【2025年の日本マラソン界を総括】女子は世界陸上で小林香菜が7位入賞!!男子は大迫傑が12月に日本記録を更新!!

(上記写真:世界陸上女子マラソンで7位入賞の小林香菜)

 

2025年の日本マラソン界で、まず触れるべきは東京2025世界陸上だろう。世界各国のトップアスリートが、34年ぶりに東京に集結した。

 

大会2日目の9月14日に行なわれた女子マラソンには、安藤友香(しまむら)、小林香菜(大塚製薬)、佐藤早也伽(積水化学)の3人が出場した。安藤は17年のロンドン大会以来2度目の出場で、佐藤は23年のブダペスト大会に続いての出場となる。小林は初出場だ。

 

国立競技場を発着点とするコースは、24年パリ五輪の代表選考会となった『マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)』と重なる部分が多い。コースと日本の暑さを知ることは、彼女たちが持つアドバンテージだ。19年大会以来となる入賞、さらには13年の福士加代子さん以来となるメダル獲得も期待された。

 

暑熱対策で8時から7時半へ繰り上げスタートとなったレースは、小林が1キロ過ぎに先頭集団の前へ飛び出す。3キロ付近で集団に吸収されるものの、小林と安藤はトップ集団を形成していく。

 

20キロ通過時点で、小林は先頭と20秒差の4位につける。安藤は1分半近くの遅れで22位、佐藤は29位だ。

 

小林は一時10位まで順位を下げるが、35キロ付近で入賞圏内の8位まで盛り返す。37キロ付近では前方の選手が足を止め、7位へ順位を上げる。37キロ付近から40キロ付近まで続く上り坂も、沿道の声援を受けて踏ん張った。そのまま7位で国立競技場へ戻り、2時間28分50秒の7位でフィニッシュした。

 

24歳の小林は、早稲田大学の『ホノルルマラソン完走会』というランニングサークルの出身だ。所属する大塚製薬には自ら売り込みへ行き、入部を勝ち取ったという異色の経歴の持ち主である。

 

レース後のフラッシュインタビューでは、喜びの涙をこぼしながら瑞々しい思いを明かした。

 

「今日のレースに出た選手のなかで、自分は(サークル在籍当時から)誰よりもこのコースを走っています。本当にたくさんの方が声をかけてくださったので、これは頑張るしかないなと思って、絶対に8位に入ろうと思って粘りました」

 

佐藤は2時間31分15秒で13位、安藤は2時間35分37秒で28位だった。73人が出場したレースは暑さとの厳しい戦いであり、入賞を逃したふたりの走りも評価されるべきだろう。

 

また、優勝は2時間24分43秒のペレス・ジェプチルチル(ケニア)だった。

 

 

世界陸上男子マラソンでは、近藤亮太が激走を演じた 

 

 

男子は大会3日目の15日7時半に、号砲が鳴り響いた。日本代表は小山直城(Honda)、近藤亮太(三菱重工)、吉田祐也(GMOインターネットグループ)の3人だ。

 

小山は24年のパリ五輪で、23位に終わった悔しさをぶつける。近藤は2月の大阪マラソンで、初マラソン日本最高記録の2時間5分39秒を叩き出した。吉田は24年12月の福岡国際マラソンで、当時日本歴代3位の2時間5分16秒の好タイムを残している。3選手とも箱根駅伝の経験者で、世界選手権は初めての出場となる。

 

暑さの影響を受けるレースは、互いをけん制し合うスローペースで進んでいく。15キロ地点を前回金メダルのビクター・キプランガット(ウガンダ)がトップで通過すると、吉田は2秒差、小山は3秒差、近藤は4秒差で続く。僅差のタイムでも近藤は42位で、縦長の大きな集団が形成されている。

 

その後も、集団はばらけない。中間点をキプランガットが先頭で通過すると、日本の3選手も先頭集団のなかに見つけることができる。しかし25キロの手前で、吉田がやや遅れてしまう。
 

30キロ手前で、小山が集団からじわじわとおいていかれる。一方で、30キロ地点でも24人が集団を形成し、35キロ地点では16人がトップから10秒以内でレースを進めている。一度は先頭集団から離されそうになった近藤も、食らいついている。

 

37キロから勝負の上り坂に入る。先頭集団は10数人だ。40キロを過ぎても5人が同タイムで通過し、8人が10秒以内でひしめく大混戦のまま、勝負は国立競技場のトラックまでもつれる。アルフォンス・フェリックス・シンブ(タンザニア)とアマナル・ペトロス(ドイツ)が同着し、写真判定でシンブが金メダルとなった。

 

近藤も最後まで気持ちのこもった走りを見せ、2時間10分53秒の11位でフィニッシュした。入賞圏内の8位とは、19秒差である。有力選手が次々とリタイアしたサバイバルレースで、2度目のマラソンに挑んだ26歳(レース当時は25歳)が沿道のファンを沸かせたのだった。

 

レース後の近藤は、「あとちょっとだったなという悔しさと、やりきったという達成感の半々です」と、率直な思いを明かした。表情にはうっすらと充実感がにじむ。

 

「まだ世界との力の差はありますが、入賞やメダルが狙える位置でレースができたことや、万全の状態でスタートラインに立てたことは自信になりました。最後まで耐え抜いて、自分に勝つことはできました」と、さらなる成長への意欲を口にした。

 

小山は2時間13分42秒で23位、吉田は2時間16分58秒で34位だった。スタートラインに立った88人のうち、実に22人が途中棄権する過酷なレースで、ふたりも粘りの走りを見せたと言える。

 

 

大迫傑が12月に日本記録を更新(写真は23年のMGC)

 

 

国内ではすでに、28年ロサンゼルス五輪への競争が始まっている。代表選考会となる27年秋開催予定のMGC出場権を巡って、国内外のレースで選手たちはしのぎを削っているのだ。12月の防府読売マラソン、福岡国際マラソンで、男女ともに出場権を獲得する選手も出ている。

海外のレースで、MGC出場権を獲得した選手もいる。

 

大迫傑だ。

 

12月7日に開催されたバレンシアマラソン(スペイン)で、2時間4分55秒で4位に食い込んだのだ。この記録は鈴木健吾(フリー)のタイムを1秒上回り、日本最高である。大迫がマラソンの日本記録を更新するのは18年、20年に続いて自身3度目だ。

 

自身2度目の五輪出場となった24年8月のパリ大会から、トップレベルのレースには出場していなかった。マラソン出場も24年12月以来1年ぶりだったが、20年に残した自己記録を一気に30秒以上も縮めている。34歳の実力者が、改めて存在感を示したのだった。

 

26年度もMGC出場につながる大会が行なわれ、同年9月開幕のアジア競技大会の選手選考も進められる。マラソンシーズンが本格化する今冬のレースでも、選手たちの奮闘が期待される。
 

 

【文章】戸塚啓
【写真】岸本勉/PICSPORT

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