ドライバーとフェアウェイウッド(以下FW)の間、FWとユーティリティ(以下UT)の間には、容易に埋められない距離と性能、そして使い勝手のギャップが存在してきた。
近年人気を博しているミニドライバーは、このドライバーとFWの間を埋めるクラブとして、ニッチではあるが確実に存在するニーズをくみ取ったクラブと言える。
キャロウェイも、「パラダイム Ai スモーク」「ELYTE」両シリーズでミニドライバーをラインアップしてきており、今年発売された「QUANTUM(クアンタム)」シリーズでもミニドライバーを追加発売することとなった。
しかし「QUANTUM」シリーズではミニドライバーだけにとどまらず、「QUANTUM MINI スピナー フェアウェイウッド」「QUANTUM MINI バフィー フェアウェイウッド」という新カテゴリーのクラブも同時発売し、番手の流れそのものを再設計する提案を試みた。
「QUANTUM MINI スピナー」はFWとUTの中間的な存在だが、一般的なFWよりもヘッドが大きく、クラブが短いのが特徴だが、さらに最大の特徴はキャロウェイ契約の西村優菜プロの要望により生まれたクラブだという。
『「QUANTUM MINI スピナー」。写真は#7(21度)』
昨今のFWの情勢は、しっかりと飛ばすクラブとして低スピン化が促進されてきたが、西村プロの要望は「スピンが入り理想の弾道を打てるFW」だった。しっかりとスピン量を確保し、打ち出しは抑えつつ、重力に逆らうような球の上がり方をするグリーンを狙える弾道を打てるFWこそ西村プロが求めるものだった。そこで、西村プロのスイングデータをAIに取り込んで開発されたのが「QUANTUM MINI スピナー」だ。
『前作「ELYTE」から改良された、「ステップ・ソールデザイン」も採用。ステップの中央が三角形に近い形状で抜けの良さが向上している』
FWよりもスピン量の多い弾道でミドルアイアンのようにグリーンに止まり、ピンをデッドに狙える弾道が打てることを目的としつつ、ドローが打ちやすいつかまりのよさや、UTに劣らない操作性を兼備しておりバランスの良いクラブだ。
ロフト21度の#7、24度の#9、27度の#11の3番手構成で、ヘッドは洋ナシ型。ヘッド体積は#7で142ccと3W(QUANTUM MAX)よりも大きく、長さは#7で41.5インチと9W相当と短めになっている。
『左から#7、#9、#11。3番手のラインアップ。ソール前方には約7gのスクリューウェイトを搭載し、フェースコントロールをしやすい設計に』
#7、#9ではソールにカーボンを、#11は重量の影響を受けにくいステンレススチールを採用し高重心化とスピン性能を強化。ショートウッドでありながら、アイアンのようにラインを出して打つことも可能なクラブだ。
『#7と#9には「カーボンソール」を使用。クラブの高重心化とスピン量増加に寄与する』
「QUANTUM MINI バフィー」は、その名の通り4W(バフィー)相当のロフト17度のクラブだが、ヘッドサイズは3W級の大きさを持ちながら、長さは5Wより短い42.25インチと、長さとヘッドサイズの逆転設計となっているのが大きな特徴。
『「QUANTUM MINI バフィー」』
『4Wの別名称「バフィー」。ミニドライバーの次の番手におすすめのスペック』
大きめのヘッドで構えたときの安心感を演出しつつ、短いシャフトで振りやすさとミート率の高さを担保するという発想だ。
キャロウェイは以前からロフト16.5度の3HLをラインアップしており3Wと5Wの間を埋める4W相当の番手はあるが、「QUANTUM MINI バフィー」は、そことは明らかに用途が異なる。3Wとかぶりがちなミニドライバーの次の番手というポジショニングでミニドライバーユーザーの重要な選択肢になるとともに、FWを苦手としているアマチュアにとっても「当てやすく、やさしいFW」というスペシャルクラブになり得る。
『ロフト角は17度。ホーゼルにはロフト角/ライ角の選択肢が多い「オプティフィット4」が搭載』
機能面では、内部構造に進化した「スピードウェーブ2.0」を搭載しているのがポイント。
トウ・ヒール方向の幅を抑えつつ前後長を拡大し、フェース下部のたわみ量を増加させている。これにより、打点が下にズレた場合でもボールスピードの低下を最小限に抑え、FWが苦手なゴルファーにとっても扱いやすいクラブとなっている。
加えて、AI設計フェースが打点ごとの弾道を最適化。打ち出し角・スピン量・初速をバランスよくコントロールし、安定した飛距離性能につなげている。
『ヘッド内部には「スピードウェーブ2.0」を搭載し、高い打ち出しと安定した飛距離を実現。「ステップ・ソールデザイン」も導入し抜けの良さも向上』
「QUANTUM MINI ドライバー」は、従来のキャロウェイのミニドライバーの流れを継承した正統進化モデル。340ccというミニドライバーとしては大きめのヘッドで、従来のミニドライバーの常識を超える飛距離性能を実現している。
『「QUANTUM MINI ドライバー」。写真は11.5度のロフト角』
その核となるのが、「QUANTUM」シリーズで採用されている新テクノロジー「TRI-FORCE(トライフォース)」フェースだ。チタン・ポリマー・カーボンの三層構造により、従来よりもチタンフェースを薄肉化。これによって反発効率が大きく向上し、ボールスピードの最大化を実現している。
さらに重要なのが、フェースのたわみ方まで設計されている点。
AIによるフェース設計と組み合わされることで、打点がブレてもスピン量の変化を抑え、安定した弾道を維持。ヒールヒットでも吹け上がりにくく、トウヒットでも失速しにくい、ミニドライバーとは思えない安定性を備えている。
『フェースには三層構造の「TRI-FORCE」搭載』
ソール設計も従来モデルから大きく進化。フェアウェイウッドのようにシャープに設計されたリーディングエッジと、「ステップ・ソールデザイン」の組み合わせにより、地面からでもボールを拾いやすい。
ティーショット専用ではなく、パー5のセカンドなど「芝の上から使えるドライバー」として成立している点が大きな特徴だ。
『リーディングエッジ側はシャープな設計で芝からでもボールを拾いやすい』
『「QUANTUM MINI ドライバー」にも「ステップ・ソールデザイン」を採用。ソール前後にはスクリューウェイトを設置し、球が上がりやすくなっている(前:約2g 後ろ:約7g)』
『ロフト角は2種類(左:13.5度 右:11.5度)。ミニドライバーでは初の「オプティフィット4」採用でロフト角とライ角の調整幅が広がっている』
「QUANTUM MINI」シリーズは、それぞれに個性的な性能が付与されているが、それだけにとどまらず3モデルをセットで組み合わせることで、従来とは異なるコンセプトでの番手構成が可能になる。
多くのアマチュアにありがちな「ドライバー、3、5W&UT」というような、慣例に従っただけの「なんとなく」の組み合わせを脱し、各番手に明確な役割を持ったセッティングへと進化する。
ゴルフ5各店舗には試打クラブが入荷しているので、組み合わせまで考慮して試打をしていただけると、新たな発見があるかもしれない。
<QUANTUM MINIシリーズ詳細はこちら>
https://store.alpen-group.jp/golf5/campaign/detail.php?id=10770
【文章・写真】アルペングループマガジン編集部