現代サッカーにおいて、戦術は非常に重要視されている要素のひとつです。サッカーの戦術にはさまざまな種類がありますが、多くのチームで採用されている戦術のひとつにカウンターサッカー(カウンター攻撃)があります。 ここでは、カウンターの概要や特徴、カウンターにおいて選手に求められるスキルなどをご紹介します。
【目次】
■カウンターとは
■カウンターの種類
・ショートカウンター
・ロングカウンター
■カウンターのメリット
・得点の可能性が上がる
・失点を防げる
■カウンターのデメリット
・体力を消耗する
・前線の選手に攻撃が依存しやすい
■カウンターの成功に求められるスキル
・パスの正確性とスピード
・チーム全体の戦術理解
・シュートまでプレーをやり切る
■カウンターの練習方法
・2対1
・フットサル
■カウンターでゴールチャンスの機会を増やそう
サッカーにおけるカウンターとは、自陣に引いて相手に攻撃させ、ボールを奪ったら相手が守備を完成させる際に攻撃を仕掛ける戦術のことです。カウンターを主体にしたサッカーのことを、カウンターサッカーと呼びます。 ボールを奪ってから攻撃に時間をかけてしまうと、相手の守備が整ってしまうため、カウンターサッカーではチーム全体で素早い攻守の切り替えが求められます。
近年は試合におけるボール支配率を高め、ショートパスを回しながら相手を崩す「ポゼッションサッカー」が主流です。守備を基本として、少ないチャンスをものにするカウンターサッカーは、ポゼッションサッカーの真逆の戦術ということができるでしょう。
カウンターは、大きくショートカウンターとロングカウンターの2種類に分けることができます。それぞれ特徴が異なるので、より有効なカウンターを繰り出すには違いを知っておくことが大切です。
ショートカウンターは、守備ラインを比較的高めに置くのが特徴です。前線から相手にプレスをかけてボールを奪い、短いパスや個人技を駆使して相手ゴールを目指します。相手ゴールに近い位置でボールを奪えるため、ゴールにつながりやすいのが特徴です。
ただし、守備ラインが高くなるのでチーム全体が前のめりになってしまいます。相手にボールを奪われてしまうとカウンター攻撃を返される可能性があるので、選手個人には高い能力が要求されます。
ロングカウンターは、守備ラインを深めに置きます。自陣深くまで相手選手を引き込み、パスを奪ったらロングパスなどで即座に攻撃を仕掛ける戦術で、選手にスピードが求められますが、相手の守備ラインとキーパーの間にあるスペースを狙えるのがメリットです。
また、ショートカウンターよりも堅実な守備ラインを構築できるため、失点リスクが下がります。チーム間の実力差が顕著な試合では、弱いチームは攻め込まれる時間が長くなり、守備がメインになるため、ロングカウンターが使われることも多いです。
現代サッカーではポゼッションサッカーが主流とされていますが、そのような中でカウンターを取り入れるメリットにはどのようなことが挙げられるでしょうか。カウンターの持つ有効性を2つご紹介します。
カウンターは、相手が自陣に攻め込んでいる状態から攻撃を開始します。相手のゴールとディフェンダーの間にスペースが広く空いているので、得点できる可能性が上がります。 カウンターで効率的に得点を重ねられれば、格上相手でもジャイアントキリング(番狂わせ)を起こすこともできるでしょう。
守備のラインを下げて相手の攻撃を耐えながら攻撃のチャンスを待つという戦術なので、守備が安定しやすいのもカウンターサッカーのメリットです。守備を鍛えてミスを減らせば、不要な失点を防ぐことにつながります。
カウンターはメリットだけでなく、デメリットもいくつかあります。メリット・デメリットをそれぞれ理解したうえで、戦術を取り入れることが大切です。カウンターによるデメリットをいくつかご紹介します。
カウンターサッカーは、どうしても守備にかかる時間が長くなります。集中力を切らすことができないうえに、ボールを奪ったらすぐに攻撃を行う瞬発力も必要です。 特にショートカウンターの場合、前線でのハイプレスから攻撃に転じなければならず、試合中に休む暇がないため、体力を普段以上に消耗する可能性があります。
ボールを奪ったら即座に攻撃に転じなくてはいけないため、フォワード(FW)にはテクニックとスピード、フィジカルの強さを兼ね備えた選手が必要になります。スピードのある選手が前線にいない場合、すぐにボールを前線に持って行けないので、相手の守備が完成する前にゴールを狙えません。
このように、カウンターによる攻撃は前線にいる選手のスキルに左右されがちです。スピードがあり相手の裏を取れたり、テクニックで相手をかわせたりする選手がいないチームの場合、相手にボールを奪い返されて攻撃が続かないケースも考えられます。
カウンターを成功させるためには、選手にいくつかのスキルが求められます。カウンターに必要なスキルを、3つご紹介します。
ショートカウンター、ロングカウンターに関わらず、カウンターの成功率を高めるためにはパスの正確性とスピード感あるプレーが欠かせません。正確なロングパスやショートパスと同時に、トラップなどの技術も求められます。
スピードを生かして前線の選手が駆け上がり、そこに正確なパスを通せるようになることで、カウンターの成功率を高めることができるでしょう。
選手個人の技術やスピードだけでなく、チーム全体としての戦術理解も必要です。カウンターでは、ボールを奪ってからの攻守の素早い切り替えが求められます。 チーム全体でボールを奪ったら素早く攻撃を開始する意識を持っていないと、カウンターは成立しません。
どちらのカウンターを採用するか、どのような位置でボールを奪うまたは奪われるかによっても、選手の動きは異なります。試合前や練習時のミーティングを徹底して、動き方や考え方をチーム内で統一しておくことが大切です。
カウンターの弱点は、相手チームにカウンターを返されることです。中途半端なプレーで相手にボールを奪われてしまうのは、必ず避けなければいけません。
そのため、カウンターはシュートを打ってプレーを切るという意識が重要です。ゴールラインを割ったり相手にセーブされたりして、ゴールが決まらなかったとしても、シュートでプレーを終わらせられれば、守備を整える時間を稼ぐことができます。
カウンターに必要な戦術理解や動き方、テクニックなどは、日々の練習で鍛えることができます。カウンターの成功率を高めるために取り入れたい練習方法の一例をご紹介します。
2対1や3対2など、攻撃側が数的に有利な状況で行う練習は、カウンター練習の基本です。攻撃だけでなく、相手がカウンターを仕掛けてきた際はどのように時間を稼ぐのかという、ディフェンスの練習にもつながります。
攻める側の数が多い練習なので、パスを回してディフェンスを翻弄し続けることができますが、それではカウンターに必要なスピード感を養うことができません。シュートまでの時間制限を設けておくと良いでしょう。
また、2対2などディフェンスの人数を増やして行うのもおすすめです。ボールに近い位置と、ペナルティエリア付近にディフェンスを1人ずつ配置しておけば、より実践に近い練習を行うことができます。
通常のサッカーよりも狭いコートで行われるフットサルも、カウンターの練習になります。コートが狭い分攻守の切り替わりが早くなるため、カウンターに必要なスピード感を養うことができます。 2対1の練習と同じく、ボールを奪ってから少ないボールタッチでシュートを決める意識を持つようにしましょう。
カウンターは、相手の攻撃から転じて一気にチャンスを作ることができる戦術です。上手なカウンターができるようになると、チームの攻撃の幅が広がるでしょう。 ただし、カウンターは特徴をしっかりと把握して取り入れないと、効果が半減してしまいます。ひとつの戦術に頼るのではなく、他の戦術とも組み合わせて状況に応じて使い分けることが、より効果的なカウンターサッカーを行うためのコツです。
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