サッカーの試合は、1チーム11人、両チーム合わせて計22人で行うことになります。フィールド内のボールは1つなので、基本的にはほとんどの選手がボールに絡むことはできません。そのため、自分自身がボールをコントロールしていない「オフザボール」の動き方が、プレーの質を大きく左右することになります。ここでは、サッカーにおけるオフザボールの重要性や、プレーの際のポイントをご紹介します。
【目次】■オフザボールはなぜ重要?■オフザボールの動き方の例・オーバーラップ/インナーラップ・パス&ゴー・プルアウェイ・3人目の動き■オフザボールで意識すること・体の向き・パスコースやスペース・次の展開■ボールを持っていない間こそ大事な時間!
■オフザボールはなぜ重要?
オフザボールとは、自分がボールを持っていない間の動き方のことです。一般的に、1試合の間で1人の選手がボールに触れている(オンザボール)時間は2分ほどしかないとされています。細かな試合時間は年代によって異なりますが、いずれのカテゴリーにおいても、試合の大半はボールを持っていない状態が続くということです。
とはいえ、自分がボールを持っていないタイミングだとしても、他の選手によってボールは運ばれています。試合を優位に進めるには、ボールや他の選手の動きに合わせて、自分がボールを受けやすい場所や相手の攻撃を潰せる場所、味方のプレーをアシストできる場所などに移動し、準備をすることが重要です。
テレビ中継ではボールを中心に映像を映すため目立ちにくいかもしれませんが、オフザボールの動き方は試合展開を大きく左右するプレーといえます。
■オフザボールの動き方の例
オフザボールの動き方が大切とは知っていても、最初はどのように動けば良いのかわからないかもしれません。ここからは、オフザボールの代表的な動き方の例をご紹介します。それぞれの動きを状況に応じて使い分けられるように、練習に取り組みましょう。
・オーバーラップ/インナーラップオフェンス側のチームのボールを持っていない選手が、ボールを保持している味方を追い越して前線に行く動きです。ボール保持者を外側(ライン側)から追い越す動きは「オーバーラップ」、内側(センター側)から追い越す動きは「インナーラップ(アンダーラップ)」と呼ばれます。
ボール保持者を追い越すことで前線にいる選手の数が増える分、パスの選択肢も増やせるのがメリットです。主に、ディフェンスが人数をかけにくいサイド側で攻撃をする際に使われます。
・パス&ゴー味方にパスを出したらすぐに走り出し、相手ディフェンスのマークを振り切った状態でパスを受け直す動きです。一般的には「ワンツー」とも呼ばれます。個人でドリブル突破を試みるよりも、素早く相手を振り切れるのがメリットです。
パス&ゴーの際に、単にパスを出して前に走るだけでは、相手にパスコースをふさがれてしまう可能性があります。パスを出した後、味方と自分の間にパスコースが生まれるように動くことを心がけましょう。状況によっては前に走り出すのではなく、その場にとどまったり、少し後ろに下がったりすることが有効なケースもあります。
・プルアウェイゴールに向かうのではなく、あえて離れることでスペースを作るオフザボールの動きがプルアウェイです。自分はゴールから離れてディフェンスを誘い出すことで、自分の前または相手ディフェンスの後ろ側にスペースを生み出せます。
味方のマークを外してパスコースやシュートコースを作ったり、他のエリアにいる選手をフリーにしたりできるのがメリットです。
・3人目の動きボールを持っている選手から直接パスを受けるのではなく、パスの受け手となる選手が次にどのようなプレーを試みるか予想して動き出すのが「3人目の動き」です。例としては、フォワードの選手がボランチ(ミッドフィールダー)にバックパスを返すタイミングで、サイドバックの選手がサイドを駆け上がるプレーなどが挙げられます。バックパスを受けたボランチが前に走っているサイドバックにロングパスを蹴り出せば、すぐに前線にボールを運ぶことが可能です。
3人目の動きがスムーズに行えるようになると、攻撃のスピードアップにつながります。ディフェンス側が次のプレーを察知するのが難しく、チャンスを演出しやすい点もメリットです。
■オフザボールで意識することボールを持っていない時に動くことが大切とはいえ、やみくもにフィールド内を走り回っているだけでは、効果的なオフザボールの動きとはいえません。オフザボールの際は、次の3点を意識して動くことを心がけましょう。
・体の向きオフザボールでどれだけ良い場所にポジショニングできたとしても、ボールを受けてから次のプレーまでに時間がかかると、相手ディフェンスに詰められてしまいます。オフザボールの際に重要なのは、自分がボールを保持したらスムーズに次のプレーに移れるよう準備をしておくことです。
例えば、味方のパスを受ける際に、相手ゴールに背を向けた状態だと、前を向くために反転する動きが加わるため、プレーがワンテンポ遅くなってしまいます。ゴールに半身を向けた状態でパスを待つなど、どのように待てば次のプレーを行いやすいかを考えながら動きましょう。スムーズに次のプレーに移行するために、首をこまめに振って周囲の状況を確認しておくこともポイントです。
・パスコースやスペースオフザボールの動きが重要な理由は、自分が動くことでディフェンスも動いてスペースができたり、自分以外の味方がフリーになったりするためです。相手のディフェンスが自分についてこないのであれば、自分がフリーになってチャンスを演出できます。
自分が動くことで味方にパスコースができるかどうか、プレーしやすいスペースを生み出せるかといった点を意識しながら動くことも重要です。
・次の展開オフザボールの動き方の精度を高めるコツは、次の展開を意識することです。スペースを作り出せたとしても、結局バックパスしか選択肢がないようでは、効果的な攻撃とはいえません。効果的なスペースに動くために、味方がどこにパスを出したいのか、誰がどこで攻めているのかなどを意識しながら次の展開を予測する癖を、日頃の練習からつけておきましょう。
■ボールを持っていない間こそ大事な時間!サッカーの試合において、ボールを持っていない状況はなかなか注目されにくいものです。しかし、選手の目線で考えると、試合時間の大半はボールを持たない状態でプレーすることになります。試合時間の大半を占めるオフザボールの動き方が上達すれば、それだけでプレーの質を高めることが可能です。
さらに、オフザボールの動きがわかるようになると、試合観戦もより楽しみやすくなります。サッカーを実際にプレーしている方はもちろん、試合観戦が好きな方も、オフザボールの動き方に注目してみてはいかがでしょうか。
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