特大のポテンシャルが、成長速度を一気に上げている。
川崎フロンターレの高井幸大だ。
192センチのサイズを持つこの大型センターバックは、2022年に高校2年生で川崎フロンターレとプロ契約を結んだ。翌23年4月にJ1リーグデビューを飾ると、5月下旬開幕のU-20 W杯に出場する。同大会終了後は24年のパリ五輪出場を目ざすチームへ吸い上げられ、川崎フロンターレではリーグ戦14試合に出場した。
24年は背番号を「29」から「2」に変え、J1リーグ開幕スタメンを飾る。4月から5月にかけて開催されたU―23アジアカップ(パリ五輪アジア最終予選)のメンバーにも、チーム最年少の19歳で名を連ねた。
U-23日本代表の大岩剛監督は、連戦を乗り切るために試合ごとに選手を入れ替えていった。そのなかで、高井はチームの全6試合のうち5試合に先発フル出場した。連戦の疲労が蓄積していくなかでも、最終ラインに欠かせない存在として認められたのだ。長身を生かしてエアバトルに強く、ビルドアップのセンスに長けた高井は、大会優勝でのパリ五輪出場に大きく貢献したのだった。
パリ五輪でもチーム最年少でメンバー入りした。10代での五輪出場は、08年北京大会の吉田麻也、香川真司以来である。
パラグアイ、マリとのグループステージ初戦と第2戦に2試合連続フル出場し、第3戦のイスラエル戦は連戦を考慮して温存された。そして、スペインとの準々決勝で再びスタメンに入った。チームはスペインに敗れて8強に止まったものの、高井は堂々としたプレーで各国のFWとわたり合った。
パリ五輪に記した足跡は、世界への扉を開く。9月5日に中国と、同10日にバーレーンと対戦する北中米W杯アジア最終予選の日本代表に招集されたのである。
日本代表の森保一監督は高井について、「パリ五輪で非常に高いポテンシャルとクオリティのあるプレーを見せてもらいました」と評価した。そのうえで「まだ完成された選手ではないですが、日本代表の活動を通してさらに経験を積んで、日本代表の戦力として成長していってほしい」と期待を口にした。
中国戦を前にチームに合流した高井は、「まずは自分のプレーを知ってもらわなきゃいけない。練習からしっかりとアピールしていければ。一緒にやったことのある選手が少ないので、コミュニケーションを取っていきたい」と、落ち着いた表情で話した。
対アジアの戦いは、U-20日本代表やU-23日本代表で経験している。それだけに、「相手はロングボールを使ってくると思うので、そのボールをしっかり回収して攻撃につなげたい」と、具体的なイメージも明かした。
果たして、高井は中国戦でいきなり日本代表デビューを飾る。
71分、川崎フロンターレの育成組織の先輩でもある板倉滉に代わって、ピッチに足を踏み入れる。
その瞬間、高井は笑顔を浮かべた。
この時点でスコアは4対0だった。残り時間はアディショナルタイムを含めても25分ほどだ。勝利は確定していると言っていいが、W杯最終予選である。5万人を超える大観衆が詰め替えた埼玉スタジアム2002が舞台である。
さらに言えば、高井にとっては国際Aマッチ初出場である。緊張感に包まれてもおかしくないはずだが、前日に20歳の誕生日を迎えた高井は笑みをこぼしたのだ。
その強心臓ぶりには、森保監督も驚きを隠さなかった。7対0で勝利した試合後、笑みを浮かべながらこう話した。
「昨日まで19歳だったとは思っていなかったです。非常に落ち着いたプレーで、チームの活動にスムーズに入ってきている。20歳とは思えない落ち着きです。ピッチへ送り出すときもすごく笑顔で、普通なら顔が引き攣るところだよなと思いました」
この日の日本代表は、3-4-2-1のシステムを採用していた。所属する川崎フロンターレは4バックを主戦術としており、U-23日本代表も4バックだった。高井にとってはなじみの薄いシステムで、本人も「あまりやったことはない」と明かした。それでも、「短い時間のなかで理解しようとした」と続けたとおりに、スムーズに試合に入っていった。
「試合は楽しかったな、という感じです。少し緊張しましたけど、落ち着いてやろうと思いました。チームとしてはまだ1試合勝っただけなので、自分ももっと拮抗した試合で使ってもらうとか、スタートから使ってもらえるような信頼感を得ることが、大切かなと思います」
川崎フロンターレで育ったセンターバックは、ビルドアップのクオリティが高い。「攻撃のスイッチ」と呼ばれるような縦パスを入れるのはもちろん、ドリブルで持ち出すこともできる。単にボールの経由先となるのではなく、周りの選手にスペースや時間を生み出すことができるのだ。川崎フロンターレから海外のクラブへステップアップし、日本代表の最終ラインを担う谷口彰悟や板倉滉は、まさにそういったタイプである。
川崎フロンターレで定位置をつかみ、国際舞台で経験を積んでいる高井もまた、攻撃センスを備えたセンターバックだ。ボール際で激しく戦う、1対1で負けない、チャレンジ&カバーを遂行する、といった守備の個人戦術の水準を高めながら、攻撃にしっかりと関わるようになっているのだ。
日本代表は中国を大差で退け、敵地で行なわれたバーレーン戦でも5対0の勝利をつかんだ。高井はバーレーン戦では出場機会がなかったものの、今後につながる貴重な経験を積むことができた。
バーレーンから11日に帰国すると、13日のJ1リーグに途中出場した。69分の出場時点でチームは2対1とリードしていたが、後半アディショナルタイムに味方選手のハンドによるPKで同点とされてしまう。そこから3対2と勝ち越したが、高井の表情に喜びはなかった。
「チームの勝利は一番良かったですが、失点は反省しなければいけないです」
9月中旬には、8月のJ1リーグ月間ヤングプレーヤーに選出されたことが発表された。8月はパリ五輪から帰国後に2試合に出場し、11日のFC東京戦でセットプレーから豪快なヘディングシュートを突き刺した。高井本人も「8月はゴールを決めることもできましたし、楽しくサッカーができました。今シーズンも残り少なくなりましたが、勝点をさらに積み上げていけるように頑張ります」と思いを新たにした。
チームは9月22日現在で黒星が先行しており、15位にとどまっている。ここから先はアジアの頂点を争うAFCチャンピオンズリーグエリートを消化していき、ルヴァンカップでも準決勝まで勝ち残っている。他チームより日程が厳しい時期もあるなかで、J1リーグで勝点を重ねていかなければならない。
そのためには、高井の活躍が不可欠だ。
9月の日本代表初招集の際に、「ここからが本当の勝負。毎回、代表に名前を連ねられるように」と話した。活動を終えると、「もっともっと出場したい。もっと自分のレベルを上げていきたい」と言葉に力を込めた。
20歳の大型センターバックの進化が、川崎フロンターレと日本代表の最終ラインを逞しくする。
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