ミズノ「WAVE RIDER 30(ウエーブライダー30)」接地感と安定感に新たな感覚

■ミズノ「WAVE RIDER 30(ウエーブライダー30)」が発売
 

1997年にアメリカで初代モデルが投入されて以来、多くのランナーに愛されてきた「WAVE RIDER」シリーズが30周年を迎え、WAVE RIDER 30が発表されました。

 

定番モデルとは、時代が移り変わっても、ランナーに選ばれ続けるモデル。ゆえに、変わらない部分と、時代に合わせて少しずつ形を変えていく部分が同居するという、常にその矛盾と戦う運命があるわけですね。

 

『REACH BEYOND』

 

ミズノが掲げるブランドスローガンの通りに、遥か先を見据えて、今回のWAVE RIDER 30は、30年に1度の大きな変化があったモデルとして時代に名を残すことになるでしょう。

 

結局、『ウエーブプレート』非搭載にした野心的モデル、MIZUNO NEO ZEN、また、トレンドのスーパートレーナーモデル、MIZUNO NEO VISTA、これらモデルにおけるチャレンジが、「WAVE RIDER」シリーズに与えた影響も少なくないはずです。

 

では、今回のWAVE RIDER 30は何が変わって、果たして、いつものWAVE RIDERシリーズの定番たる要素は残っているのか。そして、どんなランナーの、どんな用途にフィットするのか、早速解説していきましょう。

 

 

■ミッドソール素材は2層構造


今回のWAVE RIDER 30は、実は、スタックハイトが前作29代目よりも6ミリ高くなり厚底に、前前作の28代目から比べると4ミリ高低差(ドロップ)が下がって、8mm Dropとややフラットな構造になるなど、大きな変更がありました。

 

ミッドソール素材は、『MIZUNO ENERZY NXT(ミズノエナジーネクスト)』の超臨界発泡材料の上層と『MIZUNO ENERZY NXT』の2層構造になっています。ミッドソール硬度は、基本的に上層がバウンド感、下層が安定感というバランスですが、全体としてソフトサイドに調整されています。

 

 


そして、今回いつもミッドソール側面から見えた、お馴染みの安定パーツ『ウエーブプレート』が見えません。WAVE RIDER 30では、これらは内包され、ソールの厚みが増してクッションがソフトになったこともあり、そのトレードオフとして、シリーズ初のフルレングスの『ウエーブプレート』が採用されています。

 

 

■『ウエーブプレート』が初のフルレングスプレートに

 


WAVE RIDERシリーズになくてはならない機能性、『ウエーブプレート』ですが、今回、ソールユニット硬度との相性を考えて素材はポリプロピレンに変更、形状は前回までのウエーブ状のプレートではなくて、スプーン状のプレートに、それもフルレングスプレートになりました。

 

ソールの厚みが6mm増して、プレートもフルレングスになったのに、重量は前作と同じと、まさに重力に逆らったモデルなのですが、ただこれら変更点がライド感に与える印象はかなり大きいですし、ポイントです。

 

特に、ソール硬度がかなりソフトになって、いつもとは違う顔を見せるWAVE RIDER 30の全体の印象を、ビシッと締め、今までのWAVE RIDERシリーズらしさを醸し出すこの感じは、このフルレングスプレートが大きいですね。

 

 

■接地感はいつもの「WAVE RIDER」シリーズ同様良い

 


では一言で言って、いつものWAVE RIDERシリーズか、と聞かれたら、NOです。今回これだけっていますから正直ファーストインプレッションから全然違います。

 

WAVE RIDER 28で12mm Dropだったものが、WAVE RIDER 29では10mm Dropとなり、そして、今回8mm Dropと他メーカーでは何世代もかけて変更するようなコンセプトを3代でガラッと変えてきたわけです。ですから、当然、「WAVE RIDER」シリーズが持っていたトラディショナルガイドの典型的な前足部の接地感に変化がありました。

 

ただ、厚みを増して、ドロップが下がったミッドソールとフルレングスプレートの関係性は絶妙で、前足部に強く感じた接地感覚は、今回は足裏全体で感じる感覚になりました。それも蹴り出しがスナッピーな感じで、少しスピードを出したくなる感じですね。

 

ドゥ・イット・オール(Do It All)のコンセプトは変わらずに、新しい接地感覚の、これは『NEW WAVE RIDERの誕生』です。そして、相変わらずどんなランナーでも受け入れてくれる足運びの良いライド感になっていて、定番の風格がここにあり、そう感じましたね。

 

 

■WAVE RIDER 30はどんなランナーにフィットするのか
 

もし、WAVE RIDER 28からWAVE RIDER 30にいきなり変わっていたら、ショックの方が大きかったかもしれません、そう思うと、WAVE RIDER 29の存在感は大きかった。見事にワンクッション入った感じですね。

 

とにかく、前作と同じかと言うと、全く違うモデルになりました。

 

『定番であることは大事だけど、定番であることに固執すべきではない』
 

今回の発表イベントで自らそう言った趣旨の言葉が聞けました。

 

WAVE RIDERシリーズが、これからも長く続いていくシリーズになるのか、むしろ、そうあるべきために必要な『ミズノの決意』、それがWAVE RIDER 30なのではないか、私はそう感じました。

 

このNEW WAVE RIDERは、WAVE RIDERシリーズがというバイアス(先入観)がなければ、今までもライダーが好きだったと言う方も、ライダーは初めてと言う方も、単純に履きやすいモデルに仕上がっていると思います、

 

 

■定番「WAVE RIDER」シリーズがの変化を体感しよう


今回もWAVE RIDERシリーズらしい、いつものアッパーのフィット感、とりわけヒールカウンターは、しっかり吸い付くような感覚になっていていいです。そして、ソールユニットにはフルレングスプレートが入って剛性があり、これは結局、ガイドのしっかり感、安心感を担保しているわけです。

 

この構造は、アシストも十分で、ランナーを選ばない構造になっていて、これから走りはじめるランナーから、すでに走っているランナーのジョグ用、はたまた、このフルレングスプレートの接地感覚と蹴り出し感は4時間前後のランナーのフルマラソン完走アシストモデルにもなり得ます。

 

 


6月16日から30周年限定カラーをミズノ公式オンラインおよびミズノ直営店で発売中。定番カラーは8月にスポーツデポ・アルペンでも発売します。安定感とクッションバウンドに新たなトレンドをミックスした、今回のNEW WAVE RIDERが、WAVE RIDER 30、是非一度はその走り心地の変化を体験してもらいたい、そんな1足ですね。

 

 

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<著者プロフィール>
シューズアドバイザー 藤原岳久
FS☆RUNNING LAB / FS☆RUNNING Co.(合同会社FS RUNNING)

日本フットウエア技術協会理事


JAFTスポーツシューフィッターBasic/Advance/Master講座講師
足と靴の健康協議会シューフィッター保持

 

・ハーフ1時間9分52秒(1993)
・フルマラソン2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)
・富士登山競走5合目の部 準優勝(2005)


 

【取材・文章】藤原岳久

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