バスケットボールの試合に勝つには、相手チームよりも多く得点を決める必要があります。得点を決めるために欠かせないのが、チーム全体で取り組む攻撃の戦術です。
さまざまな戦術があるものの、使い方によっては試合の流れを大きく変えられる「アイソレーション」は、特に重要な戦術のひとつといえるでしょう。
ここでは、バスケットボール初心者の方に向けて、バスケにおけるアイソレーションの基礎知識をご紹介します。
【目次】
■バスケのアイソレーションとは?
■アイソレーションに求められる能力
・1対1をする選手
・周りの選手の動き方
■アイソレーションのメリット・デメリット
・得点力のある選手を生かしやすい
・時間を使いやすい
・チームの動きが停滞しやすい
・ディフェンスに対応されやすい
■チーム全体の戦術として考えることが大事
■バスケのアイソレーションとは?

アイソレーション(Isolation)は、分離や独立といった意味を持つ英語です。バスケットボールにおいては、得点能力の高いプレーヤーに1対1(ワンオンワン)をさせるために、他の選手がスペースを作る攻撃の戦術を指してアイソレーションと呼びます。
例えば、右サイドの選手に1対1を仕掛けてもらいたい場合、オフェンスチームの他の4人はコートの左サイド側に移動して、ディフェンスチームの選手を引きつけることで右サイドにスペースを作ります。
チーム内に1対1が得意な選手がいる場合や、相手ディフェンスと実力や体格などで大きな差がある場合、確実に得点を決めたい場合などに使われる戦術です。
■アイソレーションに求められる能力

具体的に、アイソレーションを戦術として取り入れるには、選手にどのような能力が求められるのでしょうか。アイソレーションで選手に求められる能力や、各選手の動き方のコツとしては、次の点が挙げられます。
・1対1をする選手
アイソレーションは、1対1に強く、決定力や得点力、突破力に優れる選手が行うのが基本です。相手ディフェンスと身長やスピードなどに大きな差があり、両者の間にミスマッチの状況が生まれやすいシーンでも有効活用できます。
とはいえ、毎回アイソレーションで1対1を狙うと、相手ディフェンスに攻撃を読まれてしまう可能性が増します。攻撃のパターンを読みにくくするために、精度の高いパスを出せる選手が1対1を行うと、さらに効果的です。
選手がプレーするエリアは、3ポイントラインの中央やラインの左右45度付近となることが多いです。
一方で、コーナー付近は1対1の状況を作れたとしても、プレーできる範囲が狭くなりやすいため、使われることは少ない傾向にあります。
・周りの選手の動き方
アイソレーションは、コート上の1人に1対1を仕掛けてもらう戦術です。他の4人がその場にとどまっているだけだと、相手のディフェンスはボールを持っている1人に注力すれば攻撃を防げてしまうでしょう。
実際にボールを持って攻める選手だけでなく、周囲の選手の動き方も重要です。
ボール保持者から見て、コートの反対側にポジショニングしたうえで、常に動いて相手ディフェンスをかく乱することを心がけましょう。
常にパスを受けられる場所にポジショニングすることで、攻撃を流動的に続けやすくなります。
■アイソレーションのメリット・デメリット
得点を狙いやすいとはいえ、アイソレーションは万全の戦術ではありません。有効活用するには、メリット・デメリットを踏まえてタイミングを計ることが大切です。
アイソレーションの主なメリット・デメリットとしては、以下の4点が挙げられます。
・得点力のある選手を生かしやすい
アイソレーションの最大のメリットは、得点力に優れる選手にボールを託す機会を増やせることです。シュートが上手な選手や、その試合で調子が良い選手に積極的にボールを預けて攻撃してもらうことで、得点効率を高められます。
また、アイソレーションは1対1で勝ってシュートを決めるだけという、非常にシンプルな戦術です。ボールを持っていない選手の動きが複雑になりにくく、初心者が多いチームでも比較的簡単に取り入れることができます。
・時間を使いやすい
時間を使いやすい点も、アイソレーションのメリットのひとつです。アイソレーションを採用する際は、オフェンス側の選手がディフェンス側の選手よりも、技術や体格、スピードといった何らかの面で優っているケースが多くなります。
オフェンス側は無理に攻めたり、ミスをしたりしなければ、比較的ボールを保持しやすい状況ということです。
試合終盤で勝っている時に、24秒を使い切って自チームの攻撃を終わらせるなど、確実に得点を狙いながらゲームクロックを進めて、相手のチャンスを減らすといった使い方も考えられます。
・チームの動きが停滞しやすい
さまざまなメリットのあるアイソレーションですが、デメリットが全くないわけではありません。効率的に得点を狙える一方で、決定力のある選手にボールが集中することで、他の選手は動きが止まりやすくなってしまいます。シュートを狙ってくる選手が1人しかいない場合、ディフェンスチームはその選手だけを集中的にマークをするはずです。
チーム全体でボールを動かせなくなった結果、得点効率がかえって落ちてしまう可能性がある点は、アイソレーションのデメリットといえます。
1対1を行う選手は、やみくもにドライブやシュートを仕掛けるのではなく、他の選手に正確なパスを出すこともポイントです。他の選手へのパスも織り交ぜることで、相手ディフェンスは的を絞りにくくなります。
他の選手も、1対1を行っている味方をただ見るのではなく、パスをもらえる位置にポジショニングすることを心がけましょう。
また、特定の選手に攻撃を任せっぱなしにしていると、チーム全体の力を底上げすることができません。アイソレーションだけに頼るのではなく、チーム全体で基本的なパスやシュートの技術を磨くことが大切です。
・ディフェンスに対応されやすい
複雑な動きがないというメリットがある一方で、アイソレーションは1対1で攻め方が単調になりやすい戦術でもあります。有利な状況を作りやすい反面、ディフェンスに対応されやすい点もアイソレーションのデメリットです。
ダブルチームを仕掛けてボール保持者を徹底的にマークする、ドライブに対応できる位置にヘルプディフェンスを配置するといった対策を取られると、オフェンスチームはかえって不利な状況に陥ってしまいます。
多用すると相手が対策を取ってきて効果が薄れてしまうため、ここぞというシーンで使用しましょう。
また、1対1の状況を作って突破力のある選手に攻めてもらうという性質上、各選手がそれぞれの担当エリアを守る「ゾーンディフェンス」相手だと、アイソレーションは効果を発揮しません。
■チーム全体の戦術として考えることが大事
アイソレーションは、基本的には1人がボールを持ってプレーする戦術です。とはいえ、他の4人が何もしないでいると、効果的な攻撃にはなりません。
パスを受けられる位置に動くなど、チーム全体で相手ディフェンスをかく乱することが重要です。
また、最終的にアイソレーションが決まるかどうかを左右するのはシュートやドリブル、パスといったプレーの精度の高さです。日々の練習で、技術を磨くことを心がけましょう。
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【文章】アルペングループマガジン編集部