一歩目が軽い。ボールが離れにくい。アディダス新作「F50 HYPERFAST」を試し履きレポート

アディダスは、スピードを追求するサッカースパイク「F50」シリーズの最新作として、「F50 HYPERFAST」を発表した。

 

今回は、アルペングループのサッカー担当社員がトライアルセッションに参加。実際にF50 HYPERFASTを履いてプレーしながら、フィット感、ボールタッチ、キックの感触、足元の軽さ、切り返しのしやすさなどをチェックした。

 

軽量性を軸に、動き出しの速さや足さばき、スピードに乗った状態でのボールコントロールまで磨かれた新作F50。現場のスタッフたちは、その進化をどう受け止めたのか。リアルな体感をレポートする。

 


■アディダスのスピードモデルF50が進化。新作 F50 HYPERFASTが目指すもの

 

アディダス フットボールのスパイクは、それぞれ明確な役割を持っている。
 

COPAはタッチ、PREDATORはキックや決定力。そしてF50が担うのは、スピードだ。

 

 

 

そのF50が、新たにF50 HYPERFASTとして進化した。今回のモデルが目指すのは、単に軽いスパイクではない。動き出しの速さ、足さばきのしやすさ、ボールへの到達、そして次のプレーを選ぶ判断の余裕まで生み出すこと。スピードで相手を上回り、局面を変えるための一足だ。

 

最大のテーマは、軽量性。足元が軽くなることで、直線的なスピードだけでなく、細かいステップや切り返し、ボールに反応する一歩目にも違いが生まれる。速く走るためだけではなく、速く動き、速く判断するための軽さと言える。

 

 

 

アッパーも大きくアップデートされた。前作はメッシュベースに樹脂を組み合わせた構造だったが、今回はマイクロファイバーベースのアッパーへ変更。軽さを保ちながら、足当たりの柔らかさやボールへのグリップ感が高められている。

 

 

 

さらに、アッパー表面には「SPRINT WEB」を採用。シリコン系のグリップ要素によって、スピードに乗った状態でもボールタッチやコントロールをサポートする。速く走るだけでなく、速いままボールを扱えることも、今回のF50 HYPERFASTの大きなポイントだ。

 

 

 

アウトソールには「F50 SPEED SYSTEM PLUS」を搭載。フルレングスのプレート、TPU素材、ブレード寄りのスタッド形状によって、地面をしっかり捉え、前への推進力と反発力を引き出す設計になっている。

 

スピードで相手をはがす。
ボールに一歩早く届く。
そして、次のプレーを速く選ぶ。

 

 

 

F50 HYPERFASTは、そんな現代のフットボールに求められるスピードを、軽量性、柔らかなフィット感、ボールグリップ、推進力の面から支えるモデルだ。

 


■ステップ、ドリブル、シュートで体感したF50 HYPERFASTのスピード性能

 

 

商品説明を受けたあと、参加者はF50 HYPERFASTを履いてトレーニングセッションへ。ウォーミングアップから始まり、ステップワーク、ドリブルからのシュート、シュート練習、最後はゲーム形式へと進んでいった。

 

 

 

まず感じたのは、足元の軽さだ。走り出しや細かなステップの中で、スパイクの重さが足の動きを邪魔しない。軽く、自然に足が前へ出る感覚があり、F50シリーズらしいスピード感を早い段階から体感できた。

 

 

 

ステップワークでは、切り返しのしやすさが印象的だった。アウトソールが地面をしっかり捉え、次の動作へスムーズに移れる。直線的な速さだけでなく、短い距離で方向を変える場面でも扱いやすい。

 

 

 

ドリブルからのシュートでは、アッパーの柔らかさとボールグリップの良さが光った。スピードに乗った状態でもボールが足元から離れすぎず、ドリブルからシュートまでの動作が自然につながる。

 

最後のゲーム形式では、パスを受けてからの一歩目、スペースへ走り出す動き、仕掛けからシュートまでの流れの中で、軽さと推進力がプレーのテンポを上げてくれる感覚があった。

 

 

 

F50 HYPERFASTは、ただ軽いだけのスパイクではない。速く走る、速く動く、速く判断する。その一連の流れを足元から支える一足だと感じた。

 

 

■学んだことを、店頭でどう伝えるか

 

この日のプログラムでは、トレーニングセッションだけでなく、製品理解を店頭での接客につなげるための認定テストも行われた。

 

 

 

参加者は各グループに分かれ、自身が担当するモデルを決めたうえで、3分間の商品説明を実施。説明の様子は動画で撮影され、自店スタッフへの接客説明を想定しながら、製品の魅力をどのように伝えられるかが確認された。

 

 

 

単に新作スパイクを履いて終わりではなく、体感した軽さ、フィット感、推進力、ボールタッチの感覚を、現場でどう言葉にして届けるか。そこまで含めて、この日のトライアルセッションは実践的な学びの場となっていた。

 

 

 

では、実際に履いてプレーしたスタッフたちは、この進化をどう受け止めたのか。トレーニングセッションに参加したアルペングループの社員メンバーに話を聞いた。

 


■軽さだけじゃない。スタッフが体感したF50 HYPERFASTの進化

 

――本日は、座学からトレーニング、試し履きまで一通り体験していただきました。率直な感想を聞かせてください。

 

向井風太さん(本社 販売企画グループ サッカーチーフアドバイザー)

 

今回はGOLDプログラムの2回目ということで、最初に座学で(商品情報)をしっかりインプットして、そのあと実際に試し履きをする流れでした。この流れは、お客様に商品の魅力を伝えるうえでものすごく重要だと感じています。まず知識として理解して、それを実際のプレーで体感する。そうすることで、店頭でもより説得力を持って伝えられると思います。

 

 

船津貴司さん(Alpen FUKUOKA:スポーツデポ フラッグシップストア キャナルシティ博多店)

 

座学で学んだあとに、すぐ試し履きできるのはすごく大きいです。インプットした情報をその場でアウトプットできますし、理解も深まります。それをどうお客様に伝えるか、スタッフにどう共有していくかも、僕らの大切な仕事です。そこまで考えながら参加できたのは、とても有意義でした。

 

 

柴田京太さん(Alpen NAGOYA:スポーツデポ フラッグシップストア 名古屋栄店)

 

実際の商品を目の前にしながら説明を聞けたので、「これがこうなんだね」と会話しながら理解を深められたのが良かったです。

 

資料ベースの説明だけでなく、開発に携わった方の感覚も聞けたので、実際にプレーしたときに「なるほど」と落とし込める部分がありました。お客様に伝えるうえでは、商品知識はもちろんですが、最終的には感覚の部分も大きいと思います。そこを店頭でどう伝えられるかが大事だと感じました。

 

 

藤川祐樹さん(スポーツデポ なんばパークス店 サッカーシニアアドバイザー)

 

実際に体験できることで、お客様に伝える内容も、従業員にフィードバックする内容も、より具体的になります。サッカー経験者だけでなく、未経験者の方の感想を聞くことで、「そういう見方もあるんだ」と学ぶこともできました。自分のペースで感触を確かめることもできましたし、すごくためになる時間でした。

 

 

早坂 洋さん(スポーツデポ 東大阪長田店)

 

お店の外で実際に試し履きができるというのは、とても貴重な機会だと感じました。メーカーの方から、今のサッカースパイクの選び方やトレンド、時代の移り変わりについても説明していただき、そのうえで実際にボールを蹴ることができる。お店に戻ったら、スタッフやお客様に責任を持ってフィードバックしていきたいです。

 

 

三宅将吾さん(スポーツデポ 新大阪店 サッカーシニアアドバイザー)

 

今回は特にF50が変わったということで、座学で学んだあとに「実際に試してみたい」と思ったことを、すぐ体験できたのが良かったです。

 

以前のモデルとも比較しながら履くことができましたし、タッチがしやすくなったと感じました。スピードだけでなく、ボールタッチのしやすさも加わった印象です。今後の接客でも、この体験をお客様に伝えていけると思います。

 


――今回のF50で、特に進化を感じたポイントはどこですか?

 

 

向井さん「メーカーとしては、アウトソールの進化を大きく伝えたいところだと思うんですけど、個人的にはアッパーの進化がすごく好きです。

 

これまでのモデルは、少しパリッとした硬さがある印象でした。でも今回は、その硬さがあまりなくて、すごく柔らかい。スピードブーツでありながら、グリップ感もある。そこが個人的には好きなアップデートです。」

 

早坂さん「前作もスピードブーツとして良かったと思います。アッパー表面にザラつきのあるテクスチャーがあって、高速でドリブルしているときにもコントロールしやすいところが特徴でした。

 

今作は、SPRINT WEBによるグリップ感が加わっています。少し粘着性のある感覚があり、そこはお客様にも刺さりやすいポイントだと思います。講習を聞きながら「どう接客で伝えるか」を考えていましたが、今回のアッパーはかなり案内しやすいと感じました。」

 

 

――実際のプレーの中では、どんな良さを感じましたか?

 

 

柴田さん「FGソールもAGソールも一新されていて、ポイントの形状や全体の感覚、かかとまわりのフィット感も含めて、かなり変わった印象がありました。そこはポジティブなアップデートとして、お客様にも伝えやすい部分だと思います。

 

前作よりもアッパーが柔らかくなったことで、フィット感も高まっています。前作では少し“パコパコ感”があった部分が、今回はダッシュしているときにも足にしっかり沿ってくれる。自然と速く走れているような感覚もありました。

 

ドリブルでは、SPRINT WEBがしっかり引っかかってくれるので、個人的にはすごく助けられました。粘着感がちょうど良く、部活生やサイドのポジションの選手には特に刺さりやすいと思います。」

 

向井さん「アジリティの面でいうと、やっぱり動きやすさが違いました。

 

アッパーのバランスも、今まであまりなかったものだと思います。天然皮革のように柔らかいものや、逆に張りのあるアッパーはありますが、その中間にあたるものがあればいいなと思っていました。

 

今回のF50は、まさに“かゆいところに手が届いた”アップデートだと感じます。ボールを蹴ったときに、足にしっかり乗る感じもありつつ、ちゃんと弾く感覚もある。軽さを残しながら、柔らかさもうまく表現できていると思います。」

 


――あえて気になった点や、接客で伝えたいポイントはありますか?

 

 

藤川さん「AGモデルを履いたときに、右足のかかとの内側に少し当たる感覚がありました。履いているうちに気にならなくなってはいきましたが、足幅が広い方などは痛みを感じることがあるかもしれません。

 

一方で、HG/AGのプロモデルでは、その当たりは気になりませんでした。なので、人工芝で使いたいというお客様に対しても、「もしかするとこちらのモデルのほうが合うかもしれません」と提案することも大事だと思います。

 

単に上位モデルをすすめるだけではなく、HG/AGでも十分いいですよ、と伝えてあげること。そこも接客では大切だと感じました。」

 


――インソールにも違いがありそうですね。

 

 

三宅さん「エリートとEVOは、インソールもかなり良いものが入っている印象でした。デザインもかっこいいですし、高級感があります。」

 

船津さん「厚みも少し違いますね。プロとエリートでも、触ってみると少し差があります。エリートのほうが、少しもちっとした感覚があります。」

 

 

――デザイン面では、どんな印象がありましたか?

 

 

柴田さん「今回、デザインもかなり良いと思います。黒いラインが後ろへ流れるようなデザインになっていて、視覚的にも速く見えます。新幹線というか、リニアのようなスピード感がありますね。」

 

向井さん「かかとにW杯のマークが入っているのは、すごくうれしいポイントですね。大会の特別感がありますし、優勝シーンを思い出しながら、お客様にも思わず見せたくなります。箱やシューズ袋にも高級感があり、エリートモデルらしい所有感を味わえるのも魅力だと思います。」

 

 

――最後に、今後のF50に期待することを教えてください。

 

 

向井さん「F50が復刻して、特に日本市場では、HG/AGモデルはジャパンマイクロフィットラストに変わったことも含めて、存在感を出せたのではないかと感じています。世界的にも勢いのあるサイロだと思いますし、このまま突き抜けてほしいです。」

 

船津さん「復刻モデルも出してほしいですね。たとえばバトルパックのような限定モデルは、また見たいです。F50はメッシ選手の影響もあって、常に目につく存在だと思います。今後もそこは大きく変わらないのかなと感じます。」

 

柴田さん「アルペン限定カラーも欲しいですよね。」

 

向井さん「会社としても、上位グレードまでしっかり展開できるようにしていきたいですね。F50は、スピード系スパイクでありながら、以前より少しゆったりした印象もありました。幅広の方にも刺さる可能性があると思います。そこは店頭でもしっかり伝えていきたいです。」

 

 

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【写真】斎藤友也
【取材・文章】池田鉄平
【取材協力】アディダス ジャパン株式会社

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