【サッカー】シミュレーションとは? マリーシアとは何が違う?

サッカーと他のスポーツを比較する際に「サッカー選手はすぐに痛がる」「サッカー選手はすぐに転ぶ」などという発言を聞いたことがある方は多いはずです。
サッカーは選手同士の接触が激しいスポーツなので、安全のために転ぶこと自体は問題ありませんが、その際に注意したいのが「シミュレーション」です。
ここでは、サッカーにおけるシミュレーションの意味や、似た場面で使われる「マリーシア」との違いをご紹介します。

 


【目次】
■サッカーにおけるシミュレーションとは?
■シミュレーションが起こりやすい状況
・ペナルティエリア内
・相手からのスライディング
・ドリブル中
■「マリーシア」とは何が違う?
■シミュレーションと判断された場合の判定は?
■シミュレーションは悪質な反則のひとつ


 

■サッカーにおけるシミュレーションとは?

 

サッカーにおけるシミュレーションとは、ファウルを受けたように装って審判をだまし、反則をもらおうとする行為のことです。
意図的に接触によって倒れたふりをする、引っ張られたふりをするなど、実際にはファウルを受けていないにもかかわらず、ファウルをされたような演技をした際に、シミュレーションと判断されます。

 

他にも、けがをしたふりをして時間を稼ぐプレーも、シミュレーションのひとつです。
そのような行為は、フェアプレーの精神に反するとしてFIFA(国際サッカー連盟)なども非難していて、サッカーの競技規則でも明確に禁止行為とされています。
 

 

■シミュレーションが起こりやすい状況

 

具体的に、ファウルを受けたふりをするシミュレーションは、どのような状況で起こりやすいのでしょうか。シミュレーションが発生しやすいタイミングやプレーの例を、3つご紹介します。

 

・ペナルティエリア内
最もシミュレーションが起こりやすい場所が、ペナルティエリア内です。オフェンス側の選手は、相手チームからファウルを受けたと判定されればペナルティキック(PK)を得られます。

得点に直結する可能性が非常に高いため、シミュレーションも起こりやすいといえるでしょう。

 

また、オフェンス側がディフェンダーにスライディングを受けたふりをするシミュレーションだけでなく、飛び出してきたゴールキーパーの手に当たったかのように装い転倒するケースも考えられます。

 

・相手からのスライディング
相手選手がスライディングでボールを奪いに来たタイミングも、シミュレーションが起こりやすいシチュエーションに挙げられます。スライディングした足がボールを捉えていたとしても、審判が危険なタックルだと判断すれば相手選手にイエローカードやレッドカードが出る可能性もあるためです。
危険なタックルを受けたかのように大きく転倒する、過剰に痛がるといったオーバーリアクションをするなどが例として挙げられます。

 

実際にボールに向かっていたとしても、審判の角度からは選手の足をめがけてスライディングしていたかのように見える可能性は捨てきれません。
そのようなシーンでシミュレーションが行われた結果、審判が誤審してしまうことも考えられます。

 

・ドリブル中
ボール保持者がドリブルをしている最中も、シミュレーションが起こる可能性があるシーンです。
ディフェンスに激しく競りかけられて、ボールを奪われそうになるシーンなどが例です。

 

ボールを奪われかけたとしても、ファウルをもらえればボールを失わずに自チームのフリーキックで試合が再開します。
そのため、腕をつかまれたり、ユニフォームを引っ張られたりして転んだように見せてファウルをもらうシミュレーションが発生することも考えられます。


 

■「マリーシア」とは何が違う?
サッカーでは「マリーシア」という用語を耳にすることもあります。マリーシアは、「ずる賢さ」や「狡猾さ」といった意味を持つポルトガル語です。
サッカーのシーンでは、戦況を理解して、試合を優位に運ぶために行うプレーを表します。

 

相手のファウルを誘うプレーをする、接触を大きく見せてファウルをもらう、相手選手を挑発する、時間を稼ぐためにボールを前に運ばずキープする、相手のフォーメーションが整う前に試合を再開するなどが、マリーシアの例です。

 

接触を大きく見せてファウルをもらうプレーなどは「シミュレーションではないのか」と疑問に思う方もいるでしょう。
両者の大きな違いは、フェアプレー精神があるかどうか、ルールに則ったプレーかどうかという点です。

マリーシアは、あくまでもルールに則った中でプレーを行います。その時の状況を判断したうえで機転を利かせて、試合を有利に進めるためのプレーと言い換えることもできます。

 

一方で、シミュレーションはルールの裏をかいてファウルを誘う、フェアプレーの精神やスポーツマンシップに反するプレーです。
ルールの範囲で、少しでも自チームが有利になるようプレーするために、マリーシアの考え方や技術は欠かせないものといえます。

 

 

■シミュレーションと判断された場合の判定は?
相手と接触していないのにわざと倒れたなど、シミュレーションと審判に判断された場合、該当選手は「スポーツマンシップに反する行為を行った」としてイエローカードが提示されます。
悪質なプレーだとレッドカードをもらう可能性もあるため注意が必要です。

 

シミュレーションと判断された後、試合は間接フリーキックで再開します。そのため、シミュレーション後のボールは直接シュートすることはできません。

近年は、主要な大会やリーグ戦では審判の判定をサポートするVAR(ビデオアシスタントレフェリー)が導入されています。

VARが使われる主なシーンは、以下の4つです。

 

【VARによるサポートが行われるシーン】
・得点が決まったかどうか
・PKかPKではないか
・退場(レッドカード)かどうか
・警告退場を出す選手を間違えていないか

 

また、プレーと関係ないところでファウルが行われた、角度の問題で主審から見えなかったなど、主審が確認できなかった重大な事象についても、VARを使った判定が行われます。主審をだますことができたとしても、VARの介入によって判定が訂正される可能性があるということです。

そのため、近年はプロの試合でのシミュレーションは減少傾向にあるとされています。

 

 

■シミュレーションは悪質な反則のひとつ
サッカーにおけるシミュレーションとは、試合を有利に進めるための悪質な「演技」です。ルールに則って戦局を優位にするために行うマリーシアとは異なり、シミュレーションはフェアプレーの精神に反する行為で、厳しく罰せられる可能性があります。

 

VARの導入に伴いそのような悪質なプレーは減少傾向にあるものの、完全になくなったわけではありません。
サッカーの試合を観戦する時は、選手同士の接触などにも注目してみてはいかがでしょうか。


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【文章】アルペングループマガジン編集部

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