登山やトレッキング、ハイキングといった山道を歩くアウトドアアクティビティーは、全身で豊かな自然を感じられるのが魅力です。しかし、山の中ではちょっとした行動が自分や他人を危険にさらしたり、自然破壊につながったりすることもあります。
山でのアクティビティーにチャレンジする際は、山ならではのマナーやルールを知っておくことが大切です。
この記事では、登山・トレッキングなどの山歩き(山登り)の際に守りたい基本のマナーとルールをご紹介します。
【目次】
■山登りではマナーやルールに要注意
■登山・トレッキングのマナーとルール
・無理はせずレベルに合った山を歩こう
・すれ違う時は挨拶を
・登り優先が基本
・動植物は傷つけない
・休憩時の過ごし方
・ゴミは必ず持ち帰る
・落石を起こしてしまった時は?
■公共交通機関を使った行き帰りのマナー
■山では周囲への配慮を欠かさずに
■山登りではマナーやルールに要注意

仕事や食事など、日常生活の中には明文化こそされていないものの、多くの人が行う決まり事があります。こうした決まり事のうち、周囲の人に迷惑をかけたり、不快感を覚えさせたりするのを防ぐためのものがマナーです。
都市部を離れた自然の中では、ひとつの行動が命を危険にさらすこともあり得ます。
日常生活を離れて、登山やトレッキングといったアクティビティーを楽しむ際は、普段以上にマナーやルールを守ることが重要といえるでしょう。
■登山・トレッキングのマナーとルール

山でのマナーと聞いても、アウトドア初心者の方は想像がつかないかもしれません。具体的に、山の中ではどのようなマナーやルールに配慮すれば良いのでしょうか。
初心者の方が、最低限意識したい山道でのマナーやルールとしては、次の7点が挙げられます。
・無理はせずレベルに合った山を歩こう
大前提として、山歩きを安全に楽しむうえで無理は禁物です。初心者の方がいきなり難度の高い山に向かっても、つらいだけで景色を楽しめなかったり、遭難したりする恐れがあります。
自分のレベルに合う山を選んで、入念な計画を立てたうえで山に向かいましょう。
事前に登山届(計画書)を作成・提出したり、周囲の人に山に出かけることを伝えたりしておくのもおすすめです。知り合いなどに山に行くことや、実際のルートなどを伝えておけば、万が一遭難した際に救助の手がかりとなる可能性があります。
・すれ違う時は挨拶を
山道で他の人とすれ違う時は、挨拶をするのが基本的なマナーです。すれ違う人と会話を交わすことで、先の道の状況や周囲の環境といった情報を把握できる可能性があります。
また、遭難が発生した際に、どこですれ違ったか、どんな服を着ていたか、どんな様子だったかという情報が、捜索の手がかりになるかもしれません。万が一の事態に備えるという意味でも、顔を見て挨拶をすることは重要です。
とはいえ、疲れていて声を出すのも難しいなど、どうしようもないことも考えられます。「絶対に声をかける」などと決めつけるのではなく、声を出せない時は目を見て会釈するなど、相手の状況に配慮することを心がけてください。
・登り優先が基本
山道は一列になって歩き、人同士がすれ違う時は登る人を優先させるのが基本になります。これは、下りの方が相手に気がつきやすい、よける場所を確保しやすい、登る人の歩くペースが乱れないといった点が理由です。
体がぶつかった拍子にバランスを崩して滑落する恐れがあるため、道を譲る側は山側によけたうえで、ザックも山側に向けて相手に当たらないように配慮しましょう。
ただし、登り優先は原則で、どんな状況でも遵守するべき絶対的ルールではありません。例えば、登る人がよけた方が安全にすれ違える場面や、登る側が大人数のグループで相手を長く待たせてしまう場面も考えられます。
人数が多い時は「こちらは人数が多く時間がかかるので、先に行かれますか?」と聞いてみるなど、安全に配慮したうえで臨機応変に対応することがポイントです。
・動植物は傷つけない
生態系保全のため、山にある植物や石などを採取したり、傷つけたりするのは厳禁です。野草を踏みつけたり、自身が滑落したりする可能性があるので、写真撮影などを目的に登山道から外れることも避けてください。
また、野生動物にエサを与えるのも生態系に悪影響を与えるため避けましょう。人からエサをもらったことをきっかけに、自分でエサを獲れなくなったり、人に近づいてきて危害を加えたりするようになる恐れがあります。
・休憩時の過ごし方
山道でのマナーの原則は、周囲に配慮することです。休憩する際も、登山道の真ん中に腰を下ろしたり、荷物を置いたりするのは避け、他の人の迷惑にならないように注意してください。
特に、山頂は狭い場所を多くの登山者と共有することになるため、配慮が必須です。
山頂にある標識付近は、写真撮影を行いたい方がたくさんいることが考えられます。標識の近くで休憩したり、荷物を置いたりするのも控えた方が良いでしょう。
・ゴミは必ず持ち帰る
山では「残して良いのは足跡だけ」といわれることがあります。登山中に出たゴミは必ず自分で持ち帰り、家に帰ってから捨てるのがマナーです。ゴミをまとめて置けるように、ビニール袋を持参することをおすすめします。ニオイ漏れが不安な方は、ファスナー付きの袋も用意しておくと安心です。
包装をあらかじめはがしたり、ファスナー付きの袋やボトルに詰め替えたりしておくと、ゴミの量を減らすことができます。
また、行程次第では山の中で調理をしたり、ご飯を食べたりすることもあるでしょう。環境破壊につながるため、使用した食器を洗ったり、スープを捨てたりするのも厳禁です。
汚れた食器は袋に入れて持ち帰り、自宅で洗うようにしてください。スープは全て飲み干すか、市販の凝固剤で固めるなどして持ち帰りましょう。
・落石を起こしてしまった時は?
山道を歩いている途中で、石や自分の荷物を落としてしまうことも考えられます。特に、落石は石のサイズにかかわらず、大きな事故につながる恐れがあるものです。
落石を防ぐため、岩場を歩く時は歩幅を小さくして、確実に足を運ぶことを心がけましょう。前に他の登山者がいる場合は、間隔を空けて落石を避けられるようにするのがおすすめです。
とはいえ、気をつけていても落石を起こしてしまうことはあり得ます。万が一落石が発生した場合は、すぐに「ラク!」「落石!」などと叫んで周囲に危険を伝えてください。
■公共交通機関を使った行き帰りのマナー
自宅やホテルなどから山へ向かう際に、公共交通機関を使うことも多いはずです。基本的には、普段電車やバスに乗る時と同様の配慮を行ってください。
特に、ザックは他人の邪魔になる場所に置かないようにしましょう。下山後はザックや靴が汚れている可能性があるため、事前に汚れを落としたり、カバーをかけたりしておくことをおすすめします。
また、トレッキングポールをザックに取り付けたままだと危険です。ザックの中にしまうか、手に持って周囲の人に当たらないようにするのがマナーです。
■山では周囲への配慮を欠かさずに
山でのマナーの根底にあるのは「周囲への配慮」と「自然環境を壊さないこと」の2点といえます。たくさんのマナー・ルールを紹介してきましたが、難しいことはひとつもないはずです。
しかし、マナーを破っていると、周囲に不快な思いをさせるだけでなく、大きな事故につながる恐れもあります。
全ての人が安全かつ快適に山を楽しめるように、基本的なマナーに気を配ることを心がけましょう。
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【文章】アルペングループマガジン編集部