バスケットボールの試合において、ドリブルで相手を抜き去るプレーはシュートが決まった時と同じように盛り上がるものです。相手を抜き去る方法は複数ありますが、覚えておきたいテクニックのひとつとして「クロスオーバー」が挙げられます。
バスケットボールのクロスオーバーとは、具体的にどのようなテクニックなのでしょうか。
ここでは、クロスオーバーの概要や、プレーにキレを出すコツをご紹介します。
【目次】
■バスケのクロスオーバーとは?
■クロスオーバーを決めるコツ
・フェイクモーションを入れる
・ボールを大きく動かす
・緩急をつける
■クロスオーバーの練習方法
・ドリブルスキルの練習
・ハンドリング力の強化
■技術を駆使して相手を翻弄しよう
■バスケのクロスオーバーとは?

クロスオーバーとは、ボールを左右に切り返すことでディフェンスを惑わし、相手を抜き去るドリブルテクニックのことです。主に、体の前でボールを左右に動かすフロントチェンジの際に使われます。
クロスオーバーとフロントチェンジは混同されることもありますが、フロントチェンジが体の前でボールを左右に動かすプレーなのに対して、クロスオーバーはドリブルで突破するために相手を揺さぶるプレーという違いがあります。
ドリブルのテクニックの中では一般的なものではあるものの、実戦ではある程度のスピードを保ちながらディフェンスの動きも確認しつつ、ボールを動かさなくてはいけません。
見た目こそシンプルなテクニックですが、試合で使いこなすには慣れや経験が必要です。
また、クロスオーバーではボールを体の前で動かします。相手ディフェンスにスティールを受けやすい点にも注意しましょう。
■クロスオーバーを決めるコツ
クロスオーバーは、シンプルながらも実際に試合で使いこなすのは難しい技です。上手に決めて相手ディフェンスを抜き去るには、コツを意識しながら練習に取り組む必要があります。
クロスオーバーを行う時は、次の3点を意識するのがおすすめです。
・フェイクモーションを入れる
前提として、クロスオーバーで相手を抜き去るためには、相手の逆を突かなければいけません。自分が単純に左右に動くだけでなく、抜きたい方向とは逆にディフェンスが動くように仕向けることが大切です。
ドライブの前にフェイクモーションを入れるなど、ディフェンスに「相手はこっちに行くはず」と思わせるプレーを心がけましょう。
大きく横にスライドしてからクロスオーバーを仕掛ける、あえて間合いを詰めて相手に警戒させてから切り返すなどのプレーが、例として挙げられます。
フェイクモーションの際に、足が止まっていたり、上体が残ったりしていると、相手に見破られてしまう恐れがあります。
フェイクだからと手を抜くのではなく、実際にドライブを仕掛ける時と同じように体を動かすのがポイントです。
・ボールを大きく動かす
ドリブルの幅を意識して、ボールを大きく動かすことも大切です。ボールを左右に大きく動かして相手を揺さぶると、ディフェンスとの距離感を作りやすくなります。
相手がその動きに反応して体を動かしたところで、自分は反対方向に素早く切り返せば、ディフェンスを抜き去ることが可能です。
この時、高い位置でボールを突いていると、相手にスティールされる可能性が高くなります。低い位置で、鋭くボールを切り返す意識を持つようにしましょう。
・緩急をつける
クロスオーバーを仕掛ける時は、基本的には相手ディフェンスと正対しているはずです。相手ディフェンスの方がリングとの距離は近いので、単純なスピード勝負で相手を抜き去るのは、よほどのことがない限りできません。
ドリブルのリズムを変えるなど、プレーに緩急をつけること(チェンジオブペース)も心がけましょう。前後左右に加えてスピードの緩急でも相手を揺さぶり、相手が動きにくい状況を作ることで、キレのあるクロスオーバーが成功しやすくなります。
■クロスオーバーの練習方法

クロスオーバーのコツをつかむには、日々の反復練習で体に動き方を覚えさせる必要があります。クロスオーバーに必要なテクニックを習得するために、ドリブルやハンドリング力の向上に努めるのがおすすめです。
練習時のポイントとしては、以下の点が挙げられます。
・ドリブルスキルの練習
クロスオーバーはドリブル技の一種です。大前提として、ドリブルが上手にできないとクロスオーバーも成功しにくくなってしまいます。
ディフェンスが目の前にいると仮定するなど、実戦を想定してドリブル練習を行いましょう。
試合中は相手ディフェンスの動きを見ながらプレーする必要があるため、ボールを見ない状態で、強く速くボールを突くことがポイントです。
ただし、どれだけドリブルが上手にできても、相手ディフェンスに「この選手は必ずドリブルを仕掛けてくる」と見抜かれていると、対応される可能性が高まります。
遠くからシュートを打てない選手の場合も、相手はドリブルだけ注意すれば良いので、ディフェンスを抜くのは難しくなってしまうでしょう。
ドリブルだけでなく、遠い場所からシュートを打てるようにすることも大切です。シュートレンジを広げるために、遠くからシュートを打つ練習を取り入れることもおすすめします。
・ハンドリング力の強化
クロスオーバーを決めるには、ボールを自在に操ることができるボールハンドリング力も欠かせません。左右にボールを動かすことになるので、利き腕はもちろん、反対側の手でもボールを操る練習を行いましょう。
ボールハンドリングを鍛える練習方法には、次のようなものがあります。
【片手でボールをはじく練習】
ハンドリング力を高めるには、指先の感覚が必要です。片手でボールを真上にはじく練習を取り入れて、感覚を強化しましょう。
片手の指先を使ってボールを真上にはじき、落ちてきたボールを指先でとらえます。家の中でも気軽に取り入れやすいのが、この練習方法のメリットです。
片手ではじくのが難しい方は、両手の指先でボールを素早く左右に動かす練習から取り組むと良いでしょう。
【ボール回し】
体の周囲でボールを回す、ボディーサークルという練習もおすすめです。ボールを見ないで、首やお腹などの周りでボールを回します。最初は、難度が低いお腹周りでボールを回す練習から始めてみてください。
また、クロスオーバーを行う時は、足さばきなどの体の使い方で相手を惑わす必要があります。足の動かし方を練習したり、素早いドライブに必要な瞬発力を鍛えるためのトレーニングを取り入れたりするのもおすすめです。
■技術を駆使して相手を翻弄しよう
クロスオーバーは、基本的ながら試合で役立つバスケットボールのテクニックのひとつです。スキルを高めれば、1on1はもちろん、試合中のさまざまなシーンで活用できます。
見た目こそシンプルなテクニックですが、実戦で活用する難度は高いため、コツを意識しながら練習を繰り返して、体の動かし方を覚えていきましょう。
ただし、どれだけ上手にクロスオーバーができたとしても、それだけでは相手にプレーを読まれてしまいます。シュートレンジを広げるなど、プレーの幅を増やすことも、相手ディフェンスを翻弄するためのポイントです。
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【文章】アルペングループマガジン編集部