バドミントン日本代表選手として、2016年オリンピック(リオデジャネイロ)で3位に入り、2017年世界選手権(グラスゴー)で優勝を成し遂げ勢いに乗る奥原希望選手(太陽ホールディングス所属・24歳)。粘りのあるプレーが特長的な奥原選手は、バドミントン用具に対するこだわりと今後の目標について、どのように考えているのだろうか? ――奥原さん、スポーツは何から始めましたか? 奥原:小さい時に水泳を始め、父はスキーヤーだったのでスキーもやりましたね。また父はバドミントン部の顧問でもあったので、休みの日に遊びでバドミントンもやりました。 ――いつ頃からバドミントンを中心に取り組みましたか? 奥原:小学校2年生の時ですね。ユニフォームをまだ持っていないのに、初めての試合で長野県大会に出てみると優勝をしてしまいました。その後の全国大会では負けたので悔しかったんですが、バドミントンの楽しさを感じながら徐々にのめり込んでいきました。 ――中学校時代をどのように過ごしましたか? 奥原:とにかく毎日バドミントンをやっていましたね。私が世界の舞台に進むのかなと思ったのが、中学校2年生の時になります。初めてジュニアの日本代表に選ばれて、少しずつ海外の試合に出るようになりました。 ――高校進学の決め手は何でしたか? 奥原:中3の夏に埼玉県立大宮東高校の顧問の方に声をかけていただいて、何度か練習に参加をしました。顧問と中国人コーチの指導が自分にとってすごく良いと思い、進学を決めましたね。高校ではそれなりに結果を残せましたし、日々充実していたと思います。 ――高校卒業後、どのような進路を選択したのですか? 奥原:環境、会社の人たちの理解、サポートが凄くしっかりしている日本のトップチームのユニシスに所属しました。温かいチームで、リオデジャネイロ五輪金メダリストの高松ペアの高橋礼華さんと松友美佐紀さんを初めとするメンバーにも恵まれていましたね。色々な刺激を受けながらバドミントンをやらせてもらい、リオで銅メダルを獲得することができました。 ――素晴らしいですね。奥原選手は、相手のショットを拾い続ける粘り強いプレーで相手にダメージを与えてから攻撃に転じますね。ご自身のプレースタイルや戦術面を、どのように分析していますか? 奥原:よく言われるのが、その粘りとなります。この低い身長(156cm)で世界の強豪選手と戦うにあたり、ラケットが届く所と届かない所がはっきりしていますからね。相手のショットをただ拾うのではなくて、相手に打つ場所を限定させることで粘ることができます。相手が何をしてくるのか。いったい何をしたいのか。それらに対して駆け引きをすることが自分の強みとなります。現在、攻撃力を強化していまして、ミズノさんに球が走る(スピードと威力が増すショットが打てる)ラケットを開発してもらいました。私とサポートをしてくれる人たちと皆で、2020年に向かっていると実感しています。 ――その球が走るラケットには、どのような機能が備わっているのですか? 奥原:粘りのある配給をするために、ラケットにシャトル(羽根)が当たる瞬間に生じる、手でキャッチするような感覚を求めています。 ※ミズノ バドミントンラケット ALTIUS(アルティウス) 01 FEEL(7月発売) このラケットにはキャッチする機能が十分備っているので、攻撃力を発揮しやすくなっています。 ――バドミントンシューズは、ランニングシューズと比べると一回り大きく作られているように見えます 奥原: そうですね。バドミントンでは、足を着地してジャンプして切返しをしてストップするなど、様々な動きが要求されます。どの方向に動いてもグリップ力が必要になってくるので、他の競技のシューズと比較をして頑丈に作られているのかなと思います。 コートに敷かれたマットは、メーカーによってグリップが効いたり滑りやすかったりするので、プレーにかなりの影響が出てきます。4年前の試合中、滑って怖くなってしまい、足が出なくなったことがありました。 ※ミズノ バドミントンシューズ WAVE CLAW(ウエーブ クロー)(7月発売) そこでミズノさんの担当の方に相談をして、シューズのソールのゴム素材を10種類以上も履き比べをできたのが良かったですよね。今ではどのようなコートでも対応できるシューズを使用できているので、思いっきりプレーをできています。 新シューズは、履いた瞬間に足が包まれてフィットしている感覚があります。特に、かかと部分のホールド感が最高で、シューズが足の動きにフィットしてくれるので助かっています。 ――ミズノ製のウェアは軽くて質が良いですよね。奥原さんが今着用しているウェアの襟元は、ドレスみたいでオシャレです。 奥原: ありがとうございます(笑)。毎年、ウェアに関してもミズノさんに要望を出しています。バドミントンのウェアは丸襟のものが多いですが、今着ているものはVでもなく良いデザインですし、モチベーションが上げてくれるので非常に好きですね。 ラケット、シューズ、ウェアに対する不安がなくなりましたし、私と同じモデルを使用する子供たちや一般の方を目にするので非常に嬉しくなります。 ――奥原さんのような世界のトップアスリートとなるために、必要なトレーニングがあれば教えてください。 奥原:正直言って、このようなトレーニングをやれば良いという正解はないと思いますね。バドミントンに限らず、どのスポーツにも同じことが言えるはずです。仮にこの練習をしたから強くなったということがあったとしても、それは誰にでも当てはまることではないですからね。 課題を克服して自分の良さを伸ばしていくことが大切です。何かを極めるには、とことん追求していかなければなりません。自分については自分が1番分かっていますが、客観的に観ることができる人に意見を聞いてみて、足りない部分を付け足していくことも必要だと思います。 ――無尽蔵のスタミナを持つ奥原さん。試合で疲れることはあるのですか? 奥原:はい、疲れます(笑)。体のメンテナンスにはこだわっていますね。これまで色々な怪我をしてきましたし、どんなに調子が良くても何が起こるか分からないですから。今怪我をしてしまうと、自分の目標を実現することができなくなります。治療院の先生教えてもらったセルフケアの方法を、普段できる範囲で行っています。 ――世界選手権で頂点に立ったことがある奥原さんにとって、世界一の舞台はどのように映りますか? 奥原:世界一の舞台は、全てその時その瞬間に認められた、人間力のある選手が立つことができる特別な場所であると思います。限られた重要な大会で結果を出すということは非常に難しいですが、そこに向けて1日1日を過ごしていくだけですね。 ――今後の目標について教えてください。 奥原:前回の五輪で頂点を目指していましたが、準決勝で自分のプレーを出し切れずに負けてしまいました。本当に悔しかったですし、銅メダルを自分の力で勝ち獲ったという感覚がありません。 あれから4年後、4年に1度の大舞台で金メダルを獲るためには実力を付けなければならないですし、それ以外には巡り合わせも必要だと思います。自分にとって本当に最大の目標が来年に迫っているので、どのような結果になっても本当にやり切ることができる環境を求めています。1月からプロ選手となって毎日が非常に充実しているので、全体のベースアップをして勝つ確率を上げていきたいですね。 ――最後に奥原さんにとってバドミントンとは何になりますか? 奥原:よく聞かれますね(笑)。本当に人生そのもので、今までの大半をバドミントンと共に過ごしてきました。バドミントンが無ければ今の私はないと思います。バドミントンがあるからこそ、こうやって色々な人と出会って、色々な経験ができて、新たな目標と自分の夢に向かっていくことができています。全てがバドミントンとなっているので、私そのものがバドミントンなのではないかと思います。
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