広島東洋カープのスラッガーとして活躍した元プロ野球選手前田智徳さんは、引退後ゴルフに本格的に取り組み、現在は競技ゴルファーとして活躍中。2021年には中国ミッドアマ選手権で優勝するほどの腕前だ。
前田さんは今年55歳となりシニアデビューすることから、今シーズンを戦うクラブを模索中だという。そこでゴルフ5プレステージ新宿店でピン、キャロウェイ、テーラーメイドの最新ドライバーを試打。ゴルフ5クラブフィッターの小口貴彦さんがフィッティングした様子をお届けする。
前田さんの現在のエースドライバーはピン「G400 MAX」で、シャフトはグラファイトデザイン「ツアーAD FI-7」のXを装着している。「G440 MAX」は名器との呼び声高い傑作ドライバーで、いまでも平均300ヤード近い飛距離が出ているが、すでに7年以上使っており、今年シニア入りすることもあってニューモデルの導入を模索しているという。
前田さん「いままでもいろいろ試打してきましたが、競技での信頼性を考えるとなかなかコレというのに出会えなかったんです。でもさすがにもう古いし、僕ももう55歳。買い替えが必要かなと思うんです」
小口さん「『G400 MAX』はいいクラブですが、ドライバーは日々進化しています。年齢の心配もあるのなら、ここで改めてフィッティングしておいて損はないと思います。いまピンをお使いなら、まずはピンから打ってみましょうか」
最初に試打したのはピンのニューモデル「G440 K」。
大慣性モーメントモデルだが、前作「G430 MAX 10K」と比べて振り心地が劇的に向上。10Kにありがちな振りにくさがなく、「G400 MAX」からでも違和感は小さいはず。
シャフトはグラファイトデザイン「ツアーAD FI-7」のXで試打した。このシャフトは前田さんの私物で、0.25インチチップカットされており、ノーマルより少し硬くなっている。
『現在ピンのドライバーを愛用中とのことで、まずはピン「G440 K」からテスト』
前田さんはいきなり平均で297~299ヤード前後のフェードボールを連発するが、シャフトのしなり心地に違和感がある様子。
前田さん「さすが大慣性モーメント、曲がらないですね。顔は少し後ろが長いかなと感じますが、嫌いじゃない。1発目のようなフェードが出てくれると安心感はあります。でも普段と比べると少しシャフトのしなりが少なく感じます」
小口さん「距離は出ているし、バックスピン量も3球平均で2015rpm。球筋もフェードでかなり安定はしています。『G440 K』は『G400 MAX』と比べるとヘッド重量が少し軽いので、そのぶんシャフトのしなりが出にくいんでしょう。次はノーマルの『FI-7』で打ってみしょう」
『小口さんがフィッティングし、シャフトやロフトなどを変更しながら試打』
チップカットのない「FI-7」では、振り心地はよくなったものの、少しスピン量が増加。
そこでカチャカチャでロフトを1度立ててみるが、それにともなってフェースアングルが少しオープンになるのに前田さんは違和感があるという。
さらに打点がややトウ側に外れることから、ヘッド後方のウェイトをヒール側に移動させて芯に当たりやすくアジャストしたが、今度は振り心地に違和感がでてプッシュアウトのミスが出始める。
結局、シャフトはチップカットした「ツアーAD FI-7」のX、ロフトは-1度、ウェイトはトウ側というセッティングに落ち着いた。
『結局ヘッド後方のウェイトはトウ側のポジションがよさそう』
小口さん「まだ調整の余地はありますが、あとは少し鉛を貼るなどすればいいところに収まると思います。チップカットの量なども検討してみてもいいかもしれませんね」
前田さん「私はつかまりそうな顔が好きなので、ロフト減でフェースが右を向く違和感が少し残りましたが、やっぱり10K超えの安定感はすごいですね。『G400 MAX』からの進化を感じられました」
『「G440 K」は、「ツアーAD FI-7」との組み合わせが〇。ロフトは-1度、ウェイトはトウ側』
続いてはキャロウェイ。「QUANTUM MAX」の9度に、フジクラ「スピーダー NX ゴールド」の70Xを装着して打った。
こちらは300ヤードを超えるショットが出るものの、ときおり大きなスライスが出て安定感が足りない。
そこでヘッドを「QUANTUM トリプルダイヤモンド MAX(TD MAX)」の9度に変更。
こちらは低スピンヘッドのトリプルダイヤモンドの、460ccモデルだ。
打ちながらカチャカチャのポジションをいろいろ試し、ロフトを-1度にしたところ低スピンの強い球が出始め、ついにキャリー291ヤード、トータル318ヤードというビッグドライブが!
『キャロウェイは「QUANTUM TD MAX」がマッチ』
前田さん「なんですかこの飛び! 普段よりも15ヤードくらい飛んでいます。ルール大丈夫?(笑)」
小口さん「大丈夫、適合です(笑)。 ロフトを立てて8度にしたぶんバックスピンが減って1765rpm、でも打ち出し角は15.2度とちゃんと出ていますから、これは飛ぶ弾道です!」
前田さん「ちょっとドロー、フェードの打ち分けがしにくい感じはしますが、打ち出し方向にドーンとスッ飛んでいく。これはすごいですね」
小口さん「前田さんはヘッドを操作したがる器用さが裏目に出ることもあるので、あえてそれをしにくいことが結果につながる可能性もあります。少し扱いにくさはあっても、競技を考えると我慢して使うのもアリですよ」
『「QWUANTUM TD MAX」で300ヤードを超えるショットを連発!』
その後は「QUANTUMトリプルダイヤモンド」も試し、いいデータが出たが「確かに顔もいいし飛ぶけど、全ショット頑張らないとダメ」(前田さん)というハードさがちょっと引っかかる。
最後再び「QUANTUM TD MAX」に戻し、今度はロフトを立てつつライ角を1度アップライトに変更。ついにこの日最長の323ヤードの飛びが出た。
『ロフト-1度の1度アップライトポジションがハマった!』
前田さん「キャロウェイは、顔の向きが変わらずにカチャカチャできるのがいいですね。つかまりがよくなって、ドローっぽい球が出ますが、少し左に行く感じが出てきました。スピン量1750rpmですごく飛んでいますが、コースではもう少しスピン量があったほうが安心じゃないですか?」
小口さん「前田さんくらいのヘッドスピードがあって、これだけ打ち出し角が確保でいていれば問題ないと思います。シャフトは『ツアーAD FI-7』も試してみるといいかもしれません」
前田さん「でも『スピーダー NX ゴールド』の振り心地もすごく好きで気持ちいい。これはこれでアリだと思います」
『カチャカチャでアジャストしても顔が変わらない点も扱いやすさに寄与』
『キャロウェイは「QUANTUM TD MAX」の9度をロフトマイナス-1度、ライ角1度アップライト。シャフトは「スピーダー NX ゴールド」の70X』
最後はテーラーメイド。まずは「Qi4D」のコアモデル9度に、『ツアーAD FI-7』のXを装着した。
しかしトータル300ヤードに達するも、バックスピン量が2800rpm以上と多すぎたことから、ヘッドを低スピンモデルの「Qi4D LS」の9度にチェンジ。
これでスピンが2000rpm前後に安定し300ヤード超えの強い球が出るが、ときおり大きなミスが出てしまう。
シャフトを「スピーダー NX ゴールド」70Xに換えるなどしてみるが、この傾向は消えなかった。
『「Qi4D LS」はデータ的にはかなり好感触。スピン量がちょうどよかった』
前田さん「小ぶりでキレイな顔ですが、クラウンの白いラインでフェースが真っすぐになるのが、僕にとっては右に飛びそうに見えるんです。難しそうに感じちゃう」
小口さん「構えた顔に反応しちゃってるんですね。前田さんはつかまり顔がお好きなので、そこのバランスは難しい。フェースが少し閉じるようにロフトを増やしましょうか」
『構えた顔とロフトのバランスが前田さんにはしっくりこない』
しかしロフトを増やすとバックスピンが2300~2400rpmまで増え、飛距離が落ちてしまう。
ノーマルロフトのほうが弾道はいいものの、構えた顔の視覚的な印象と結果のバランスが取れない難しさがある。
『弾道はいいが構えた顔に安心感がほしいと前田さん』
前田さん「弾道はすごくいい。平均してしっかり飛んでいますし、キャロウェイよりも少しだけスピンが多いぶん、実戦的というか安定感を感じる飛びです。でもどうしても顔と結果のイメージが一致しません」
小口さん「前田さんは練習量も多いですし、圧倒的に結果がいいなら慣れるまで使うのもアリですが、キャロウェイも飛距離は同じくらい出ていますし、競技を考えたら顔に違和感のないクラブを使うほうが安心ですね」
『テーラーメイドは「Qi4D LS」9度に「スピーダー NX ゴールド」70Xがベストマッチ』
3メーカーの最新ドライバーを打ってみて、印象はどうだったのだろうか。
前田さん「キャロウェイの『QUANTUM TD MAX』はめちゃくちゃ飛んでました! ギリギリのスピン量がコースでどうか心配な部分もあるので、早く実戦で試したいです。ピン『G440 K』は、あの曲がらなさは競技で安心なので、鉛を貼ったりしながらもっと試してみたい。テーラーメイド『Qi4D LS』は顔が難しそうで、そこだけ慣れれば面白そうです」
小口さん「室内での試打結果を、コースに持ち込んでさらにスペックを煮詰めていきたいですね。プレステージはそういったアフターサービスもしっかり行っていますので、シーズンインまで、もうちょっとテストを続けましょう」
前田さん「今日はキャロウェイが一歩リードという感じでしたが、今後の“成長”次第では逆転もあるかも。それより小口さん、こんなに詳細にフィッティングできるなら、アイアンも見ていただけませんか?」
小口さん「よろこんで!」
『前田さんのベストマッチはキャロウェイ「QUANTUM TD MAX」の9度をロフト-1度、ライ角1度アップライト。シャフトは「スピーダー NX ゴールド」の70X』
前田さんのベストマッチはキャロウェイ「QUANTUM TD MAX」とフジクラ「スピーダー NX ゴールド」に決まったが、ゴルファーによってプレースタイル、ショットの悩みやヘッドで重視する好みなどはそれぞれ変わってくる。自分にどのクラブが合っているのか知りたい人や悩みなどがある人はぜひ一度ゴルフ5プレステージにてフィッティングを受けてみてはいかがだろうか。
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【文章・写真】アルペングループマガジン編集部