三重県立四日市中央工業サッカー部(以下、四中工)が、3年ぶりに全国高校選手権に出場する。組み合わせが決まり、全国制覇に向けて意気込む選手たちのトレーニングは、非常に激しいものとなっていた。チーム練習後に、監督として最後の選手権で指揮を執る樋口士郎監督(59歳)に、サッカー哲学やumbroについて尋ねると、力強い言葉が返ってきた。
――全国高校選手権を前に、現在の心境を教えていただけますか? 樋口:四中工としては実に3年ぶりとなる選手権出場ですので、そこに向かっていきたいところですね。
――今年のチームを、どのように分析していますか? 樋口:ストロングポイントは攻撃であると思います。1人で突破をして得点できる選手がいるので、攻撃面の良さを出すために皆でハードワークをするチームになります。
過去においても、個で局面を打開できる選手がいて攻撃力が強かった時に、良い成績を残せていましたね。
――攻撃力を強くするためには、何が必要であると考えますか? 樋口:攻撃面の良さを出すために、我慢をすることですね。今年は攻撃型のチームで失点が多かったですが、守備で苦しい時に耐えられるようになってきました。
今年は、攻め続けて決めきれずにカウンターによって失点をすることがよくありました。この点が少し改善されてきたと思います。
――練習で大切にしていることはありますか? 樋口:選手は皆、与えられるメニューが同じですから、いかに自発的に練習に取り組むことができるかを大切にしています。個人で自分の長所と短所を理解して、考えながら工夫していかなければなりません。
――個で打開するためには、個人練習も重要となりますね。 樋口:そうなります。個人練習は四中工の伝統でもあります。早朝に自主練をし、夜の練習後にも40分は個人で行いますね。
――監督として、どのような時に喜びを感じますか? 樋口:試合に勝った時に喜びます。
選手や指導者としても頑張っている卒業生が多く、それぞれの分野で活躍していることが指導者冥利に尽きると思います。
――指導をする上で、何が大変でしょうか? 樋口:四中工は結果を求められるチームなので、勝てなかった時は苦しいです。選手との信頼関係を築くまでに、ジレンマを感じることはありますね。
――選手と、どのようにコミュニケーションを取っていますか? 樋口:小細工はしないで、ストレートに気持ちをぶつけるようにしています。一緒にやっていこうと素直に想いを伝えていることが、選手に少しずつ浸透してきていると思います。
――思い出に残る試合はありますか? 樋口:浅野拓磨選手がいた選手権90回大会の決勝戦となります。ロスタイムに失点をして、準優勝に終わりました。1-0でリードをしていて、ピッチと時計に集中していましたが、パッと電光掲示板を見て「勝った!」と思った瞬間に失点してしまったんですよね。自分自身がかなりの集中をしてゾーンに入っていたんですが、あの失点によって途切れてしまいました。あの時もっと集中しておくべきだったと、未熟さを感じています。
――その時のゾーンは、どのようなものでしたか? 樋口:1回戦から決勝戦までは、試合前に相手の分析をしてトレーニングをしてから試合に臨んでいました。試合後にミーティングをして、次に向けていくというサイクルがありましたね。選手とスタッフの1人1人が役割分担をし、いつの間にか決勝戦まで勝ち進んでいました。このような状態がゾーンであったのかなと私は思います。
――umbroのウェアの着心地はいかがですか? 樋口:私は現役時代からデサントさんの商品を扱っていて、umbroが大好きでした。今着ているウェアのデザインと着心地が素晴らしいですね。シューズのフィット感と履き心地も良く、ボールを蹴りやすいので助かっています。
―― 選手がumbro「ACCERATOR」の試し履きをしましたね。 樋口:四中工のカラーは全身白ですから、「ACCERATOR」を履くと非常に映えて格好良いと思います。
――選手達からスパイクに関する相談はありますか? 樋口:全くありませんね。選手が自らの感覚で選んでいると思います。
――日本と世界との差について、どのように考えていますか? 樋口:現役時代に国際試合を経験し、高校選抜チームの監督をやらせていただきました。技術や戦術に大きな差があるとは思いませんが、勝負に対する厳しさに関しては差を感じています。
日本人は、勝つという所に対する意識がまだまだ低いと思います。勝つためにはゴール前で守って点を決めなければならないので、ゴール前でのシビアな状況でもっと必死にプレーをしなければなりません。特にヨーロッパや南米の育成年代の子供達から、死ぬか生きるかみたいな貪欲さを強く感じました 目の色を変えて戦う選手が増えてくると良いですね。
――最後に、樋口監督にとって、サッカーとは何となりますか? 樋口:僕はサッカーによって人生が豊かになりましたからね。人生そのものです。サッカーを通じて沢山の人達に出会い、指導者として幸せな道を歩んでいるので、サッカーに感謝しています。
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