サッカーの試合を見たり実際にプレーしたりしていると、オフサイドという反則を見聞きする機会が多いはずです。しかし、オフサイドはサッカーの中でもっとも複雑で理解が難しいルールでもあります。試合中にオフサイドを取られてノーゴール判定になったり、相手チームのフリーキックになったりした際に、理由をしっかり理解できていない方もいらっしゃるかもしれません。 そこでこの記事では、サッカーのルールの中でも複雑なオフサイドについて、わかりやすく解説します。
【目次】
■サッカーのオフサイドとは
■具体的なオフサイドのパターン
・味方選手のパスを受ける
・味方のシュートに反応した
・相手選手を妨害した
■オフサイドにならない場合
■守備時にはオフサイドトラップを活用しよう
■オフサイドを理解してプレーにいかそう
オフサイドとは、「オフサイドポジションで味方選手のパスを受けたり守備選手を妨害したりといった、ボールに関与した動きをする」反則のことです。オフサイドを取られた場合、ファールがあった位置から相手チームの間接フリーキックで試合を再開します。 オフサイドポジションとは、以下の3つの要件を満たしているエリア内を指します。
【オフサイドポジションの要件】 1.攻撃側がセンターラインよりも相手側コートにいる 2.ボールよりも相手ゴール側にいる 3.守備側のゴールラインから数えて2番目の選手(オフサイドライン)よりゴールに近い
3に関しては、通常は一番後ろの選手はゴールキーパー(GK)であることが多いため、「相手の一番後ろのディフェンダーよりゴールラインに近い位置」と言い換えることもできます。
端的にいうと、オフサイドは「ゴール前で待ち伏せするプレー」を禁止するルールです。オフサイドがなければ、選手を1人ゴール前に待機させておき、ボールを奪ったら縦に長いパスを出すだけでゴールを決められるでしょう。 サッカーがロングボールの蹴り合いになるのを防ぎ、試合を魅力的にしているのがオフサイドというルールなのです。
現行のルールでは、攻撃側の選手の体が一部でもオフサイドラインから出ていたらオフサイドを取られます。しかし、2022年7月からは、体の一部でもオフサイドライン上に残っていればオンサイドで、反則にならないという新ルールに改正される予定です。
概要を見るだけでは、オフサイドを理解するのは難しいかもしれません。具体的に、どのようなシーンでオフサイドとなってしまうのでしょうか。オフサイドの反則が取られる場面を3つご紹介します。
味方選手が相手ゴールの方向にボールを蹴った時点で、パスを受ける攻撃側の選手がどこにいたかを考えると、オフサイドがわかりやすいです。 味方選手の足元からボールが離れた時点で、オフサイドポジションにパスを受ける選手がいた場合はオフサイドとなります。
また、パスが出た時点ではオフサイドポジションにいたものの、オンサイドまで戻ってボールを受けた場合もオフサイドです。戻りオフサイドと呼ばれることが多いプレーで、一見オフサイドには見えませんが反則となります。 つまり、オフサイドかどうかの判断に必要なのは「ボールが蹴られた瞬間に、オフサイドポジションにボールを受ける選手がいたかどうか」という一点です。
オフサイドポジションにいた選手が、味方選手の打ったシュートに反応するのもオフサイドです。ゴールポストに当たったりゴールキーパーがパンチングしたりして跳ね返ってきたボールを、オフサイドポジションにいる選手が押し込んだ場合などがこの反則に当たります。
オフサイドポジションにいる選手が守備側の動きを妨害したり、ゴールキーパーの視線を遮る位置に立ったりするのもオフサイドです。 ボールに触れたかどうかは関係なく、攻撃側が有利になる動きをオフサイドポジションで行ったという判定でオフサイドを取られます。この場合も、味方選手がボールを蹴った時点という基準は変わりません。
ただし、相手選手の妨害は明確に基準が定められているわけではないため、審判によって多少判定に誤差があります。
一見オフサイドに見えても、オフサイドを取られないことがあります。例えば、ゴールキックやコーナーキック、スローインで前に出されたボールの場合は、オフサイドポジションでボールを受けてもオフサイドにはなりません。 他にもオフサイドにならないケースとしては、次のようなシーンが挙げられます。
・ハーフラインよりも自陣側でパスを受けた ・ボールが蹴られてからオフサイドポジションに駆け出してパスを受けた ・オフサイドポジション内で、相手選手が意図的に触ったりクリアミスしたりしたボールに触れた
ボールより相手ゴール側にいるかどうかも、オフサイドの判断基準のひとつです。そのため、ボールより後ろにいる選手にパスを出した場合は、守備側選手が前にいなかったとしてもオフサイドにはなりません。
また、オフサイドとなるのは、ボールを受けたりディフェンスを妨害したりといったプレーに関わるシーンのみです。オフサイドポジションに入ること自体は反則にならない点も覚えておきましょう。
サッカーでは、「オフサイドトラップ」と呼ばれるチーム戦術を使う場合があります。オフサイドトラップとは、ディフェンス側がオフサイドライン(最終ライン)をコントロールして、相手オフェンスをオフサイドポジションにわざと置き去りにするという戦術です。 パスが出る瞬間にディフェンスラインを押し上げて、パスを受ける選手がオフサイドになるように狙います。
オフサイドトラップを上手に活用できれば、体力を使わずにボールを奪取したり、高い位置でフリーキックを獲得したりできます。激しいプレスやインターセプトを狙う必要がなくなるので、ディフェンス側は試合を優位に運ぶことが可能です。 一方で、効果的なオフサイドトラップを仕掛けようと思うと、ディフェンスラインを比較的高めに保つ必要があります。失敗するとディフェンスラインの裏を簡単に取られてしまい、失点につながる可能性が高まるリスキーなプレーです。
また、ディフェンスラインの選手が一人でも前に出遅れると、オフサイドトラップは機能しません。オフサイドトラップを成功させるためには、チーム全体の深い戦術理解や、ディフェンスラインが一斉に動ける高いライン統率力などが求められます。 リスクだけでなく難易度も高い戦術だと理解したうえで、チーム戦術に取り入れる必要があるでしょう。
オフサイドは、サッカーの中でも複雑でわかりづらいルールのひとつです。一見わかりづらいかもしれませんが、「攻撃側の選手はゴール前で待ち伏せをしてはいけない」ことを定めているルールと言い換えれば、わかりやすいかもしれません。 オフサイドがなければ、サッカーの試合はロングパスの出し合いになるはずです。パス回しやドリブルによる切り崩しといった、現代サッカーで多く見られるプレーはなくなるでしょう。オフサイドによって攻撃側と守備側の駆け引きが生まれ、サッカーが試合として成立しているともいえます。
オフサイドをしっかりと理解しておけば、サッカーの試合を楽しめたり、オフサイドトラップとしてプレーにいかしたりすることもできます。オフサイドに対する理解を深めて、よりサッカーを楽しんでみてください。
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