プロサッカー選手にも多く見られる怪我のひとつが「ジョーンズ骨折」です。サッカーをしていても、名前を聞いたことがない方もいらっしゃるかもしれません。しかし、誰しもに起こる可能性がある怪我なので、ジョーンズ骨折を生じる可能性を少しでも下げるために、発生する原因や予防方法について知っておくことが大切です。 ここでは、サッカー選手に多く見られるジョーンズ骨折について、発生の原因や予防方法をご紹介します。
【目次】
■ジョーンズ骨折とは
■ジョーンズ骨折が発生する原因
■ジョーンズ骨折の治療方法
■ジョーンズ骨折の予防法
・練習を行う環境を見直す
・シューズを使い分ける
・インソールを活用する
・足のマッサージやストレッチを行う
・栄養をしっかり摂る
■日々の予防で骨折を防ごう
ジョーンズ骨折(Jones骨折)は、第5中足骨疲労骨折とも呼ばれ、足の甲にある「中足骨」の小指側(第5中足骨)に起こる疲労骨折です。この症例を報告したロバート・ジョーンズが名前の由来になっています。 足の疲労骨折の中でも多い症状で、サッカーやバスケットボール、ハンドボール、ラグビー、ダンスなど、素早い動きを繰り返し、足のアーチに過度な負担がかかるスポーツ競技によく見られる怪我です。
初期症状では足の甲の外側に違和感を覚えます。その後、ステップなどを踏んだ際に痛みを生じることが多いです。完全に骨折するまでは患部の腫れや痛みは強くありませんが、症状が進行するとスポーツを続けるのが難しくなる場合もあります。
また、目に見てわかりやすい外傷がないことから、「捻挫だと思って放置していたら骨折していた」というケースも少なくありません。痛みがある場合は、すぐに病院で検査を受けることが大切です。
大きな衝撃が加わって骨が折れる通常の骨折とは異なり、ジョーンズ骨折をはじめとした疲労骨折の一番の原因は使いすぎ(オーバーユース)です。 通常、人間の足には土踏まずがあり、アーチ状に弧を描いています。足のアーチは、着地の際の衝撃を吸収するバネのような役割を持っているものです。
しかし、ランニングや素早い切り返し、着地の際にかかる衝撃などで足に繰り返しストレスがかかると骨に疲労が蓄積して、もろくなっていきます。金属製の棒や板を折り曲げ続けていると、いつの間にか折れてしまうイメージです。
骨がもろくなっていく過程で足に痛みを覚える場合もあれば、完全に骨折してからジョーンズ骨折に気づく場合もあります。 痛みがある場合でも、完全に骨折するまではプレーできないほどの激しい痛みを感じづらく、見過ごされやすいのがジョーンズ骨折の特徴です。
ジョーンズ骨折の治療方法は、症状によって異なります。骨にヒビが入っている「不全骨折」と呼ばれる状態で、運動のパフォーマンスにも大きな問題がない場合は、保存療法が選択されることが多いです。 患部のアイシングや松葉杖を使って負荷を避けるといった治療に加えて、足の筋力強化やストレッチなどのリハビリも行います。 ただし、疲労骨折は再発しやすい怪我のひとつです。すぐにスポーツを再開すると再発の恐れがあるため、足に荷重がかかるトレーニングは一定期間の中止する必要があります。痛みが消えたからといってすぐに練習を行うのは避けましょう。
一方で、完全に折れている、不全骨折でも早く競技に復帰したいといった場合は、手術が必要です。 手術療法としては、スクリューやプレートで患部を固定する方法など、いくつか種類があります。
足に痛みがある間も、足以外のトレーニングを行うことは可能です。医師と相談しながら、足に負荷がかからない上半身の筋トレなどを行うと良いでしょう。
ジョーンズ骨折は、オーバーユースでたまった疲労が主な原因なので、日々の予防を心がけていれば発生のリスクを下げることができます。個人でも行いやすいジョーンズ骨折の予防法を、いくつかご紹介します。 サッカー選手だけでなく、足を酷使することが多いスポーツを行っている方は、参考にしてみてください。
固い土のグラウンドや足を止めやすい人工芝のグラウンドは、ターンなどの動作で足にかかる負担が大きくなり、ジョーンズ骨折のリスクが増します。 足に負担がかからないように、練習を行う環境を見直しましょう。環境を変えるのが難しく、固いグラウンドで練習を行うしかない場合は、ハードな練習は避けるといった工夫を行うことで、発生のリスクを下げられます。
自分に合わないシューズを使っているのも、足にかかる負荷が増す原因のひとつです。自身の足のサイズや形状に適したシューズを履くことが大切です。 また、シーンに応じてシューズを使い分けるのも、ジョーンズ骨折の予防として効果があります。 例えば、ランニング練習を行う場合はランニングシューズに履き替えたり、グラウンドごとに土用や人工芝用、天然芝用と複数のスパイクを用意しておいたりすると良いでしょう。
O脚など身体的な特徴で足裏にかかる衝撃が吸収できていない、特定の場所に負担がかかりやすいという場合は、自分の足に合ったインソールを用意するのもおすすめです。 特に偏平足などで足裏のアーチが崩れている場合は、足にかかる負担が大きくなります。インソールやテーピングでアーチを正常な状態に整えて衝撃吸収機能を回復させるのも、効果的な予防法です。
ストレッチを行い、骨に付着している筋肉の柔軟性を維持したり、疲労を回復したりすることも大切です。練習前後のウォーミングアップやクールダウンには積極的にストレッチを取り入れて、疲れをためないように意識しましょう。足以外の部位も含めて、全体的にストレッチを行っておけば、ジョーンズ骨折以外の怪我の予防につながります。
ストレッチだけでなく、血流を改善する足裏のマッサージも、疲労回復やアーチ形成をサポートする効果があるため有効です。
また、足裏にある筋肉を鍛えるトレーニングを行うのもおすすめです。足裏の筋肉が弱いとアーチが落ちてきて、偏平足になりやすくなります。偏平足で悩んでいる方は、タオルギャザーというトレーニングを取り入れてみましょう。
【タオルギャザーの方法】 1.タオルを広げて床に置き、その上に片足をのせる 2.足の指を使って、タオルを掴むように体側に手繰り寄せる
親指から小指まで、5本の指を使ってしっかりとタオルを握るのがポイントです。慣れてきたら、雑誌やペットボトルなどをタオルの上に置いて、負荷を高めて行うのも良いでしょう。
1日3食しっかり食べて、栄養を摂ることも大切です。栄養が不足していると骨が弱くなり、骨折してしまう可能性が高くなります。カルシウムやタンパク質、マグネシウム、ビタミンDなど、体作りに欠かせない栄養素をバランス良く摂取することを心がけましょう。 ただし、急激な体重増加もジョーンズ骨折の要因となります。バランスの取れた食生活を心がけ、食べすぎなどによる体重の変化にも注意が必要です。
ジョーンズ骨折は、サッカー選手なら誰でも、いつの間にか起こり得る怪我です。疲労骨折は一度治っても再発するケースが多いため、予防や早期発見、再発防止につながるリハビリが重要になります。足の痛みが続く場合は、すぐに病院を受診することも大切です。 ストレッチや栄養補給など、できることから予防を始めて、怪我をしないようにサッカーを楽しみましょう。
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