出雲駅伝(2026年)のシューズ事情

■レースは早稲田が優勝
 

箱根駅伝へと続く大学三大駅伝のスタート、出雲駅伝(出雲全日本大学選抜駅伝競走)を取材してきた。レースは、早稲田大学が16年ぶり、大会新での優勝を成し遂げた。

 

6区間中4区間(2・4・5・6区)で区間賞、3区鈴木琉胤選手は区間3位ながらも区間新記録、他にも4区新妻遼己選手、5区山口竣平選手の2名は区間賞で区間新とまさに隙のない圧勝だった。

 

3連覇がかかっていた國學院大學は同じく大会新ながらも2位。3位には例年参加しているアイビーリーグ選抜が入った。スタート時間を早めた好影響か、7位の駒澤大学まで大会新記録のハイレベルの大会となった。一方、箱根駅伝3連覇中の青山学院大学はなんと11位で、関東10校の中では最下位となった。

 

そんな彼らが着用していたシューズに今回も注目してみた。

 


■シューズから見た出雲駅伝


選抜チームも含むため、出場22チーム、132名のランナーのシューズを現地に行って調査してきた。結果からいうとアシックス、アディダス、ナイキ、プーマの順、ミズノ、ニューバランスと続くが、ブランドは6ブランドのみの着用であった。

 

これを関東10校、60名で調査すると、アシックスとアディダスは逆転する。出雲全体ではアシックス、箱根駅伝へ向かう関東勢ではアディダスが首位。集計対象によって勢力図が変わるのが面白い。

 


出場全22チーム(132名)

 


 

関東10校(60名)

 

※全22チームにはオープン参加を含みます。割合は少数第1位で四捨五入しているため、関東の10校については各シェアを合計すると100.1%になります。

 


ちなみに、関東10校の集計ではアシックスとナイキも1人とわずかな差だ。区間賞獲得者の足元でも、ナイキが2人、アシックス、アディダス、プーマ、ミズノが1人ずつとナイキも存在感がある。箱根駅伝までに、この数字がどう動くのか。ナイキ、プーマを含め、各ブランドの動向も気になるところだ。

 


■アイビーリーグ選抜が参加

 

 

アイビーリーグ選抜は区間賞はなしも、全区間で安定した区間順位で過去最高位の3位。今年もダイヤモンドリーグに転戦したプロランナー、グラハム・ブランクス選手を含む、現役学生とOBによる編成で今大会を盛り上げてくれた。

 

3区を走ったグラハム・ブランクス選手は、パリ五輪5000mで9位の実績のあるプロランナー。5000mの自己ベスト12分47秒98は、出雲駅伝に出場するすべてのランナーで最速。そればかりか、日本記録も上回る記録の持ち主だ。トラックシーズンを終えた直後にもかかわらず、区間7位(23:50)とまとめたのはさすが。

 

ちなみに彼らの足元は、ナイキが2人、契約選手であるブランクス選手を含むニューバランス 2人、アシックス、アディダスが各1人であった。

 


■関東10校とその他の大学の差は広がる

 

 

今回、1位から11位までは3分57秒差に収まっているのに対して、11位の青山学院大学と12位の関西大学の差は6分02秒。最下位の北海道大学は優勝した早稲田大学から22分25秒と大差になった。関東勢とその他の地域のチームとの間は、大きな差になった。

 

昨年は、東京国際大学の最終区ブレーキもあって、数字上は関東とその他の大学で分かれる形にならなかったが、年々実力差は大きくなっている。箱根駅伝という強いコンテンツに惹かれる学生が関東に集中しているのが背景の一つにあると考えられる。

 

そうなるとシューズの力学にも関わってきて、発売前のモデルやプロトタイプを着用する選手が関東勢に見られた。

 

 

■もう一つの出雲駅伝

 

 

大会後に出雲市陸協記録会の5000m、通称「もう一つの出雲駅伝」が、例年通り開催された。今年は浜山公園陸上競技場が改修中で、浜山公園補助競技場で開催。本レース自体のスタートが例年より早まった関係で、 13時30分と季節外れの暑さも残る時間での開催となった。

 

そのレースは、出雲駅伝メンバーに選ばれながら当日出走できなかった補欠選手のための場。選手との距離が近く、駅伝ファンは毎年楽しみにしているサブイベントだ。

 

2組のタイムレース、中央大学4年の佐藤蓮選手が、暑さの中、14:01.82で全体トップ。中央大学は並川颯太選手も6位と層の厚さを見せた。

 

優勝した早稲田大学や青山学院大学の選手の姿はなく、両校も含めて、関東10校中4校のみの出場は、現地で見ていた私としては、少し寂しく感じた。対照的に、アイビーリーグ選抜は本戦を走り終えた選手も応援に駆けつけ、記録会に出場した選手は2組で3位と7位に入るなどレースを盛り上げた。

 

ロード用シューズの調査からは少し離れるが、選手とファンの距離の近さも、出雲の魅力として紹介しておきたい。

 

 

■アシックス VS アディダス

 

 

今後箱根駅伝本番まで、アシックス VS アディダスは続くだろう。箱根駅伝予選会、そして、全日本大学駅伝、11月、12月に各地で行われるハーフマラソンで選手たちがどのブランドのどのシューズを箱根本番で着用するか決める。

 

箱根駅伝出場を目指す選手にとってはとても大事な時期になるが、シューズブランドとしても1年で気が抜けない大切な時期になる。これから主要メーカーの主力レーシングが発表され、発売される、箱根駅伝までのこのプロセスは売り上げにも直結する大事なときだ。

 

1区区間賞の駒澤大学、鈴木大翔選手は、ミズノが発表したHYPERWARP PURE 2を着用した。関東10校では彼一人がミズノ着用であったが、参加132名が6ブランドのみしか着用していないことを考えると小さな成果とは言えない。

 

17日に箱根駅伝予選会があって、本戦出場校が出揃った。その後、またブランド間の争いも激しさを増すだろう。

 


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> アディダス

 

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> プーマ

 

> ミズノ

 

> ニューバランス
 


<著者プロフィール>
シューズアドバイザー 藤原岳久
FS☆RUNNING LAB / FS☆RUNNING Co.(合同会社FS RUNNING)

 

日本フットウエア技術協会理事
JAFTスポーツシューフィッターBasic/Advance/Master講座講師
足と靴の健康協議会シューフィッター保持

 

・ハーフ1時間9分52秒(1993)
・フルマラソン2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)
・富士登山競走5合目の部 準優勝(2005)

 

 

【文章・写真・画像】藤原岳久 

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