卓球やテニス、バレーボールなどのネットを挟んでボールを交互に打ち合うスポーツは、原則としてラリーが終わらない限りは得点が入ることはありません。
しかし、卓球には試合や大会進行を円滑にするための「促進ルール」という規則が存在します。プロの試合で実際に適用される頻度は高くないので、内容を知らない方も多いかもしれません。
促進ルールとは、具体的にどのような規定を定めたルールなのでしょうか。
この記事では、試合観戦にも役立つ卓球の促進ルールについてご紹介します。
【目次】
■促進ルールとは?
■促進ルールの適用条件
■促進ルールが適用されるとどうなる?
・サーブが1本交代に
・レシーバーは13回返球できれば1点
・試合終了までルールが有効に
■促進ルールで勝つにはどうすれば良い?
■促進ルールを理解して卓球をより楽しもう
■促進ルールとは?

卓球の促進ルールは、試合が長引くのを防ぎ、大会進行を円滑にするために設けられているルールです。
卓球の試合は、選手同士の実力が拮抗していると、ラリーが終わらずに長い時間がかかることがあります。特に、守備型で相手のミスを狙うカットマン同士の試合だと、お互いに有効打を打つまでに時間がかかるため長引きやすいです。
1試合が長引くと、その後の試合も始めることができません。大会の運営に支障をきたす恐れがあることから、このルールが導入されています。
導入のきっかけは非常に古く、1936年の世界選手権といわれています。当時のある試合で、ラリーが数時間にわたって続いた結果、選手ではなく審判が疲弊して交代することとなりました。
それをきっかけに、試合時間の短縮を目的としたルール改正が行われたとされています。
■促進ルールの適用条件
促進ルールはあくまでも試合が長引くのを防ぎ、大会進行を円滑にするためのルールなので、どのような状況でも採用されるわけではありません。
基本的には、次の2つの条件に当てはまる場合に限り促進ルールが適用されます。
【促進ルールの適用条件】
・1ゲームが10分以上経過した
・10分以上経過した時点で、両選手の合計得点が18点未満(17点以下)
例えば、1ゲームが10分以上経過した時点で、ゲームスコアが5-6の場合は、促進ルールが適用されます。時間が10分以上経過していたとしても、10-9や10-8、9-9といったスコアになっていれば、通常のルールで試合が続く点に注意が必要です。
10分に達した時点でラリー中だった場合は、審判がレットを宣言し、ラリーを中断したうえで促進ルールが適用されます。ラリー中に中断された場合は、サーブ権を持っていた選手のサーブから試合が再開される点も覚えておきましょう。
また、選手同士が試合前に同意した場合は、条件を満たしていなくても促進ルールが適用されることがあります。
とはいえ、一般的な卓球の試合は1ゲーム5分程度で決まることが多いとされており、促進ルールが適用されるケースは多くありません。
■促進ルールが適用されるとどうなる?
促進ルールが適用されると、その試合は普段とは異なるルールで進行します。自分がプレーする際はもちろん、試合観戦の際にも役立つので、通常のルールとの違いを知っておきましょう。
促進ルールが適用された後の主なルールは、次の3点です。
・サーブが1本交代に
通常の試合では、サーブ権は2本サーブを打つと相手選手に移行します。しかし、促進ルールが適用されると、サーブは1本交代になります。
これは、試合のテンポをよくしたり、サーバー側にかかる心理的・戦術的な負担を標準化したりすることが目的です。
・レシーバーは13回返球できれば1点
通常の試合中であれば、ラリーが続く限り得点が認められることはありません。
促進ルールの適用後は、レシーバーが13回目の打球を相手コートに返した時点でレシーバー側の得点となります。
もちろん、それまでにラリーを制して得点を決めることも問題ありません。
レシーバー側はひたすら粘ってラリーを続けることで得点を得るか、攻撃を仕掛けるかを決められるため、戦略上は有利です。
反対に、サーブ権を持つ側は13本以内にポイントを決めないと、無条件で相手の得点になってしまいます。促進ルールの適用後は守備型のカットマンタイプだとしても、自ら攻撃を仕掛けなければいけません。
実際の試合では、レシーバーの返球回数はストロークカウンターや副審などがレシーブ回数をカウントするため、あと何回で得点になるかを簡単に把握することが可能です。
・試合終了までルールが有効に
一度促進ルールが適用された試合は、終了まで常に促進ルールに則って続けられます。例えば、1ゲームの途中で促進ルールに入った場合は、2ゲーム目以降も全てのゲームで促進ルールが有効です。
仮に、ルール適用後はラリーが全く続かず、スムーズに試合が進んだとしても、元のルールに戻ることはありません。
早い段階で促進ルールが適用された結果、戦略の変更を余儀なくされることもあるため、覚えておきましょう。
■促進ルールで勝つにはどうすれば良い?

前述のとおり、促進ルールが適用されると、レシーバーは13回返球することができれば自動的に得点を得られます。言い換えると、サーバー側は13回のラリーが終わる前に得点を決めなければいけません。
促進ルールが適用された試合で勝つには、相手の裏をかく積極的な戦略と、1本を確実に仕留めきる攻撃力が必要不可欠です。
基本的に、促進ルールが適用される時点で、お互いの実力が拮抗しているか、守備型の選手同士の試合であることが想定されます。
普段は守備寄りで相手のミスを待つカットマンタイプの戦型だとしても、自分がサーブ権を持っている時は積極的に攻める姿勢を見せていきましょう。
日頃から、3球目攻撃や5球目攻撃といった早めに攻撃を仕掛ける戦術を練習しておくのも有効です。
反対に、レシーブ側は13回返球できれば良いため、攻撃型の戦型を好む選手だとしても、ある程度守備的な戦略にシフトした方が有利に働く場合があります。
普段とは異なる状況下でも、落ち着いてミスなくプレーできるように、日頃からレシーブなどの守備的な技術を練習しておくことが大切です。
■促進ルールを理解して卓球をより楽しもう
卓球の促進ルールは、試合が過度に長引くのを防ぎ、大会運営を円滑にするために設けられているルールです。
一般的には1ゲームは5分程度で終わることが多いとされているため、見る機会はそこまで多くはないかもしれません。
しかし、カットマン同士の試合などではルールが適用されることもあるため、覚えておくと自分がプレーする際はもちろん、試合観戦でも役に立つでしょう。
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【文章】アルペングループマガジン編集部