テレビなどで野球の試合を見ていると、「リリーフ」という言葉をよく耳にするはずです。当たり前のように使われている野球用語のひとつですが、野球をよく知らない初心者の方は、具体的にどのような意味なのかわからないかもしれません。
リリーフは現代野球で重要な役割を持っているため、覚えておくと野球観戦時に役立ちます。
この記事では、野球におけるリリーフの意味や役割をご紹介します。
【目次】
■野球の「リリーフ」とは?
■リリーフの種類と役割
・クローザー(抑え)
・セットアッパー(中継ぎ)
・ロングリリーフ(中継ぎ)
・ワンポイント(中継ぎ)
・敗戦処理(中継ぎ)
■役割ごとの特徴を覚えておこう
■野球の「リリーフ」とは?

リリーフ(relief)は、「救済」「解放」「救援」といった意味を持つ英語です。野球においては、先発ピッチャーが降板した後に登板するピッチャー全般を指して使われます。日本語では「救援投手」と呼ばれます。
基本的に、試合の最初から6~9イニングまでを投げる先発とは異なり、リリーフは1試合で1イニング程度しか投げません。投げるイニングこそ少ないですが、1回登板すると複数日登板がない先発とは異なり、複数の試合で連続して登板することがあります。
さらに、実際には出場しない試合だとしても、万が一の出番に備えて投球練習をしておかなければいけないことから、負担が大きいポジションです。
特に、近年は昔のように1試合を投げ切る先発完投型の投手が減り、100球前後で降板することが増えてきました。そのため、先発の後を担うリリーフの重要性は高まりつつあります。
■リリーフの種類と役割

野球のリリーフは、大きく「抑え」と「中継ぎ」に分けられます。さらに、中継ぎは役割ごとに細分化されており、試合中継などではさまざまな名前で呼ばれることもあります。リリーフの役割ごとの違いも、覚えておきましょう。
主なリリーフの種類とそれぞれの役割は、以下のとおりです。
・クローザー(抑え)
僅差で勝っている試合や最終回で同点のシーンなど、試合の勝敗を決めるようなシーンを担当するリリーフがクローザーです。抑えやストッパー、守護神などと呼ばれることもあります。
勝っている試合の最終回1イニングを担当して、試合を終わらせる(クローズさせる)のが役割です。基本的には、リリーフの中でも力のある投手が担当します。豪速球を投げられる、落差の大きな変化球を持っているなど、三振を狙える決め球を持つ投手が多い傾向にある点も特徴です。
クローザーがどれだけ勝利に貢献したかは、「セーブ(S)」という記録が参考になります。セーブが記録されるのは、次の条件が満たされた場合です。
【セーブの条件】
・勝利投手の権利がない
・勝利チームで最後を投げ切った
・最低でも1アウト分は投球を行った
・上記の3点を満たしたうえで、「3点差以内でリードしている状況で登板して1イニング以上投げた」「2者連続でホームランを打たれると同点または逆転になる場面で登板し、リードを守り切った」「点差に関係なく3イニング以上投球した」のいずれかに該当する
自身の投球が勝ち負けに直結するシーンで投げることが多いため、実力はもちろん、プレッシャーに耐えられるメンタルの強さも求められる役割です。
・セットアッパー(中継ぎ)
クローザーと混同されがちなのが、セットアッパーです。セットアッパーとは、勝っている試合や同点の試合の中でも、接戦のタイミングで登板する中継ぎ投手のことを指します。
先発投手の後を引き継ぎ、チームのリードを保ったままクローザーにつなげるのが主な役割です。
僅差の試合の7・8回や、一打で逆転される恐れがあるピンチの場面など、クローザーと同様にプレッシャーがかかる場面で登板することが多い傾向にあります。
また、チームによっては勝っている試合で7回・8回・9回を投げるリリーフが固定されていて、勝ちパターンができているケースもよく見られます。リードしている試合で継投パターンが決まっている組み合わせは「勝利の方程式」などと呼ばれることが多いです。
・ロングリリーフ(中継ぎ)
名前のとおり、長いイニングを投げる中継ぎ投手はロングリリーフと呼ばれます。先発投手が打ち込まれて早い回で降板した、危険球やけがの影響で退場したなど、不測の事態があった際に投げるのが一般的です。
また、ローテーションの都合上、先発投手のやりくりが難しい谷間の場面でロングリリーフが起用されるケースもあります。
クローザーやセットアッパーなどと異なり、複数回を投げることが多いため、先発投手に近いスタミナも求められる役割です。
・ワンポイント(中継ぎ)
打者1人など、1イニングよりもさらに短いイニングを投げる中継ぎ投手はワンポイントリリーフと呼ばれます。特定の選手と非常に相性が良いといったケースで登板するのが一般的です。左打者との対戦成績が非常に良いリリーフ投手は「左打者キラー」などと呼ばれることもあります。
2026年時点で日本のプロ野球(NPB)では認められていますが、北米のメジャーリーグではワンポイントリリーフは認められていません。これは、試合時間の短縮を図ることが目的です。
メジャーリーグでは、登板した投手を交代させるにはアウト・ヒットの結果を問わずに3人のバッターと対戦するか、イニングが終了するまで投げ切る必要があります。
・敗戦処理(中継ぎ)
他の投手が打ち込まれ、相手チームに大量リードを許したタイミングで登板するリリーフが敗戦処理です。セットアッパーやクローザーといった、勝ちパターンを担うリリーフ陣を温存する目的で出場させます。
1軍の登録枠の関係もあることから、プロ選手で「敗戦処理専門」として登録されている投手はほとんどいません。他のリリーフに比べると成績や実績が劣る投手、試合の経験を積ませたい若手、不調で調整させたい投手などが敗戦処理として登板するケースが一般的です。
「負け試合を任される」と聞くとネガティブに聞こえるかもしれませんが、プロ野球の試合は同じ相手と数日にわたって行われるものです。敗戦処理として登板した投手も打ち込まれてしまうと、相手打線が調子の良いまま次の日の試合に臨むことになりかねません。
相手打線の勢いを止めて次の試合につなげるという意味で、敗戦処理も非常に重要な役割を担っているといえるでしょう。
■役割ごとの特徴を覚えておこう
野球を見ているとよく耳にするリリーフは、大きくクローザー(抑え)と中継ぎに分けられます。中継ぎはさらに役割ごとに細分化することが可能です。
それぞれ役割や立ち位置が異なるので、どんなシーンで登板しているのかに注目してみると、より野球観戦が楽しめるのではないでしょうか。
ご紹介したリリーフの基礎知識を参考に、野球をさらに楽しんでみてください。
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【文章】アルペングループマガジン編集部