今年の「ゴルフ5レディス」は、今年は第30回の記念大会。2022年以来3度目となる「ゴルフ5カントリーオークビレッヂ」(千葉県市原市、6505ヤード、パー72)で9月5日~7日の予定で開催されました。
ところが台風15号の影響で木曜日から天気が崩れプロアマ戦が中止。安全に配慮し、大会初日の競技も中止されて、土曜・日曜の2日間、36ホールの短縮競技で行われることとなりました。
懸念された台風は金曜日の夜には太平洋上に抜け、土曜日は朝から台風一過の快晴。コースの水はけのよさも相まって、プリファードライも不要な好コンディションで開幕しました。

『千葉県市原市の「ゴルフ5カントリーオークビレッヂ」が舞台。デズモンド・ミュアヘッドが設計した造形美が戦略性となる難コース』
初日、大会序盤を引っぱったのは今年「ミネベアミツミレディス」で初優勝を遂げている内田ことこ選手でした。
内田選手はアウトコースのトップ第1組でスタートし、前半を5バーディ、ノーボギーで終えると、後半に入っても11番、13番でバーディを奪い一時は7アンダーまで伸ばすスタートダッシュを見せます。

『内田ことこ選手。初日の前半は5バーディ、ノーボギーでスタート』
しかし内田選手は難関14番でボギーを叩いたのをきっかけにリズムを崩し、16番でもボギー、最終18番ではダブルボギーを叩いて後退。
トップ争いを引き継いだのは、ベテラン木戸愛選手とゴルフ5所属のアマチュアの中澤瑠来選手でした。木戸選手は今年2度の2位フィニッシュがあり、中澤選手も「日本女子アマ」を制するなどともに好調ぶりを感じさせるプレーを見せます。
その木戸選手は15番までに7つのバーディを奪いますが、16番、18番でボギーを打ってトータル5アンダー。中澤選手は前半5バーディ。後半2つのボギーがありましたが13番パー5では2オンに成功しイーグルを奪う好プレーでした。

『今季好調な木戸愛選手。今大会でも上位争いに食い込んだ』

『ゴルフ5契約の中澤瑠来選手も5アンダープレーで上位に』
その後、政田夢乃選手がボギーフリーの7バーディ、三ヶ島かな選手が5連続を含む8バーディ1ボギーでともに7アンダーとして、木戸選手や中澤選手を上回ってきます。
そんな混戦を抜け出し、初日を8アンダーの首位で終えたのは、荒木優奈選手、柏原明日架選手、稲垣那奈子選手の3人でした。
荒木選手は7番でイーグルを奪ったほか7バーディ1ボギー。難関の上がり17番、18番を連続バーディで締める好プレーでした。ツアールーキーながら何度も優勝争いをしている実力の高さがうかがえます。

『今季の「ブリヂストンレディス」2位タイ、「ヨネックスレディス」3位タイと実績を残している荒木優奈選手』
柏原選手は5~9番での5連続バーディを含む8バーディノーボギーの安定したプレー。8月の「NEC軽井沢72」で6年ぶりの優勝を果たした好調を持続しています。
稲垣選手は最終18番こそボギーとしてしまいましたが、9つのバーディを奪う爆発力。「リゾートトラストレディス」以来の2勝目に向けて上々の初日となりました。

『復活優勝を遂げた柏原明日架選手も好調をキープ』

『2勝目を目指す稲垣那奈子選手も初日を終えてトップタイ』
大会初日は、コースセッティング担当の馬場ゆかりプロの「各日4アンダーくらい」という想定を大幅に超えてくるハイスコア。とくにインコースのピン位置はかなりシビアだったなか、風がなく暑すぎない好天に加え、前日の雨でグリーンがやわらかくなっていることで、ピンをデッドに狙えるコンディションが整った結果かもしれません。
翌大会最終日も秋晴れの晴天。
この日はアウトコースのセッティングが初日よりも厳しくなったのか、初日ほどアウトコースのスコアが伸びず、早いスタートのなかから急激な追い上げを見せる選手はあまり現れません。
そんななか、5アンダーの9位タイからスタートした永井花奈選手と尾関彩美悠選手がともに前半4バーディで9アンダーまで、7アンダー4位タイでスタートした政田夢乃選手が3バーディ1ボギーで同じく9アンダーまで伸ばし上位をうかがいます。

『最終日前半スコアを伸ばした永井花奈選手。4バーディ、ノーボギーで9アンダー』
8アンダーからスタートした最終組では、柏原選手がスタート1番ホールでバーディを奪うと5番、7番もバーディとして11アンダーまで伸ばし、試合をリード。
一方、荒木選手は2番で、稲垣選手は4番でボギーが先行する苦しい展開ですが、荒木選手は5番、6番、7番で3連続バーディを奪って10アンダーまで持ち直します。

『最終日前半は途中3連続バーディを奪い10アンダーまでスコアを伸ばす荒木選手』
ところが魔物が潜むのがサンデーバックナイン。
単独首位に立っていた柏原選手がティーショットを右に曲げ、アンプレヤブルの処置を取るトラブルでボギー。続く11番でも連続ボギーとして9アンダーまで後退します。
その隙に後続の選手がスコアを伸ばし、試合は一気にわからなくなります。
永井選手は10番、13番でバーディを奪って11アンダー。政田選手も11番、13番でバーディを奪って同じく11アンダー。さらに荒木選手も12番でバーディを奪って3人が11アンダーで並ぶ展開になります。
これで終盤はこの3人の争いになるかと思われた途端、もうひと波乱起きます。
難関の15番パー4で、政田選手がティーショットを右に曲げてOBを打ちダブルボギー。永井選手も2打目を奥にこぼしてアプローチを寄せ切れずボギー。
一方で荒木選手は13番パー5で着実にバーディを奪ってスコアを伸ばし、単独首位へ。またこの13番では柏原選手もバーディを奪って10アンダーまでスコアを戻します。

『初優勝を目指す政田夢乃選手は最終日一時は優勝争いに食い込むも、15番でスコアを落とした』
これで荒木選手12アンダー、永井選手、柏原選手が10アンダーとなり、最終盤に突入。
最終組の3つ前の組でプレーする永井選手はここでバーディを奪えず10アンダーのままフィニッシュ。最終組では最後のパー5である16番で、荒木選手がパーとしたところを柏原選手がバーディで11アンダーの1打差に詰め寄ります。

『後半に入り2つスコアを落とした柏原選手だったが、16番でバーディを奪う粘り強いプレーで荒木選手についていった』
柏原選手は、続く17番でも惜しいバーディパットがカップをかすめますがバーディとはならず、最終18番もバーディチャンスにつけながら決めきれずに11アンダーフィニッシュ。
これに対し、荒木選手は17番を危なげなくパーで終え、最終18番では段の下からの難しいパットを確実に2パットで締めて12アンダーを堅持。逃げ切ってツアー初優勝を遂げました。

『後半は安定したプレーでスコアを維持し、見事初優勝を遂げた荒木選手』
惜敗した柏原選手は、終始安定したプレーを見せていたなか、10番、11番のボギーが痛恨でしたが、「決めたことをやり切ることだけに集中し、それができる回数は優勝した『NEC軽井沢72』よりも増えています。悔しいですが荒木選手に隙がありませんでした」と、ベテランらしいコメント。
近いうちにシーズン2勝目もありそうだと感じさせるプレーぶりでした。
優勝した荒木選手は、ここまで初日トップの試合が4回あったなかで勝ち切れずにいましたが、その経験をしっかり生かして見事リベンジ。ツアー初優勝ながら、アマチュア時代から成績を残し、新人戦でも優勝しているポテンシャルの高さを感じさせるプレーで、今後のさらなる活躍が期待されます。
なお、ゴルフ5契約アマの中澤瑠来選手が67-69のトータル8アンダーで9位タイに入り、ベストアマを獲得する大健闘。プロテストに向けて勢いのつく結果となりました。
所属プロは、5人中4人が予選を通過し、最上位は穴井詩選手の3アンダー30位タイ。初日4アンダーでプレーするも残念ながら最終日にスコアを伸ばせませんでした。
川満陽香理選手は1アンダーの42位タイでしたが、最終日16番ではチップインイーグルを決めイーグル賞100万円を獲得。産休明け間もなく、試合勘も戻らないなかで健闘といえる結果だったのではないでしょうか。
山本景子選手は一時5アンダーまでスコアを伸ばすも、最終日15番などでスコアを崩してしまい1オーバー58位タイ。悔しい結果ですが、内容には手ごたえも感じられただけに奮起が期待されます。
イ・ナリ選手は3オーバーの65位タイでした。

『ゴルフ5所属山本景子選手は一時5アンダーまでスコアを伸ばした』
2日間の短縮競技ながら、内容の濃い白熱する試合となった「ゴルフ5レディス2025」。来年はどんな試合になるのか、早くも楽しみです。