スポーツのスキル向上を目指す際は、そのスポーツで使用する筋肉を鍛えておく必要があります。野球は投げたり打ったり走ったりと全身をまんべんなく使うスポーツですが、具体的にどの部分の筋肉を鍛えれば良いのでしょうか。
ここでは、野球選手に必要な筋肉と、筋力強化の一環で取り入れたい筋トレメニューの一例をご紹介します。
【目次】
■野球選手に必要な筋肉とは
・打つ動作で使われる筋肉
・投げる動作で使われる筋肉
■上半身の筋肉のトレーニング方法
・エクスターナルローテーション
・インターナルローテーション
・ツイストクランチ
・ワンハンドローイング
・プッシュアップ(腕立て伏せ)
・リストカール
■下半身の筋肉のトレーニング方法
・スクワット
・ヒップリフト
・サイドランジ
■食事でしっかりと栄養を摂ることも大切
■筋肉を鍛えて野球のスキル向上を目指そう
■野球選手に必要な筋肉とは

野球は走る、ボールを打つ、投げるなど、全身の筋肉を使ってさまざまな動きを行うスポーツです。体を動かしづらくなる恐れがあるため、ボディービルダーのような体を目指す必要はないものの、全身の筋肉を適度に鍛えておくことは大切です。
まずは、野球で特に重要な打つ動作と投げる動作の2つを中心に、どのような筋肉が使われているのかを確認しておきましょう。
・打つ動作で使われる筋肉
ボールを打つ際は、下半身、腹筋をはじめとした体幹、上半身を連動させることで、バットを振り抜いています。バッティングには全身の筋肉がバランス良く必要になるので、筋力強化のトレーニングもまんべんなく行うことが大切です。
その中でも特に、ローテーターカフという肩周りのインナーマッスルや、胸部の大胸筋、背中にある広背筋や僧帽筋、お腹の腹斜筋、下半身の大殿筋や大腿四頭筋といった筋肉を重点的に鍛える必要があります。
・投げる動作で使われる筋肉
投球や送球などの投げる動作では、肩甲骨回りをはじめとした上半身だけでなく、踏み込みやスムーズな体重移動を行うために下半身の筋肉も使います。
主に必要な筋肉として挙げられるのは、ローテーターカフや腹斜筋、大腿四頭筋などです。
ローテーターカフは投球時の肩や肘のひねりの動作、腹斜筋は腹部をひねる際の動作、大腿四頭筋は踏み込みに使われます。体重移動がスムーズなきれいな投球フォームを作るためには、下半身の筋トレをしっかりと行うことが重要です。
■上半身の筋肉のトレーニング方法

ここからは、体を上半身と下半身に分けて、具体的にどのようなトレーニングを行えば良いのかをご紹介します。野球で特に鍛えておきたい上半身の筋肉は、ローテーターカフや大胸筋、広背筋、僧帽筋、腹斜筋の5つです。
・エクスターナルローテーション
体を固定した状態で腕を外側に開くトレーニングです。肩回りの筋肉を鍛えられ、球速アップやバッティング時の飛距離アップなどが期待できます。
【エクスターナルローテーションのやり方】
1.膝を曲げて体が倒れないように安定させながら、マットなどに横向きに寝転ぶ
2.上側の手(右向きに寝転んだ場合は左手)でダンベルを握る
3.肘を起点にして、前腕を開くようにダンベルを持ち上げる
4.前腕が床に対して垂直になるまで持ち上げ、ゆっくりと下げる
エクスターナルローテーションは、ダンベルではなくチューブを使えば立ったままでも行えます。ダンベルを使うよりも怪我のリスクが低いので、チューブを持っている方はこちらの方法がおすすめです。
【チューブを使ったやり方】
1.チューブを柱に引っ掛けるか、片方の手でチューブの端を握って腰に押し付ける
2.動かす方の手の肘を90度に曲げ、手の甲を地面に向けてチューブを握る
3.肘を固定したまま、チューブを握った手をゆっくり外側に動かしていく
左右それぞれ10回を1セットとし、3セットを目安に行いましょう。
・インターナルローテーション
エクスターナルローテーションとは逆に、腕を内側に引き寄せる動作を行うトレーニングです。2つをセットで行えば、肩回りの筋肉をバランス良く鍛えることができます。
【インターナルローテーションのやり方】
1.膝を曲げて体が倒れないように安定させながら、マットなどに横向きに寝転ぶ
2.下側の手(右向きに寝転んだ場合は右手)でダンベルを握る
3.肘を起点にして、ダンベルを体側に持ち上げる
4.前腕が床に対して垂直になるまで持ち上げ、ゆっくりと下げる
・ツイストクランチ
腹筋トレーニングであるクランチの一種です。通常のクランチにひねりの動作を加えることで、腹直筋だけでなく腹斜筋も鍛えられ、バッティング力の向上が期待できます。
【ツイストクランチのやり方】
1.マットなどに仰向けになり、膝を90度に曲げる
2.両手を耳の横か頭の後ろに添えて、足のつま先側を上げる
3.右膝と左肘を引き付けるように上半身をひねりながら起こし、姿勢をキープする
4.ゆっくりと元の姿勢に戻る
5.元の姿勢に戻ったら、反対側の足と肘をつけるように上半身と足を持ち上げる
・ワンハンドローイング
ダンベルを持ち上げる動作を繰り返し、背中の広背筋や僧帽筋、肩回りの三角筋などを鍛えるトレーニングです。腕を閉じたり引っ張ったりする役割を持つ背中の筋肉を鍛えることで、バッティングの飛距離アップにつながります。
また、肩回りの柔軟性を高めておくと怪我予防につながるので、ストレッチも一緒に行うと効果的です。
【ワンハンドローイングのやり方】
1.右手でダンベルを持つ
2.左手と、左足の膝からすねまでをベンチ台などに乗せる
3.背中は地面と平行になるようにまっすぐ前に倒し、ダンベルを持った手は床に向けて降ろす
4.上腕が地面と平行になるまで、ダンベルをゆっくりと上げる
5.ゆっくりとダンベルを下げる
慣れてきたら、ダンベルを引き上げた後に少し止める動作を組み込むことで、負荷を高められます。
懸垂(チンニング)が行える場所や器具がある場合は、懸垂を行うのもおすすめです。懸垂の際は、腕の力ではなく背中の筋肉で体を持ち上げることを意識して行いましょう。
・プッシュアップ(腕立て伏せ)
プッシュアップ(腕立て伏せ)は、大胸筋や上腕の下側(二の腕)にある上腕三頭筋などを鍛えられるトレーニングです。大胸筋は腕を前に振り出す役割を持つ筋肉で、投げる動作や打つ動作に使われます。
ピッチャーが大胸筋を鍛えすぎると肩を怪我しやすくなるとされているので、主にバッティング向上のために鍛えたい筋肉です。
【プッシュアップのやり方】
1.腕を肩幅より少し広めに開き、手のひらを床につく
2.足を伸ばしてつま先を地面につけ、手のひらとつま先で体を浮かせる
3.体を真っすぐに伸ばした状態で、肘を曲げて体を降ろす
4.胸が地面に着くくらいまで体を下げたら、ゆっくりと肘を伸ばして体を持ち上げる
回数をこなすのではなく、正しいフォームでゆっくりと丁寧に行うのがコツです。より大胸筋への負荷を高めたい方は、手の幅を少し広げて行いましょう。
・リストカール
野球はバッティングや投球などにおいて、手首を使うことが多いです。パフォーマンスを高めるためには、リストカールで手首周りも強化しておく必要があります。
【リストカールのやり方】
1.台などに腕を乗せてダンベルを握る
2.手首だけを動かすように、ゆっくりとダンベルを上げ下げする
負荷が高すぎると手首を傷める可能性があります。軽いダンベルを使って、ゆっくりと動かすのがポイントです。
■下半身の筋肉のトレーニング方法

下半身において重要なのは、大殿筋や大腿四頭筋といった筋肉です。これらの筋肉を鍛えるために取り入れたいトレーニングメニューの一例をご紹介します。
・スクワット
太ももやお尻といった下半身を中心に、腹部や背中にも効果がある全身トレーニングがスクワットです。バッティングやピッチング、走る際の瞬発力向上など、さまざまな効果が見込めます。
【スクワットのやり方】
1.足を肩幅程度に開いて真っすぐ立つ
2.背中を伸ばしたまま、太ももが地面と水平になるまで腰を落とす
3.腰を落とし切ったらゆっくりと元の姿勢に戻る
膝が前に出ないように、後方に向かってしゃがみ込む意識で行うのがコツです。負荷を高めたい場合は、動作をゆっくり行うようにします。
・ヒップリフト
大殿筋や腰の筋肉を鍛えられるトレーニングです。大殿筋は下半身を動かす際に使う筋肉なので、ポジション問わず鍛えておくことをおすすめします。
【ヒップリフトのやり方】
1.マットなどに仰向けに寝転がり、膝を90度に立てる
2.肩から膝までが一直線になるように、腰を持ち上げる
3.お尻を締めるように意識しながら、2の姿勢をキープする
4.ゆっくりと1の姿勢に戻る
・サイドランジ
大殿筋や太ももにある内転筋、太もも裏側のハムストリングなどを鍛えられるトレーニングです。バッティング時の踏み込み動作や、体重移動の強化が期待できます。
【サイドランジのやり方】
1.足を肩幅程度に開き、背筋を伸ばして立つ
2.片足を大きく真横に踏み出し、膝を曲げながら上体を落とす
3.蹴るように足に力を入れて、元の姿勢に戻る
4.反対側にも足を踏み出し、同様に行う
■食事でしっかりと栄養を摂ることも大切
筋肉を効率的に鍛えるためには、トレーニングだけでなく食事も重要です。タンパク質や炭水化物、ビタミンなどの栄養バランスが取れた食事を心がけるようにしましょう。
食事が喉を通らない、時間がないといった理由で、トレーニング中やトレーニング直後の栄養補給が難しい場合は、ドリンクタイプのプロテインやサプリメントなどを活用するのもおすすめです。
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■筋肉を鍛えて野球のスキル向上を目指そう
野球のさまざまな動作において、筋肉は欠かすことができません。動作によって使われる筋肉が異なるので、必要な部位に絞ってトレーニングを行うと効率的に鍛えることができます。
今回ご紹介したメニューを参考に筋肉を鍛えて、野球のスキル向上を目指してみてください。
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【文章】アルペングループマガジン編集部