

■軽さとフィット感を確かめるトライアルセッション

 

 

商品説明の後、参加者は「Furon Elite HG/AG V9」に履き替え、トライアルセッションに臨んだ。

 

 


まずは、ジョギングやステップワークを交えたウォーミングアップ。ロープロファイルシルエットによる足首周りの動かしやすさと、「Hypoknit」がもたらすフィット感を確認していく。

 

 

 

続くドリブルでは、細かな切り返しや、減速から再加速へ移る動きをチェック。アッパーに採用された超軽量のエンジニアードメッシュは、方向転換時の動きを支えるよう設計されている。

 

 

 

ドリブルからのシュートでは、軽量性と2層構造のアッパーによるボールタッチを、プレーの中で確かめた。スピードに乗ってボールを運び、そのままフィニッシュへ移る、Furonらしい一連の動きが試された。

 

 

 

さらに、サイドからのクロスに合わせるシュート練習では、ボールを持たない場面での動き出しや、落下地点へ入るための細かなステップを確認した。

 

 


最後はゲーム形式。直線的な加速、切り返し、マークを外す動き、ボールタッチなど、ここまで試してきた要素を実戦に近い状況で確かめていく。参加者は一連のメニューを通して、「Furon Elite HG/AG V9」が追求する多様なスピード性能に触れた。

 

 

 

セッション終了後、この日の試し履きに参加したアルペングループの社員に、実際にプレーした印象と、店頭で伝えたいポイントを聞いた。

 

 

■「柔らかさと軽さをすぐに実感」。販売スタッフが感じたFuron Elite HG/AG V9の進化

 

――まずは、トライアルセッションに参加した率直な感想をお聞かせください。

 

向井風太さん(本社 販売企画グループ サッカーチーフアドバイザー)

 

「ニューバランスの試し履きイベントには、今回初めて参加しました。実際に履いて印象的だったのは、アッパーの柔らかさです。足になじみやすい一方で、走ったときにはFuronらしい軽さとスピード感もしっかり得られました。限られた時間の中でも、モデルの特徴を確認できたと思います」

 

 

是竹広夢さん(スポーツデポ フラッグシップストア テラスモール湘南店)

 

「普段は『442 Elite』を履いていますが、Furonを試すのは今回が初めてでした。アッパーの柔らかさに加えて、走り出したときの足運びの軽さが印象に残りました。スピードに特化したモデルでありながら、構えずに履ける。お客様にも提案しやすい一足だと思います」

 

 

長谷健吾さん(スポーツデポ フラッグシップストア トレッサ横浜店)

 

「これまで、スピード系のスパイクには硬くてタイトなイメージがあり、少し苦手意識を持っていました。ただ、トップモデルのEliteにはDと2Eの2種類のウイズがあり、特に2Eは自分の足にしっかりフィットしました。スピードモデルの窮屈さが気になる方にも、ぜひ試してほしいですね」

 

 

柴田京太さん(Alpen NAGOYA:スポーツデポ フラッグシップストア 名古屋栄店)

 

「もともとニューバランスの履き口や履き心地が好きで、お客様にもその良さを伝えてきました。ただ、機能を一つずつ意識しながら、実際にプレーする機会はなかなかありません。今回、自分の足で特徴を確かめられたことで、店頭でもより具体的に説明できると感じました」

 

 

池田有輝さん(スポーツデポ フラッグシップストア マークイズみなとみらい店)

 

「実際に履いてみると、低く設計された履き口によって足首を動かしやすく、スパイク自体の軽さも感じられました。ニット素材が柔らかく、動いている間もストレスが少なかったです。店舗に戻ったら、スタッフやお客様にも自分の言葉で特徴を伝えたいと思います」

 

 

鈴木貴寛さん(Alpen TOKYO:スポーツデポ フラッグシップストア新宿店)

 

「ニューバランスのスパイクをじっくり履くのは初めてでした。普段、自分ではスピード系のモデルをあまり選ばないので、実際のプレーを通して、その軽さやフィット感を確かめられたことが良かったです。商品への理解が深まる機会になりました」

 


――従来のFuronと比べ、特に進化を感じたポイントはありますか。

 

 

向井さん:「僕が初めてFuronを知ったのはV7でした。当時はボールを蹴りやすい一方で、僕の足では甲やつま先付近に少し余りを感じ、合わせにくい印象がありました。

 

今回もフィットするか少し不安でしたが、V9ではそうした違和感がありませんでした。Furonらしい軽さや個性を残しながら、より幅広い足型の選手が合わせやすいモデルへ進化したと感じます」

 


――どのような選手におすすめしたいですか。

 

 

長谷さん:「“スピードモデル”と聞くと、硬くてタイトな履き心地を想像する方も多いと思います。しかし、Furon Elite HG/AG V9はアッパーが柔らかく、足を包み込むようなフィット感があります。

 

硬さや窮屈さを我慢して履くスピードスパイクではなく、履き心地を確保しながら軽さを生かせるモデルです。これまでスピード系を避けていた選手にも勧めやすいと思います」

 

 

――ボールタッチについては、どのように感じましたか。

 

 

池田さん:「スピード系のシューズは横幅がタイトなものも多く、ボールを触っていると窮屈さを感じることがあります。

 

今回のFuronはメッシュ素材が柔らかく、ストレスを感じずにボールへ触れられました。トップモデルのElite はDと2Eから足幅に合わせて選べるため、幅広い選手が試しやすいモデルだと思います」

 

 

――正面やサイドからシュートを打った際の感触はいかがでしたか。

 

長谷さん:「アッパーがボールをしっかり捉えてくれる感覚がありました。足にボールの感触が伝わりやすく、シュートの場面でもインパクトを合わせやすかったです」

 

 

 

是竹さん:「スピードに乗った状態からでも、力強いシュートを打つことができました。ゴールへ向かってプレーするフォワードはもちろん、サイドから仕掛けてシュートを狙う選手にも合うと思います」

 

 

――ゲーム形式までプレーしたうえで、全体としてどのような印象を持ちましたか。

 

向井さん:「スピード系のシューズには、地面からの突き上げを強く感じるモデルもありますが、今回のFuronでは比較的マイルドに感じました。

 

軽さやスピード感を求めながら、履き心地も譲りたくない選手にとって、選択肢に入れやすい一足だと思います」

 


――好印象だった一方で、今後さらに期待したいポイントはありますか。

 

 

向井さん:「個人的には、かかと周りにもう少し明確なホールド感があってもいいと感じました。Furonの魅力であるアッパーの柔らかさを残しながら、かかとから中足部に適度な剛性が加われば、加速するときの安定感がさらに高まると思います。

 

 

 

軽量性や前足部の屈曲性は、大きな武器です。そこにスタッド形状など、スピードを視覚的にも伝えられる特徴が加われば、店頭でもFuronならではの個性を、より説明しやすくなると感じました」

 

ニューバランスの担当者によれば、Furonは直線的な加速だけに特化するのではなく、カットインなどの左右へのステップインするような動きを支えるスピードモデルとして設計されているという。Furon Elite HG/AG V9では軽量性に加え、センターレーシングの採用などによって、フィット感もアップデートされた。

 

 

――人工芝でプレーした際、アウトソールについて感じたことはありますか。

 

 

鈴木さん:「グリップ力と安定感の高さを感じました。一方で、今回のような芝が長めの人工芝では、スタッドがしっかり刺さる分、切り返しの際に、もう少し地面からの抜けが欲しいと感じる場面もありました。

 

強いグリップを好む選手には合うと思います。今後、人工芝での軽快な足さばきをさらに意識した仕様が加われば、Furonの軽量性を生かせる選択肢が、より広がるのではないでしょうか」

 

 

 

柔らかなフィット感、トップモデルのEliteは足幅に合わせて選べる2種類のウイズ、そして27.5cmで約180gという軽さ。今回のトライアルセッションでは、従来のスピードモデルに硬さや窮屈さを感じていた参加者からも、その履きやすさを評価する声が聞かれた。

 

単に速く走るためだけではなく、動き出しから切り返し、ボールタッチ、フィニッシュまでを軽快につなげていく。「Furon Elite HG/AG V9」は、スピードを求めながら、フィット感も妥協したくないプレーヤーに提案したい一足だ。

 

実際にピッチで性能を確かめた経験は、今後、アルペングループの各店舗で、その特徴をお客様へ伝える際にも生かされていくだろう。

 

 

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【写真】軍記ひろし
【取材・文章】池田鉄平
【取材協力】株式会社ニューバランス ジャパン

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