近年のバスケットボールで重要な概念になっているのが「ゼロステップ」です。プレーの解像度が大きく変わるため、自分が実際にプレーする際はもちろん、試合観戦の際にも知っておきたいルールといえます。
しかし、バスケットボール初心者は、ゼロステップがどのような概念か理解しにくいかもしれません。ここでは、バスケットボールのゼロステップの仕組みやルール、ゼロステップを活用したテクニックをご紹介します。
【目次】
■ゼロステップ理解に欠かせない2つの概念
・トラベリング
・ギャザー
■ゼロステップの基本ルール
■ゼロステップを使ったテクニック
・ユーロステップ
・ギャロップステップ
・ステップバックシュート
■さまざまな技術に応用できるゼロステップ
■ゼロステップ理解に欠かせない2つの概念

ゼロステップの概要を理解するには、「トラベリング」と「ギャザー」という2つの概念を理解しておく必要があります。
それぞれの概要は、以下のとおりです。
・トラベリング
トラベリングとは、ボールを持った状態で3歩以上歩いてはいけないというバスケットボールの基本ルールのひとつです。
ただし、厳密には3歩以上歩いたらトラベリングとなるわけではありません。具体的には、次の行為を犯すとトラベリングになります。
【トラベリングの要件】
・ピボットフット(軸足)がズレた
・ピボットフット(軸足)が地面から離れて再度着地した
つまり、軸足がズレたり、離れた後に着地したりすることで、結果として3歩以上歩いたとみなされて反則を取られるということです。
・ギャザー
バスケットボールにおけるギャザーとは、ある選手がボールを保持・コントロールした瞬間のことです。ここでいうコントロールとは、ボールの持ち手を変えたり、パス・シュートをしたりできるレベルでボールを確保した状態を指します。
具体的には、次のようなシーンはギャザーです。
【ギャザーの例】
・味方からのパスやルーズボールをコントロールできた
・ドリブル前後で、ボールを十分にコントロールできた
・ボールを両手で保持した
・ボールを持つ手を変えたタイミング など
現行のルールでは、このギャザーの瞬間に着地した場合は0歩目で、次のステップが1歩目としてカウントされます。
ただし、ギャザー直後に両足で着地した場合は1歩目とカウントする点に注意が必要です。
■ゼロステップの基本ルール
ゼロステップは、ボールを保持した瞬間(ギャザー)を0歩目として考え、ステップとしてはカウントしないルールのことです。日本のバスケットボール界では2018年から導入されています。
それまでのルールでは、ボールを保持した瞬間が1歩目のステップとしてカウントされていました。
ルール改定によって、ギャザーが0歩目としてみなされるようになり、より幅広い戦術が可能になったのです。
特に、トップスピードでパスを受け取りながらステップを踏むことが多い速攻のシーンでは、ゼロステップを活用すればスムーズにゴールを目指せます。パスキャッチの際にあえて片足を残すなど、意図的にゼロステップを生み出すことができれば、実戦でさまざまなテクニックにつなげられるでしょう。
ただし、空中でボールをキャッチした後の1歩目はゼロステップには該当せず、1歩目としてカウントされる点には注意が必要です。
■ゼロステップを使ったテクニック

ボール保持の瞬間のステップを0歩目としてカウントできるゼロステップは、使いこなせればさまざまなテクニックに応用できます。
ゼロステップを活用したテクニックを3つご紹介するので、練習や試合観戦の参考にしてみてはいかがでしょうか。
・ユーロステップ
ドリブルした後に、ジグザグに2ステップしてからレイアップシュートを打つプレーがユーロステップです。ドリブル直後の1歩目をフェイントに使うことで、ディフェンスをかわしやすくなります。
ユーロステップ自体は、ゼロステップルールの導入前から審判に黙認されていたプレーでした。
しかし、ゼロステップがルールとして明文化されたことで、使いやすくなったという経緯があります。
ユーロステップを決めるポイントは、大きくステップを踏んだり、フェイントを織り交ぜたりして、相手をしっかりと惑わせることです。
ユーロステップを行う目的はステップを上手に踏むことではなく、相手をかわしてシュートを打つことにあります。相手ディフェンスに「この選手はこの方向に向かうはず」と思わせることを心がけましょう。
・ギャロップステップ
片足でジャンプをしてから両足で着地して、そのままレイアップシュートを行うのがギャロップステップです。ユーロステップとは異なり、上にジャンプしながら相手ディフェンスをかわします。
ゼロステップ導入後は、着地した両足が1歩目としてカウントされるので、1歩多く踏み込めるようになりました。着地後にもう一度両足でジャンプしながらシュートするため、シュート時のバランスを取りやすくなります。
片足をしっかりとコートにつけた状態でボールを受け取るのが、ギャロップステップのポイントです。通常のステップとは異なるので、日頃から練習を行いギャロップステップ独特のリズムやボールの受け取り方に慣れておきましょう。
両足で着地後に再度両足でジャンプして、シュートを放つところまで練習しておくと、得点力を高められます。
・ステップバックシュート
ステップバックシュートは、ゴールとは逆方向(後ろ)にステップを踏んでディフェンスをかわすプレーです。相手との間合いを取ってブロックを避けながらシュートを打てるため、身長が高いディフェンスが相手でもシュートを決めやすくなります。
ゼロステップ導入後は、さらにディフェンスとの距離を取りやすくなりました。
相手との距離を広げることが目的なので、ドリブルでしっかりと相手を押し込んでから後ろに下がることを心がけましょう。ドリブルで素早く切り込んでから一気に減速して後ろに下がると、相手の反応を遅らせられます。
また、ステップバックを踏んだ後に立ち止まってしまうと、相手に一気に距離を詰められる恐れがあります。ステップバックしたらすぐにシュートを打ったり、パスを出したりすることも大切です。
■さまざまな技術に応用できるゼロステップ
ゼロステップの導入で、ボールを保持した瞬間のステップは0歩目としてカウントされるようになりました。それによって、従来はトラベリングとなる恐れのあったプレーがしやすくなるなど、バスケットボールのテクニックの幅は広がっています。
一見するとわかりにくいかもしれませんが、「ボールを保持した瞬間に片足で着地すると1歩目としてカウントされない」と覚えておきましょう。
ゼロステップの概念は、プレーはもちろん、試合観戦を楽しむうえでも欠かせないものです。ご紹介した内容を参考に、バスケットボールをさらに楽しみましょう。
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【文章】アルペングループマガジン編集部