アイアン選びは長く、打感を取るかやさしさを取るかという二択で語られてきた。軟鉄鍛造の一枚ものはフィーリングに優れるがシビア。キャビティはやさしいが、どこか物足りない。この構図に納得しきれないままどこかを妥協してクラブを選んできたゴルファーは少なくない。
キャロウェイの「X FORGED」アイアンシリーズは、2007年の初代モデルの発売以来、この前提を崩し両立させることでプロ、アマチュア問わず幅広いゴルファーから支持されてきた。今年リニューアルした10代目「X FORGED」はそれをさらにブラッシュアップし、フィーリングと寛容性をより高い次元で両立させた。
『新しくなったキャロウェイ「X FORGED」シリーズ』
最大のトピックは、従来のS20Cからより炭素含有量が少なくやわらかいS15Cへの素材変更だ。インパクト時の打感と打音はよりピュアでクリアになり、芯を食ったときの感触は明らかに密度が高く、手のひらに残る情報量が増えた。ただやわらかいだけではない、輪郭のぼやけない「芯のあるやわらかさ」は、打感を重視する軟鉄鍛造アイアンユーザーにとってうれしい進化と言えるだろう。
『S15C採用でさらに心地よく軟らかい打感に(写真はX FORGEDアイアン)』
S15Cの特性を最大限に引き出しているのが、バックフェースの設計だ。センター下部に集約された肉厚構造によって、インパクトのエネルギーが一点に凝縮される。結果として、マッスルバックのようなダイレクトなフィーリングが生まれる一方で、現代的なアイアンに不可欠な寛容性も確保されている。
フィーリングと性能を分断せずに追及することで、キャビティユーザーのもとめる「やさしさ」も十分に備えている点も、「X FORGED」らしい進化だ。
『「X FORGEDアイアン」』
『肉厚構造になっているバックフェースのセンター下部』
スタンダードの「X FORGEDアイアン」は、その思想をストレートに体現したモデル。ヘッドはコンパクトでトップラインは適度に薄め。オフセットも抑えられ、中・上級者にとって構えやすいシャープな顔つきだ。
ブレード長やオフセット量は番手ごとに段階的に調整されており、ロングアイアンには安心感を、ショートアイアンには操作性を与えている。見た目の変化はわずかだが、構えたときの印象と狙いやすさが明確にチューニングされているところは緻密な設計が売りの「X FORGED」ブランドの面目躍如と言っていいだろう。
ソール形状は、リーディングエッジ側の櫛型形状とトレーリングエッジの面取りは前作を踏襲しつつ、エッジを際立たせることで抜けのよさとシャープさを両立している。
入射のミスに対して過敏に反応せず、それでいて意図したコンタクトを邪魔しない。この「許すが、甘やかさない」バランスが絶妙だ。
『緩やかに削り落としたソール形状で抜けの良さが高まった』
一方で、ストロングロフトの「X FORGED STARアイアン」は、軟鉄鍛造のフィーリングを求めながらも、飛距離を求め、シビアすぎるヘッドには踏み込めない層に最適化。
トップラインはやや厚く、ソールも広めにすることで、低重心化とともにヘッド外周への重量配分を大きくし、ミスヒット時の許容範囲は大きく広がっている。
『「X FORGED STARアイアン」』
『フェースセンターは「X FORGEDアイアン」同様に肉厚設計。若干のキャビティ構造でしっかりと飛ばせるモデルに』
特徴的なのは、番手ごとの見え方を揃えている点だ。ブレード長はほぼ統一されており、どの番手でも同じイメージで構えられる。これは単なる安心感の話だけではなく、スイングの再現性に直結する。番手が変わるたびに微妙な違和感を修正する必要がなくなることで、結果としてミート率と方向性が安定する。
『「X FORGEDアイアン」に比べると若干大きく安心感がある印象の「X FORGED STARアイアン」(左:X FORGEDアイアン 右:X FORGED STARアイアン)』
ロフトは、「X FORGEDアイアン」が7番で33度というクラシカルな設定を維持する一方、「X FORGED STARアイアン」は7番で29度と3〜4度ストロングに振られているが、低重心設計によって高さはしっかり確保。飛距離を伸ばしながら、アイアンらしい弾道の質を落とさない緻密な設計は、単なる「飛び系」とは明確に一線を画している。
「X FORGEDアイアン」と「X FORGED STERアイアン」、操作性を軸にショットを組み立てるプレーヤーにとっては「X FORGEDアイアン」が自然な選択になる一方で、スコアメイクにおいて再現性や安定性を重視するなら「X FORGED STARアイアン」のメリットは大きい。アイアンに求める役割の違い、そして求める飛距離に応じて選んでいただきたい。
今回、「X FORGED」シリーズは、アイアンに加えてウェッジがラインアップされている点も大きな特徴。
アイアン同様S15C素材でやわらかな打感を備えつつ、「OPUS」シリーズよりも若干大きめのヘッドとすることでやさしく扱えるウェッジという位置づけだ。キャロウェイの軟鉄鍛造ウェッジは2023年の「JAWS FORGEDウェッジ」以来となる。
『「X FORGEDウェッジ」もラインナップ』
ヘッドシェイプ自体は「OPUS」の形状を踏襲。構えやすく開きやすい形状は残したまま安心感と寛容性を付与し、「X FORGEDアイアン」、「X FORGED STERアイアン」のユーザーにもストレスなく使えるウェッジとなっている。
『「OPUS」を踏襲した扱いやすい形状に』
フェースの溝は「OPUS SP」ウェッジのものを踏襲。ディープフェーサーレーザーの17Vグルーブで、ウェットコンディションやラフからでも高いスピン性能を発揮する。
ロフトは48~60度まで、2度刻みの7ロフト設定で、すべてのロフトでバウンス10度。
CグラインドとSグラインドの展開。アイアンセットとのつながりのいいシンプルで「わかりやすい」構成としている点も、ユーザーフレンドリーといえる。
いずれも発売は4月10日。すでにゴルフ5各店舗には試打クラブが入荷しているので、ぜひご来店のうえ、実際に打ってS15Cの打感を堪能していただきたい。
ニューモデルはロゴデザインとキャロウェイの「シェブロン」デザインも一新され、よりスタイリッシュになっているので、バックフェースのチェックもお忘れなく。
<X-FORGEDシリーズ詳細はこちら>
https://store.alpen-group.jp/golf5/campaign/detail.php?id=10767
【文章・写真】アルペングループマガジン編集部