昨秋、世界陸上のタイミングで、ニューバランス首脳陣は、誰よりも早く順天堂大学にとあるシューズを見せた。そこでのフィードバックをもとに微調整を繰り返し、完成に漕ぎつけたのが最新作「SuperComp Elite v6」である。この度のローンチに際し、今年の箱根駅伝で総合3位に返り咲いた順天堂大学の長門監督は「やっと、この日を迎えられました。このシューズで三大駅伝を戦えることを楽しみにしています」と語った。監督や選手にいままでにない手応えを感じさせる「SuperComp Elite v6」とはどのようなシューズなのか。同月発売となる「SuperComp Rebel」とあわせ、菅平で合宿中の順天堂大学陸上競技部 長距離ブロックの長門俊介監督、主将 荒牧琢登選手、井上朋哉選手に伺った。

――SuperComp Elite v6の第一印象は。
長門:
正直に申しますと、他社が跳ねる、反発が強いシューズをつくる中、ニューバランスは、いい意味で安心設計が崩れないメーカーだと思っていました。しかし、SuperComp Elite v6をはいた学生たちの動きをみたとき「これは行けるな」と。全然戦えるシューズになったと感じました。

――SuperComp Elite v6が前作から進化したと感じる点は。
荒牧:
レースで使用していますが、Elite v5と比べ反発とフィット感が向上した一方、安心感のあるシューズに仕上がっていると思います。グリップが効いているので、雨の日も滑ることがなく、クロカンでも問題なく使えます。

――どういうシーンでSuperComp Elite v6をはきますか。
井上:
直近の駅伝ではElite v6をはき、区間賞を獲得することができました。起伏のあるコースで、傾斜の強い下り坂を走りましたが、まったく滑らず、不安感がありませんでした。自分の力を地面に伝えやすく、本当にロスなく走れた印象です。Elite v1からニューバランスのレーシングシューズを愛用していますが、前作と比較しても推進力が上がっており、弾むような感覚で、ポーンと身体を押してくれるシューズだと思います。

――SuperComp Rebelの印象はいかがですか。
長門:
カーボンではなく、ナイロンプレートを使っているので、強い反発ではなく、少し反発をもらいたいときに良いと思います。従来のプレートが入っていないRebelは、もともと学生に人気で「Rebelにプレートが入ったレーシングシューズが出ればいいのに」という声をよく聞いていました。そうしたら、まさに出て来たので(笑)。市民ランナーの方で不安定さが怖いという方は、普段SCではないRebelでジョグをし、試合はSC Rebelをはくのが移行しやすいと思います。

――どういうシーンでSuperComp Rebelをはきますか。
荒牧:
SC Rebelは、軽くスピードが出るのに、ナイロンプレートが使われているため、脚への負担が少ないです。そのため、距離走など普段のトレーニングで強化したいとき使います。
――SuperComp Rebelのはき心地は。
井上:
ロッカー構造になっているので、少し転がるような感覚があります。自分の反発で前に進むというより、転がりながら進むような感じです。

――SuperComp Elite v6とSuperComp Rebelはそれぞれどういう方におすすめしますか。
荒牧:
Elite v6は記録を狙うシューズなので、走力の高い方におすすめです。SC Rebelは、走り始めたばかりの方がレースではくのにいいと思います。ちょっと速めのペースでも問題なく使えるので、走り込んでいる方が普段の練習で使うのもいいと思います。
井上:
Elite v6は1秒でも速く走りたい方に、SC RebelはElite v6ほど反発が強くない、優しいシューズなので、日頃からハードにトレーニングを行っていない方でも扱いやすいです。推進力があるので、そういう方も簡単にスピードに乗れると思います。

――来年の箱根に向けて。
長門:
前回大会、上手くいって3位に入れました。来年は上手く行かなくても3位以上になれる力をつけていきたいです。本学の最後の優勝は私が大学4年生のときで、20年ほど前です。今回はそこを目指していきたいと思います。今年箱根を走ったメンバーもほとんど残っています。しっかり走り、戦い抜くため、「怪我なく継続的にこの夏を超えていく」をテーマに、夏合宿でじっくり強化していきます。
荒牧:
チームとしては、自分たちが決めた目標をしっかり達成するというところ。個人としては、三大駅伝すべてに出走し、区間5番以内を目標にしています。
井上:
来年は総合優勝を目標に掲げているので、チームに必要不可欠な選手になれるよう区間賞を目指して頑張りたいと思います。

今回は特別に「New Balance SuperComp Camp 2026」と題し、菅平で夏季合宿中の順天堂大学の選手と各種メディアがSuperComp Elite v6をはき合宿でのトレーニングを疑似体験できる機会を得た。アルペンスタッフの寺島さんをはじめ、リードしてくれた選手、参加者たちはシューズに対し、どのような印象を抱いたのだろうか。


Alpen TOKYO 寺島俊之さん
Elite v5は中足から踵にかけてタイト目だったのに対し、Elite v6は乗り位置が広くなっているので、どこでついても進みます。上級者は、乗り位置と出力コントロールが正確な分、ペースをつくりやすく、フルを3時間半くらいで走る方であれば、乗り位置が広い分、後半の脚持ちがよくなります。カーボン入りですが、走らされている感覚はありません。自分の狙ったペースを刻むには非常にいいシューズです。

サブエガ男性
まず軽いというのが第一印象。変に癖がないから、ちゃんと反発があっても後半まで脚が持ちそうな感じです。

サブ3.5男性
リターンがいいです。ミッドフットでついてもかえって来ます。自己ベストが出ちゃうかもしれません(笑)普段27.5cmをはいていますが、つま先が巻き爪っぽくなるので、今日は28cmに上げました。けれど、問題なくフィットしています。動きやすいのに、ホールド感がある感じです。

会場には、TRY ONブースも出現。トレーニングの合間にシューズをはき替えSuperComp Elite v6、SuperComp Rebelそれぞれのはき心地を確かめる人々の姿が見られた。

順天堂大学 佐藤賢仁 選手
Elite v6は、接地してもブレなく、しっかりカーボンに乗れる感覚があります。真上というより、前に跳ねる感覚です。アッパーはホールド感がありつつ、空気が抜けている感じで、不快感がありません。SC Rebelは、距離走ではくとラクで、3:00/㎞を切る設定のペース走でも使っています。

サブ4女性
フィット感よく気持ちよく走れました!私の走力だとSC Rebelが合いそうです。

SuperComp Elite v6
1分1秒を争う場面で、最後の1秒まで絞り切れるようサポートするシューズ。主に前足部にフォーカスし、プレートとミッドソールの素材をアップデート。グンと進むような感覚で自己ベストへのスピード走行をアシストする。アッパーは、補強を兼ねた流線形のデザインが足袋のようなフィット感を実現。透明度の高い糸を採用することで、42.195㎞や駅伝にも耐えられる通気性を担保している。
(1)軽さの追求
走行安定性、エネルギーリターンのバランスを見た上で軽さを追求。27.5cmサイズで198g。
(2)パフォーマンスの持続性
ミッドソールには、へたれにくさが特徴のInfinionを搭載することでエネルギーロスを減らし、より軽い力で最後までパフォーマンスを持続させる。
(3)蹴り出し時のエネルギーリターン
地面からエネルギーが離れていく前足部に焦点を当て、アップデート。カーボンプレートも前作のスプーン形状から、緩やかな傾斜に変更。徐々に加速することで生まれるエネルギーを活かし、軽い力でポーンと前進するスムーズな走行を可能にした。

ニューバランス プロダクト担当 間宮 葵さん
Elite v6は、踵からつま先にかけて段階的にプレートに厚みを持たせることで、重心移動を含め、エネルギーを伝えやすい設計にしています。加えて、プレートの幅を広めることで、母指球の下の乗り込むポイントに広い接地面をつくり、安定感を出しています。

SuperComp Rebel
トップレーシングモデルSuperCompシリーズが持つ、カーボンの反発感覚と、ノンプレートシューズRebel特有のバウンス感を継承した、いいとこ取りの1足。トップアスリートはレースを想定したシーンの練習、サブ3.5前後の方はレースシューズとして使用可能。コントロール性がよく、弾む感覚やロッカー構造の恩恵を受けられる。プレートは剛性を高めたナイロン、フォームはInfinion搭載。
今季PBを目指すなら、前足部からグンと前へ進むSuperComp Elite v6やSuperComp Rebelの力を借りて、42.195㎞を駆け抜けてみてはいかがだろう。
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【写真】青山義幸
【取材・文章】若林有美
【取材協力】株式会社ニューバランス ジャパン