ゴールを生む部活生にとって欠かせない存在のスパイク「PREDATOR(プレデター)」が、さらなる進化を遂げて2025年1月16日に発売した。それに先立ち、アルペングループの社員がトライアルセッションに参加し、実際に『プレデター』を履いて体感した魅力や特長をレポートする。
■「PREDATOR」の軌跡
アディダスの「PREDATOR」は、1994年のFIFAワールドカップ アメリカ 1994™大会に向けて「ゴールを生むスパイク」として誕生。ジネディーヌ・ジダンやデビッド・ベッカムといったレジェンドたちに愛用され、フットボール界にその名を刻んできた。一度2015年に生産が終了したが、2018年に復活。そして2024年には30周年を迎え、「ゴールを生むスパイク」という原点に立ち返り、さらに進化を遂げた。
■トライアルセッション前に行われたプレゼンテーション
最新作のプレデターは、ゴールを狙う部活生に向けて大幅にアップデートされたモデルだ。90年代初期を象徴するフォールディングタンやスリーストライプスといったデザインDNAを受け継ぎつつ、「ストライクスキン」「ハイブリッドタッチ」「コントロールフレーム」などの最新テクノロジーを搭載し、プレーヤーのパフォーマンスを最大化する一足に仕上がっている。
ストライクスキン
プレデターシリーズの象徴ともいえるラバーフィンが、今回のモデルでさらに進化。シュートやパスのゾーンに戦略的に配置されたラバーフィンが、ボールとのグリップ力を高めて正確なキックを実現する。さらに、ラバーの範囲を最小限に抑えることで、グリップ力を維持しながらも、ボールタッチの感覚がよりダイレクトに感じられるようになった。この改良によって足との一体感がさらに向上し、プレー中の軽快さもアップしている。
ハイブリッドタッチ
アッパー素材には「ハイブリッドタッチ」を採用。クッションを戦略的に配置することで、優れたボールへのタッチ感と快適なフィット感を両立している。薄い素材を使うことで足との一体感を高め、包み込まれるような履き心地を実現。さらに、耐久性に優れた素材を使用しており、長時間の激しいプレーにも対応できる設計になっている。
コントロールフレームとアウトソールの進化について
コントロールフレームの特徴は外付けのヒールカウンターを採用している点だ。通常はシューズ内部に配置されるヒールカウンターを外付け構造にすることで、かかとの保護と安定感を強化している。また、フルレングスの軽量プレートを使用し、安定性とダイナミックな動きをサポートする。
さらに、アウトソールには「プレデター」のロゴが大きくデザインされており、視覚的なインパクトを与える仕上がりとなっている。試合中のテレビ映像などでも目を引くデザインだ。
今回のアウトソールのアップデートで注目すべきポイントは、前足部内側(親指付け根の「母趾球」部分)のスタッド形状だ。前足部内側にトライアングルスタッドが円形に配置されたことで、グリップ性を高めるだけでなく、回転動作やターンのスムーズさをサポートしている。この改良により、プレー中の動きがさらに滑らかで安定感のあるものに仕上がっている(※ELITE HG/AGモデル対象)。
ジャパンマイクロフィットラストの特徴
ELITE HG/AGモデルには、昨年12月に発表されたコパ アイコン 2 HG/AG同様、日本のプレーヤーの足型に特化して開発された「ジャパンマイクロフィットラスト」を搭載。このラストはシューズの形状を決める木型で、足裏やかかとの丸みまでしっかり日本のプレーヤーに合うように作られているのが特徴だ。これにより、足全体が自然なポジションに収まり、靴の中でのズレを防ぎながら、フィット感を大幅に向上させている。
■プレデターの機能説明の後には、クーバーコーチングのトレーニングセッション
セッションは軽いランニングからスタート。体を温めつつ、プレデターを履いた状態での動きや足元のフィーリングを確認した。
左右の足でのボールタッチや足裏でボールを転がす基本的なドリブル練習を実施。プレデターのフィット感やタッチの感覚を一つひとつ確かめながら、「イン・アウト」を交互に使ったエッジの効いたボールタッチも行い、スパイクの細やかなボールコントロール性能をチェックした。
続いてのコーンを使ったドリブルでは、スピードを意識しながらインサイドを活用し、滑らかにコーンを回るようにドリブル練習を実施。プレデターのグリップ力と安定感がこのメニューでも存分に発揮された。
ワンタッチパスからポストプレーを経て、落とされたボールをダイレクトシュートする練習を行った。ゴールの四隅(コーナー)を狙うことで正確性が求められる場面でも、インパクトの強さやキックの正確さが見受けられた。
ゴールを4つ配置した特別ルールのミニゲームでは、1人フリーマンを配置し、ダイレクトシュート限定のルールで試合が進行。プレデターのアジリティ性能や、タッチ感が如実に試される内容で、参加者たちはその性能の高さを実感していた。
最後に行われたロングキック練習では、狙った位置へのコントロールや安定感のあるグリップ力、力強い蹴り出しなど、プレデターの持つ特長がさらに確認された。ロングボールを正確に蹴り込むたびに、その性能の高さが明らかになった。
このトレーニングセッションを通じて、参加者たちはプレデターの性能を存分に体感。そのフィット感やシュートの精度、グリップ力など、プレーに直結するスパイクとしての価値を改めて認識する場となった。プレデターは、ゴールを奪いたい全てのプレーヤーにとって、欠かせない一足であることを証明した。
最後に、この日のセッションに参加した弊社(アルペングループ)社員の向井風太に、プレデターを履いてプレーした印象や、オススメのポイントを語ってもらった。
向井風太インタビュー「キックだけじゃない、全方位型スパイク『プレデター』の進化を感じました」
――プレデターの最新モデルを実際に履いてみた感想をお聞かせください。
そうですね、2025年モデルのプレデターは、軽さを感じつつ、前作よりもさらに良くなったという印象を受けました。履いた瞬間から、前作と比べて改良された感覚がしっかりと伝わりました。
――今回のアッパーについてはどんな印象を持たれましたか?
前作に比べて、非常にシンプルな設計だと感じました。前作ではアッパーが大きな面で構成されていましたが、今回のモデルは細部まで調整が施され、引っかかりが抑えられており、プレー中の邪魔にならないよう配慮されていると感じました。
―― 日本のプレーヤーの足型に特化して開発されELITE HG/AGモデルに採用されたジャパンマイクロフィットラスト(足型)は、プレー中に進化を感じた瞬間はありましたか?
ラスト(足型)が変更されたことで、足へのフィット感が格段に向上し、履いた瞬間からしっかり足に馴染む印象がありました。このフィット感のおかげで動きが安定し、トラップやタッチの際に余計なズレがなく、アッパーの柔軟性との相乗効果でプレー全体が快適になりました。特にトラップやキックの場面でその進化を実感しました。
――足入れの感覚はどうでしたか?
サイズ感が調整されて、よりフィット感が向上した印象です。今回のエリートモデルのHG/AG(土用スパイク)は、2024年モデルと比べて0.5センチ余裕を持たせた設計になっていました。その結果、足にぴったりと合うサイズ感で、実際に履いた際のフィット感がさらに良くなっていました。ほぼ自分の足そのものに近い感覚で履けましたね。
――かかとの安定感についてはどう感じましたか?
かかとの安定感は、しっかりと「スポッ」とはまる感覚があって、足が安定するので非常に良かったです。履いている間もフィット感が高く、安心してプレーできました。
――アウトソールの踏み込んだ感触や、走った時の一歩目、アジリティの感触についてはいかがでしたか?
アウトソールの形状が新しくなり、母指球のところがしっかりと踏ん張れる感覚がありました。今回、ELITE HG/AGモデルには三角形のスタッドデザインが採用されており、踏み込みの際に力がしっかり伝わる印象です。短い人工芝でのプレーでしたが、スタッドがしっかりと芝に刺さる感覚がありました。さらに、土や少し長めの芝でも対応できる設計だと感じます。全体的に感触は非常に良かったですね。
――全体的な軽さや足首周りの感触について教えてください。
軽さは200グラムを切るほどで、非常に軽快な履き心地でした。履いてみると足首周りがとてもストレスフリーで、しっかりとフィットする感覚がありました。足首の可動域が広く、動きやすさが特徴的です。特に足首周りが邪魔にならず、自由に動かせる点がこのスパイクのすごさだと思います。
――耐久性についてはどう感じましたか?
耐久性については、まだ実際に長期間使ってみないとわからない部分がありますが、今回のゴムの耐久性については今後ユーザーと一緒に確認していく必要があると思います。他の部分の耐久性は問題ないように感じました。
――このスパイクはどんなプレーヤーにおすすめですか?
ポジションを問わず幅広いプレーヤーに対応できるスパイクです。前作はキック寄りの性能が強かった印象ですが、今回のモデルはソールの改良により汎用性が高くなりました。そのため、どのポジションでも活躍できるスパイクになっていると思います。でも、やっぱりゴールに特化したスパイクなので、ゴールを奪いたいストライカーに履いてもらいたいですね。
――実際に履いてみて、少し気になった点があれば教えてください。
アッパーの窮屈感が少し気になりました。前作に比べてヒールやアッパー部分がやや低く設計されているため、爪が押さえつけられる感覚がありました。このため、履き始めの馴染みには少し時間が必要だと思います。すぐに試合で使うのではなく、慣らしながら使うのがおすすめです。
――プレデターシリーズに対して、今後どのような期待がありますか?
2024年モデルは非常に人気がありましたが、今回のモデルはより汎用的になった印象があります。良い意味で「使いやすくなった」とも言えますが、シリーズの独自性をさらに進化させていってほしいと思います。次は60周年を目指して、プレデターシリーズが長く続いていくことを期待しています。このようなデザイン性と機能性を両立させたスパイクが今後も増えてほしいですね。
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