サッカーのゲーゲンプレスとは? 一世を風靡した戦術の詳細を知ろう

サッカーの番組やニュース記事では、さまざまな専門用語を実況や解説者が使用しています。そのような場面で「ゲーゲンプレス」は使われる機会が多いため、耳にしたことがある方も多いはずです。
しかし、ゲーゲンプレスが何かはよく知らないという方もいらっしゃるでしょう。ゲーゲンプレスは、具体的にどのようなプレーなのでしょうか。
ここでは、現代サッカーを風靡したゲーゲンプレスの意味や種類などをご紹介します。

 


【目次】
■ゲーゲンプレスとは?
■ゲーゲンプレスの種類
・マンマーク型
・ハイプレッシャー型
・パスカット型
■ゲーゲンプレスに求められるテクニック
・高い戦術理解力
・攻守の切り替えの早さ
■ゲーゲンプレスは現代サッカーを象徴する戦術のひとつ


 

■ゲーゲンプレスとは?

 

ゲーゲンプレスの「ゲーゲン(gegen)」は、「対する」「反対」といった意味を持つドイツ語です。相手にボールを奪われたらすぐにプレスを仕掛けてボールを奪い、攻撃に転じる戦術がゲーゲンプレスです。
英語ではカウンタープレスと呼ばれます。

 

ドイツ(ブンデスリーガ)の「ボルシア・ドルトムント」や、イングランド(プレミアリーグ)の「リヴァプール」などの有名クラブを率いた名将、ユルゲン・クロップが考案し、この戦術で大きな成功を収めたことで、世界的に広まりました。

ゲーゲンプレスが決まると、一気にカウンター攻撃に転じることが可能です。相手チームがディフェンスを固める前に、ゴールを目指すことができます。

 

一方で、ゲーゲンプレスは前線でプレスを仕掛けることから、相手に突破されてしまうと数的不利な状況でのディフェンスに陥るリスクが高いです。
さらに、常にプレスを仕掛けるという戦略上、運動量が多くなりやすく、各選手にスタミナが求められる点もデメリットといえます。

デメリットもあるものの、近年はゲーゲンプレスを応用した戦術がさまざまなチームで採用されています。


 

■ゲーゲンプレスの種類

 

一見すると、高い位置で素早くプレスを仕掛けるだけと思われるかもしれませんが、ゲーゲンプレスはプレッシングの方法からいくつかの種類に分けられ、それぞれ特徴が異なります。
代表的なゲーゲンプレスの種類や特徴も、覚えておくと試合観戦などで役立つでしょう。
主なゲーゲンプレスの形と、それぞれの特徴は以下のとおりです。

 

・マンマーク型
マンマークで相手についてプレッシャーをかけて、ボールを奪う戦略がマンマーク型です。ボールを奪われたら、その近くにいる選手がすぐにボールホルダーにプレッシャーをかけに行きます。
他の選手はマンマークで相手について、相手がパスを出したところでボールを奪い攻撃に転じるというのが基本の流れです。

 

各選手にマークがつくので、パスを通されたり、相手に突破されたりするリスクを減らせます。
しかし、1人でもマークをはがされてしまうと、パスコースができてしまうため作戦が成立しません。
各選手に高い対人能力が求められる戦略といえるでしょう。

 

・ハイプレッシャー型
ボールを奪われたら、ボールホルダーの近くにいる選手が一斉にプレッシャーをかけに行くのがハイプレッシャー型です。マンマーク型とは異なり、多方面からプレッシャーをかけることで相手の余裕を奪い、ボール奪取を狙います。
ユルゲン・クロップ監督が取り入れていたゲーゲンプレスは、このハイプレッシャー型です。

 

ただし、ハイプレッシャー型はボールホルダーに複数の選手を集中させる分、他の選手のマークが外れることになります。相手が冷静にプレーを続けてパスを通されてしまうと、一気にピンチに陥る恐れがある戦略です。

 

・パスカット型
ボールホルダー自体にプレッシャーをかけるのではなく、パスコースを塞ぐ型のゲーゲンプレスもあります。パスカットによってボールを奪取するのが目的です。
パスカット型では、ボールを奪われてもすぐにプレッシャーはかけに行きません。パスコースを限定するようにポジショニングして、パスが出た瞬間にボールにチャレンジします。

 

ボールホルダーを厳しくマークする必要がないので、他のゲーゲンプレスの型に比べると体力の消耗を抑えやすいのがメリットです。
デメリットとしては、ポジショニングを少しでも間違えると簡単にパスを通されてしまい、ゲーゲンプレスが成立しない点が挙げられます。

 

 

■ゲーゲンプレスに求められるテクニック
ゲーゲンプレスは非常に効率的に攻撃・守備を行える一方で、成功させるにはチーム全体で一定の能力を備えていなければいけません。
ゲーゲンプレスを成功させるには、次のような能力・テクニックが必要になります。

 

・高い戦術理解力
ゲーゲンプレスは、個人で行うプレーではなく、チーム全体でルールを決めてプレーする戦術の一種です。
どれだけ上手な選手がいたとしても、その他のメンバーがその動きについていけなければ、フォーメーションが崩れて簡単に相手に突破されてしまうはずです。

 

ゲーゲンプレスを成功させるために重要なことは、戦術を理解したうえで、チーム全体で連動してプレーすることです。
試合に参加する全選手が、チームの戦術やルールを理解し、状況ごとに最適な判断をしながらプレーすることが求められます。

 

・攻守の切り替えの早さ
ゲーゲンプレスは、ボールを失った瞬間に相手にプレッシャーを仕掛け、即時奪還を目指す戦術です。つまり、相手にボールを奪われることを前提とした戦術と考えることもできます。

ボールを奪われた後のプレーが遅れると、そのまま相手に素早いカウンターを仕掛けられてしまうかもしれません。


ボールを奪われたら、その瞬間に一気に守備に切り替えてボール奪取を目指すことも重要です。

その後、ボールを奪い返したら、相手のディフェンスラインが整う前に一気に攻撃に転じると、ゴールを狙いやすくなります。


短いパスを回して組み立てていくのではなく、ボール奪取と同時にチーム全体で前がかりになり、縦にパスを入れて速攻を狙うのも良いでしょう。

攻守の切り替えが中途半端だったり、遅かったりすると、効果が薄れてしまうため注意が必要です。


 

■ゲーゲンプレスは現代サッカーを象徴する戦術のひとつ
ゲーゲンプレスは、ボールを失った瞬間にすぐボールホルダーにプレッシャーをかけることで、主導権を奪い返すことが目的の戦術です。
高い位置でボールを奪い返せれば、相手のディフェンスが整う前にゴールを目指すことができます。

 

種類ごとにプレッシャーのかけ方が変わるものの、どのゲーゲンプレスでも高い戦術理解や連携、素早い攻守の切り替えが求められるプレーである点は同じです。
成功させるには、チーム全体で練習を繰り返し、戦略を共有する必要があります。

選手同士の連動や判断力などが求められる点が、現代サッカーを象徴するゲーゲンプレスの醍醐味といえるかもしれません。

 


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【文章】アルペングループマガジン編集部

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