富山グラウジーズ 水戸健史が語る、バッシュ選びと私服スタイルのこだわり/フランチャイズプレイヤーが語るB.LEAGUEの10年 vol.02

Bリーグは10シーズン目という大きな節目を迎える。本連載ではその中で2016年の開幕からただ一つのクラブに所属し続ける、数少ない選手たちに話を聞く。第2回は富山グラウジーズの水戸健史選手へのインタビューを紹介する(全5回)。

 

※こちらの記事はB.LEAGUE×Alpenのコラボ特集記事となります。

 

富山のベテランガード・水戸健史。派手なプレーや過度な演出ではなく、“地に足のついたスタイル”を貫く彼の姿勢には、一貫した哲学がある。

 

「軽さ重視」「シンプルな装い」「一つの連携にこだわるプレー」―その言葉の奥には、選手としての経験、リアリティ、そして今も続く成長への意欲が滲んでいた。

 

バッシュ、ウェア、ライフスタイル。水戸選手が語る“プレーに向き合う準備”と、“これからの理想像”に迫る。

 


■「足でプレーする感覚を大事にしたい」バッシュ選びの美学

 

──履いているバッシュについて、何かこだわりはありますか?

 

 

僕は何より“軽さ”を重視しています。クッション性が高いバッシュも試しましたが、厚底すぎると地面の感覚が遠くなり、自分の足で走っている実感が薄れてしまうんです。だからこそ、しっかりと地面を“踏める”軽量タイプを選びます。

 

足裏で地面をダイレクトに感じられることで、走りのリズムが整い、プレー中も調子が上がるんです。

 

──そのスタイルは、いつ頃から?

 

高校生のころからですね。あの頃から「シンプルで軽いバッシュが一番しっくりくる」と思っていて、ペラペラなくらいの軽量バッシュばかり選んでいました。その頃の感覚が、今も変わらず続いています。


──シーズン中は、どのくらいのペースでバッシュを替えているんですか?

 

 

同じモデルを使い続けることが多いです。ペースとしては、月に1足か、1ヶ月半に1足くらい。新しいバッシュをいきなり試合で履くことはせず、慣れたバッシュとバランスをとりながら、徐々に慣らしていくようにしています。

 

──今日履いているのも黒系ですね。カラーのこだわりは?

 

基本は黒系が多いですね。シンプルなのでどんなウェアにも合わせやすいし、試合中も気持ちが落ち着くというか。派手さよりも、安定感を大事にしています。

 

──Bリーグが始まってから、選手の足元に“派手さ”や“デザイン性”が増した印象がありますが、どう感じていますか?

 

確かに最近はデザイン重視の傾向が強くなってきたと思います。各メーカーからも派手なデザインのモデルが多く出ていますし、見た目を気にする選手も増えていますよね。

 

でも僕自身は、まず軽さやフィット感、自分のプレースタイルに合うかどうかを一番に考えます。いくらカッコよくても、履いていて違和感があれば意味がないので。

 

ただ、選手それぞれに「このモデルなら安心して履ける」っていうのが決まってきていて、だいたい2種類くらいに絞って使っている選手が多いんじゃないかなと思います。

 

──ご自身は、ずっと同じモデルを?

 

はい、昔から愛用しているモデルをずっと履き続けています。例えばアシックスなんかは、昔はシンプルなイメージでしたけど、今はデザインも機能も進化していて、選択肢も増えましたよね。

 

──チームメイト同士で、バッシュの話をすることはありますか?

 

 

あんまりガッツリ話すことはないですね(笑)。でも「あ、今日は違うバッシュ履いているね」みたいな軽い会話はよくあります。バッシュを頻繁に替える選手もいれば、僕みたいに同じモデルを履き続ける選手もいるので、そこにも個性が出ますよね。

 

結局、今はデザインも豊富になったことで、足元から“その選手らしさ”が見えるようになってきたのかなって思います。

 

 

■「履いた瞬間の“感覚”を信じて」―バッシュ選びの極意と原点

 

──もし水戸選手がスポーツショップの店員だったとして、バッシュ選びで学生たちにアドバイスするとしたら、どんなことを伝えますか?

 

 

まず、プレースタイルやポジションによってバッシュの選び方は変わってきます。でも、共通して大事なのは「実際に履いて、動いてみること」ですね。

 

その場でジャンプしてみたり、踏み込んでみたりして、“踏ん張りが効くか”とか、“足の運びが自然か”を自分の感覚で確かめてほしいです。履いてみないと分からない感覚って絶対あるので。

 

逆に、ちょっとでも「合わないな」と感じたら、その感覚を信じて、無理に選ばない方がいい。自分に合うバッシュを、感覚で消去法的に選んでいくのがいいと思います。

 

──スポーツショップにまつわる思い出ってありますか?

 

それこそ富山にあるアルペン 高岡店、よく行っていました。特にバスケットボールコーナーにユニフォームが飾ってあって、当時は誰のものかも分からなかったけど、「かっこいいなあ」とずっと眺めていました。

 

まだバスケを始めたばかりの頃だったので、ショップ自体がちょっとした“憧れの場所”だったんですよね。あのときの感覚は、今でも覚えています。

 


■「ウェアにも“時代”が映る」―進化するバスケスタイル

 

──つづいてはウェアについて。近年、バスケットボールウェアのテクノロジーの進化を感じることはありますか?

 

 

確実に進化していると思います。特に速乾性や着心地の向上は大きいですよね。昔に比べて、肌触りがすごく良くなった印象があります。

 

ただ、試合中も練習中も汗でびしょびしょになるので、「乾きやすさ」を気にするというよりは、汗をかいたらすぐ着替えるというスタイル。だから速乾機能よりも「着替える回数」で対応している感じです(笑)。

 

──機能面以外で、進化を感じる部分は?

 

 

最近だと、パンツにポケットが付いているモデルが出てきていて、それは本当にありがたいですね。以前はなかった機能なので、ちょっとした変化だけどすごく便利です。

 

あと気にしているのはサイズ感。昔のNBAって、アイバーソンの時代とかはダボッとしたスタイルが主流でしたよね。でも今はタイトでスタイリッシュなシルエットに変わってきていて、時代の流れがウェアにも表れていると感じます。

 

──バスケットボールウェアはファッション性もありますよね。

 

そうですね。各メーカーが出すデザインやシルエットにも“トレンド”があって、それを見ているだけでも面白い。バスケのウェアって、機能とファッションが絶妙にリンクしていると思うんです。

 

ウェアのデザインを見れば「この時代っぽいな」って感じられるのは、バスケならではかもしれませんね。

 

 

■「白と黒があればいい」―“抜かないおしゃれ”の美学

 

──水戸選手は、普段コートの外ではどんな私服スタイルを好んでいますか?

 


基本はモノトーンですね。黒のパンツに白Tシャツ、本当にそれだけです。30代半ばを過ぎてから、柄やロゴ入りの服はあまり選ばなくなりました。無地の白Tに、すっきりとした黒パンツ。それが僕の“定番”です。

 

──そのスタイルが、ご自身にとって“自分らしい”と?

 

 

「おしゃれに見せたい」というよりは、どこにでも行ける安心感が大きいです。たとえば会食やスポンサーさんとの集まりがあっても、このスタイルなら変に浮かない。

 

「今日は意外とちゃんとした場だったな…」と思っても、黒パンツに白T、それにシンプルなジャケットさえあれば問題ないんです。

 

──冬場などは、どんなアウターを合わせるんですか?

 

冬場は黒の軽めのアウターを合わせます。コートほど重くはなく、ちょっと羽織れるくらいのジャケットタイプを1枚持っていれば、十分対応できるんです。

 

──スニーカーにもこだわりはありますか?

 

黒スニーカーが多いですね。服が黒と白だけなので、足元もシンプルにしておけばどんな組み合わせでもまとまるんです。服選びに悩まなくて済むのも、このスタイルのいいところです。

 

 

■「一つの連携がハマる瞬間。それだけで続ける意味がある」

 

──これからのキャリアについて、選手として描いている理想や意気込みを教えてください。

 

 

できれば40歳くらいまで現役を続けたいという思いはあります。でも、年齢を重ねるなかで毎年必ず契約がもらえるとは限らない、という現実も感じています。

 

だからこそ今は、一試合一試合にしっかり準備をして臨むこと。その積み重ねを大事にしています。試合に出たときは、チームのために全力でプレーする。そのための準備は、これまで通り手を抜かずにやっていきたいと思っています。

 

──水戸選手にとって、バスケで一番気持ちいい瞬間はどんなときですか?

 

 

実は勝ち負けや試合・練習の区別って、僕にとってはそこまで重要じゃないんです。それよりも、狙っていたプレーが“チーム全体の連携”でバチッとハマった瞬間、それが一番気持ちいいんです。

 

たった一つのプレーでも、事前に話し合って準備していた動きが、5人全員でイメージ通りに実現したときは、「ああ、これのために練習しているんだな」って思える。あの感覚があるから、続けたいって思えるんです。

 


本編はB.LEAGUE公式Webマガジンにて
水戸健史 フランチャイズプレイヤーが語るB.LEAGUEの10年 vol.2「地元に残り続ける理由とファンへの感謝、そして北陸の象徴として描く富山グラウジーズの未来像」
https://www.bleague.jp/bmagazine/detail/id=542600

 

遠藤祐亮 フランチャイズプレイヤーが語るB.LEAGUEの10年 vol.1「育成契約からキャリアをスタート“BREX NATION”と一緒に歩んだBリーグ10年」
https://www.bleague.jp/bmagazine/detail/id=541816

 

【写真】長田慶
【文章】池田鉄平

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