チームゴルフ5の合宿では、トレーニングや打ち込みに加え、新しいクラブのテストも重要なミッション。選手たちは新シーズンに向けてさまざまなクラブをテストし、実戦で使えるかどうかを見極めていく。
そんななか今回は、タイトリストの人気ウェッジ最新作「ボーケイ・デザイン SM11 ウェッジ」を、穴井詩プロ、福住将プロ、そして伊藤元気プロの3人がテストした様子をお届けする。
テストを行ったのは宮崎カントリークラブの1番ホールで、タイトリストのボーケイプロダクト担当早川真帆さんが帯同してサポートしてくれた。
『タイトリストの早川真帆さんのサポートで、宮崎カントリークラブ1番ホールで試打』
タイトリスト「ボーケイ・デザイン SM ウェッジ」シリーズは、名匠ボブ・ボーケイ氏がデザイン・開発し、ツアープロからのフィードバックを受けて進化を続けてきた。
11代目となる「SM11」は、ボールコンタクトの質を上げるべくロフトとソールグラインドのバリエーションを増やし、ボールフライト=弾道の質を高めるべく重心位置を改善。さらに安定したスピン性能を得るために溝やフェースのテクスチャーの見直しを行ったという。
それらの改良点を踏まえつつ、さまざまなシチュエーションで試打を行った。
『「ボーケイ・デザイン SM11 ウェッジ」はF、S、M、T、D、Kの6種類のソールグラインドがあり、ロフト、バウンスを含め27種類の選択肢がある』
最初はピンまで100ヤード前後、フルショットに近い領域でのテスト。近年は選手の飛距離アップやアイアンのストロングロフト化にともない、「PWの下」の領域が受け持つエリアが広がっている。
そこで「ボーケイ・デザイン SM11 ウェッジ」は、従来46度からだったロフトバリエーションに新たに44度を追加したという。これを穴井プロが試打。
『まずはショット領域でテスト。ピンまで約100ヤードのフェアウェイから』
穴井プロ「すごく抜けがよくて、ピンを狙っていける感じがします。この距離のコントロール性は、さすがにアイアンよりもいいですね。ソールはどうなっているんですか?」
早川さん「これはバウンス角10度のFグラインド、オーソドックスな形状で強めのバウンス効果があるソールです」
『「ボーケイ・デザイン SM11 ウェッジ」は新たにロフト44度、バウンス10度のFグラインドを追加』
続いて福住プロが試打。ロフト52度、バウンス角8度のFグラインドを打ったところオーバーしたので54度にチェンジ。こちらはバウンス10度でトレーリングエッジ側を落としたSグラインドと、バウンス12度で三日月型ソールのDグラインドを試した。
『福住プロは52度のF、54度のSとDで試打』
福住プロ「打球音もいいし、すごくボールがフェースに乗ります。SグラインドよりDグラインドのほうだとターフがしっかりとれてバウンスを感じられます。Sの抜けも魅力ですが、濡れた地面や悪いライならDがよさそう」
伊藤プロ「スピンが効いているけど戻りすぎることもなく、すごくコントロールされているよね」
早川さん「プロによっては両方を用意して、コースコンディションなどによって使い分ける方もいます。そのためのソールグラインドのバリエーションでもあるので、柔軟に選んでいただくといいと思います」
『フェースへのボールの乗りがよく、アイアンよりもコントロール性が高い。Dグラインドはしっかりターフが取れた』
続いてピンまで50ヤード前後のコントロールショット領域。微妙な距離感を正確に打ち分けられる弾道やスピン量の安定性が求められる。
「ボーケイ・デザイン SM11 ウェッジ」は、溝の容積を前モデルから5%増やして、バッドコンディションでのスピン量の安定を図っているとのことで、ここではあえてフェース面を濡らしてスピンが不安定になりやすい状況を作り、伊藤プロがロフト60度バウンス4度のTグラインド、穴井プロがロフト60度バウンス6度Kグラインドで試打した。Tグラインドは三日月ソールのローバウンス、Kグラインドは幅広ソールのグラインドだ。
『コントロールショット領域のテストとして50ヤードからも試打』
伊藤プロ「このTグラインドは、前モデルでプロに人気だったものですよね。ソールの当たり方がすごくよくて気持ちよく抜ける。ディボット跡を見ても小さくて、フェースに球が乗っていきます。濡らしてみてもフライヤーみたいな飛びはなくて、ドライとほとんど変わらないのはびっくりです」
穴井プロ「この60度Kグラインドはすごいですね。コントロールショットの領域でも打ち出しが低く出てめちゃくちゃ止まる。これだけ濡らしてもちゃんと止まるので、雨の日でも安心ですね」
早川さん「『ボーケイ・デザイン SM11 ウェッジ』は、打ち出し角がロフト角の約1/2になるように重心位置をロフトごとに最適化しています。だから60度でも低く出てスピンが効くんです。穴井プロの打たれたバウンス6度のKグラインドは『ローK』と呼ばれるグラインド。プロの要望に応えて作られました」
伊藤プロ「それにこのウェット性能の強さはすごい。フェースが濡れているときはスピンが効くのか効かないのかわからなくて難しいんですが、これなら自信をもって止めに行けますね」
『フェースをしっかり濡らしてもスピンが落ちずしっかりコントロールできた』
『ソールバリエーション「ローK」も総合力が高く好感触』
最後はグリーン周りのショートゲーム領域。スコアメークの要となる「寄せ」の性能チェックだ。グリーンすぐ左手前のラフから10ヤードほどのアプローチでテスト。
まず福住プロがロフト58度バウンス12度の幅広ソールKグラインドから試打。さらに同じ12度のバウンスで三日月ソールのD、6度のローバウンスで幅広ソールのローKと打ち比べた。
『最後はグリーン周りからロフトの多いウェッジで寄せのテスト』
福住プロ「Kグラインドはスクエアだとすごくいいですが、フェースを開くとちょっと刃が浮く感じがしますね。その点Dのほうが開いたときは打ちやすい。ローKは開いてもOKでバウンス12度のKより打ちやすいけど、Dのバウンスの効きも魅力的。でもどれもすごくスピンが効きますね」
早川さん「ロフトの多いモデルは、広く浅い溝を採用していて、緩やかな入射角で最適化されています。さらに『SM11』は、ディレクショナルフェーステクスチャーという溝と溝の間の形状をギザギザにしてスピン性能をアップしているんです」
『フェースへのボールの乗りがよく安定してしっかりスピンがかかった』
穴井プロはまずはバンカーから。20ヤードほどの距離でピンが手前という難しい状況で、ロフト60度の幅広ソールKグラインドの、バウンス12度と6度を比較。
穴井プロ「フェースを開くとバウンス12度のほうはかなり強めにバウンスが当たりましたが、6度のほうはこの締まった砂でも弾かれずに抜けるのですごく簡単! 距離のコントロールもしやすいです」
伊藤プロ「フェースを開く人やバンカーが得意な人ならローK、バンカーが苦手なアマチュアなら12度がいいだろうね」
『穴井プロはバンカーからの使い勝手も重視。Kグラインドのバウンス違いをテスト』
さらに穴井プロは花道の10ヤード前後の場所から転がしのアプローチでテスト。ロフト58度バウンス10度のSグラインド、ロフト58度バウンス12度のKグラインド、そしてロフト60度バウンス12度のDグラインドを打ち比べつつ、場所を変えながらフィーリングをチェック。
『アプローチもさまざまな状況から、いろいろなソールグラインドをテスト』
穴井プロ「Sグラインドのバウンスはすごくよく効いて、刺さる気配が一切ないです。KはSよりも抜けるというか滑る感じで、私にはちょっと抜けすぎかも。60度のDグラインドは開いても大丈夫だしちょっとダフリ気味に入っても全然結果が変わらない。さっき打ったローKもよかったし、これは迷いますね」
『Kグラインド、Dグラインドそれぞれによさがあって悩むという穴井プロ』
早川さん「ショートゲームに関しては、もっといろいろなところからいろいろなシチュエーションで打ち比べていただいて、じっくり考えていただくといいと思います」
伊藤プロ「そこまでじっくり試打できないアマチュアはどうやって選べばいいですか?」
早川さん「まずはロフト設定を決めて、そのうえでいちばんよく使う状況・打ち方で自分に合うソールを見つけていただくといいと思います。基本的には打ち出しがやや低く出るものがマッチしているので、そこがひとつの目安になると思いますが、ぜひ『ボーケイ・デザイン ウェッジフィッティング』も受けていただきたいですね」
<SM11シリーズ詳細はこちら>
https://store.alpen-group.jp/golf5/campaign/titleist/sm-series/
【文章・写真】アルペングループマガジン編集部