勝負を決めるのはこの一足!部活生必見、最新スパイク3選を徹底レビュー"

■ブランドを横断した“リアル”なスパイク体験会

 

夏の熱気が和らぎ、秋風が心地よく吹き抜ける季節――。
 

福岡県で開催された“ブランド横断型”のスパイク試し履き会に、福岡・大分・佐賀からアルペングループ店舗の販売スタッフが集結した。試し履き会がメーカー単独で開催されることが多い中で、ブランドを横断してスパイクを試し履きし比較できることは、極めて貴重な機会だ。

 

 

舞台は福岡フットボールセンター。芝生の上ではドリブル、シュート、さらにはゲーム形式のプレーまでが展開され、参加者たちはスパイクを履いて実際に走り、蹴り、切り返すことで、カタログや理論では分からない“リアルな履き心地”を体感していく。


和やかな空気の中で交わされたのは、単なる感想ではなく、現場で積み重ねてきたリアルな声と、プロならではの鋭い視点だった。

 

 

 

今回は Alpen FUKUOKAサッカー担当責任者・船津貴司さんに、人気のトップモデル3足を実際に履いてレビューしてもらった。機能面の魅力から、プレースタイルによる向き不向きまで。率直な声をお届けする。

 

 

アシックス「DS LIGHT X-FLY 6」

 

 

ミズノ「モレリアネオ 4」

 

 

アディダス「コパ アイコン 2」

 

 

■「天然皮革のようなフィット感。中盤のテクニシャンに薦めたい一足」―アシックス「DS LIGHT X-FLY 6」

 

 

――アシックス「DS LIGHT X-FLY 6」を履いてみた感想はいかがでしたか?

 

まず一番に驚いたのはアッパー素材ですね。これまでのカンガルーレザーから“シルキーラップ”という新素材に変わったんですが、正直、人工皮革とは思えないほど柔らかい。履いた瞬間に“え、これ天然じゃないの?”って思うくらい、足に自然に馴染むんです。人工皮革の常識を覆された感覚でした。

 

 

――やはり柔らかさは大きなポイントですか?

 

 

そうですね。ボールを触ったときも違和感がなくて、むしろ天然皮革に近い繊細さを感じました。中盤でワンタッチのパスを出す場面や、浮き球をコントロールする場面なんかでは特に違いが出ると思います。部活生で言えば、“最後の一足”に選ぶ価値は十分あると思いますね。

 

 

――軽さや安定性については?

 

 

DS LIGHTシリーズの持ち味である軽さは健在です。それに加えて今回はヒールカウンターがしっかりしているので、軽量スパイクにありがちな不安定さがない。切り返しのときに足がブレにくくて、軽さと安定感のバランスがすごくいいですね。モレリアが“素足感覚”だとすれば、X-FLY 6は“軽さ+安定感”の安心感で勝負できるモデルだと思います。

 

 

――逆に、気になる点は?

 

 

人によっては少し柔らかすぎると感じるかもしれません。特に踏ん張ったときにアッパーがグッと持っていかれる感覚があるので、そこは好みが分かれるポイントですね。ただ、軽量性や安定性とのトータルバランスはかなり高いので、大きな弱点ではないと思います。

 

 

――どういったタイプのプレーヤーにおすすめですか?

 

 

やっぱり中盤のテクニシャンですね。ボールタッチを武器にしている選手や、パスの質を大事にする選手にはピッタリだと思います。あとは、人工皮革でも天然皮革に負けない感覚を求める人。“手入れに手間をかけたくないけど、質感は譲れない”という部活生には特におすすめしたいですね。

 

 

■評価まとめ(5段階)
フィット感:4.2 
キック:4.0
トラップ:4.0
ターン:3.7
重量感:4.1

 

【参加者コメント】
・すべてのシューズでアッパーが柔らかくキック、トラップの感覚が良かったが、踵口のフィット感などがとても気に入った。
・個人的にX-FLY6が1番足に合っていて履き心地がよかった。アッパーの素材がシルキーラップに変わってから初めて履いてプレーしたが、とてもフィット感が良くてキックもとても蹴り心地がよかったため。

・シルキーラップが想像以上に柔らかく横振れも少なかったので使いやすかった。人工なのでメンテナンスが楽なのもオススメしやすそう。
・軽くてフィット感が良かった特に中足部がモレリアより広く感じてインサイドのタッチがしやすかった。

 


■「軽量×安定性を両立する人気モデル」―ミズノ「モレリアネオ 4」の真価

 

 

――ミズノの「モレリアネオ 4」については、どう感じましたか?

 

これはやっぱり“定番の強さ”を感じさせる一足ですね。最新の派手なアップデートがあるわけではないのに、常に売れ続けている。履けばその理由がすぐにわかります。とにかく軽いし、フィット感のバランスが素晴らしい。ミズノで一番売れているのも納得です。

 

 

――アシックスの「DS LIGHT X-FLY 6」と比べてどうでしょう?

 

 

設計は近い部分もあるんですが、モレリアの方が軽量で安定感も高い印象です。ソールの“剛性”がしっかりしているので、柔らかすぎて足がねじれたり、疲れるといった心配がない。素足感覚を残しながらも、しっかり足を守ってくれる作りになっています。ミズノが掲げる『軽量・柔軟・素足感覚』というコンセプトが、そのまま体現されていますね。

 

 

――40周年記念カラーも話題です。

 

赤の限定カラーはかなり反響があります。モレリアって基本は定番カラーが中心なので、こういう特別色はレアなんですよ。派手に見えるかもしれませんが、最近のスパイクは全体的にカラフルなので、グラウンドではむしろ自然。だから“試合で履きたい”という声が多いんです。

 

 

――ポジション的にはどの選手に合うと思いますか?

 


足型さえ合えば、正直どのポジションでもいけます。プロでもFWからGKまで幅広く使われていますし、特に中高生の部活生にとっては“間違いない一足”だと思います。

 

 

――逆に、注意すべき点はありますか?

 

 

ソールが硬めなので、人によっては突き上げを強く感じることがあります。特に長時間プレーすると足裏に違和感が出る場合もありますね。そういう時はインソールを工夫するのがおすすめです。標準のインソールはシンプルなので、アーチサポート付きに変えるだけでもかなり楽になりますよ。

 

 

――最後にまとめると?

 

 

モレリアネオ 4は“軽さ”と“安定感”を両立させた、まさに完成度の高いモデル。部活生にとっては『試合で安心して使える1足』になるはずです。

 

 

■評価まとめ(5段階)
フィット感:4.2 
キック:3.9
トラップ:4.1
ターン:3.7
重量感:4.0 

 

【参加者コメント】
・足へのフィット感が抜群だったのでモレリア一番好き(おすすめ)です!
・フィット感がよくボールタッチが正確にしやすい。
・素足感覚に近くボールタッチがしやすい。更にアウトサイドが広がってないためアウトサイドでのタッチもしやすい。重量も軽く、グリップ力も高いためターンや切り返しもしやすい。
・フィット感、柔らかさが他とは一つ抜けていて履きやすかったから。

 


■「履いた瞬間に“なるほど”と納得」―アディダス「コパ アイコン 2」が持つ包み込むようなフィット感

 

 

 

――アディダス「コパ アイコン 2」を履いてみた感想はいかがでしたか?

 

 

この3モデルの中で、個人的には一番好印象でした。

 

とにかく履き心地が抜群で、実際にピッチでボールを蹴ってみて、「ああ、これが人気の理由か」と納得できました。

 

ミズノの「モレリア」はカンガルーレザー、アシックスの「DS LIGHT」は“シルキーラップ”という新素材に変わったんですが、コパ アイコンは牛革を使用しています。この牛革が持つ独特の“モチっとした柔らかさ”があって、足を優しく包み込むような感覚なんです。

 

厚みはありますが、重く感じるわけではなく、自然と足に馴染んでくれる感じ。足が靴に“持っていかれる”ような不安定さもなく、非常に快適でした。売り場でも最近、コパを選ぶお客様が増えているのですが、その人気も納得です。

 


――かかとの安定感、ヒールのフィット感はどうですか?

 

 

今回の3モデルはいずれもヒールカウンター付きで、安定性はしっかりしていると思います。中には「軽さ重視でヒールカウンターなし」のモデルもありますが、日常的に練習で履くことを考えると、安定性が確保されたカウンター付きの方が安心感があると思います。

 

足の形やかかとの大きさによっては合わない場合もありますが、基本的には万人におすすめしやすい設計です。特に、疲労の蓄積や怪我のリスクを減らす意味でも、ヒールカウンター付きは評価が高いポイントです。

 

 

――逆に気になった点などはありましたか?

 

 

強いて挙げるなら、もう少し軽ければさらに良いかなという印象です。
 

決して“重い”わけではないんですが、やはり軽量性だけで比べると、他のモデルに一歩譲る部分もあります。履き心地やタッチ感が良いだけに、そこに軽さが加われば、もっとパフォーマンスが向上する可能性があると感じました。

 


■評価まとめ(5段階)
フィット感:4.2
キック:4.1
トラップ:4.3
ターン:3.8
重量感:4.0

 

【参加者コメント】
・履き心地が柔らかくフィット感が良かった為 。
ッパーの包み込んでくれる感覚が他二足に比べてかなり良かった。脱げ感がなくトラップ、タッチのしやすさがあるのでオススメしたい。
・足を包み込むような履き心地があり、素足感覚で履いた瞬間からソフトなフィット感を感じられました。足幅が広い人でも履くことができ、価格も手にとりやすい為、お客様にお勧めしやすいと感じました。
・個人的には踵のフィット感がかなり良く、軽やかに動きやすいシューズでした。タッチやトラップはモレリアの方がしやすい感覚はありましたが、コパアイコンも非常に良好な感覚がありました

 

 

■「日本人の足に寄り添い、未来へ進化するスパイク」

 

 

――最後に、今回の3ブランド(アシックス / ミズノ / アディダス)への今後の期待を教えてください。

 

スパイクの価格は年々上がっていますが、それに見合う機能性やクオリティも確実に進化していると感じます。とはいえ、3万円を超える価格帯は、特に親御さんからすれば「高い」という印象を持たれることもあります。だからこそ、僕ら販売員がその価値をしっかり伝えていくことが大切だと思っています。

 

今回の3モデルはどれも日本人の足型に合う設計で、学生プレーヤーにも安心しておすすめできるシューズです。この「日本人のためのスパイク」という軸は、今後も変わらずに守り続けてほしいですね。その上で、“驚き”を感じられるような新素材や新機能といった進化にも期待しています。販売現場からお客様にわかりやすく魅力を伝えられるような開発が進めば、さらに多くの人に届くと思います。

 

 

――10年後には、どんなシューズが生まれていると思いますか?

 

 

きっと今では想像もつかない形になっていると思います。たとえば、靴紐が不要になるかもしれませんし、素材やソール構造も大きく変化していくはず。スタッドの配置やアウトソールの形状もさらに進化するでしょう。これからどんなスパイクが登場するのか、本当に楽しみですね。

 


■自分だけの“勝負スパイク”を選ぶために

 

 

大舞台を控えた高校生・中学生のプレーヤーにとって、“試合で履く一足”は勝敗を分ける重要な相棒。今回紹介した3モデルは、どれもトップレベルの性能を持ち、日本人の足型にフィットするよう設計されている。プレースタイルや足の特徴に合わせて選べば、パフォーマンスを最大限に引き出してくれるはずだ。

 

レビューをヒントに、自分だけの“勝負シューズ”を探してみてほしい。その一足が、ここぞという場面で力をくれるかもしれない。

気になるモデルがあったら、スポーツデポ・アルペンの店舗で実際に試してみよう。履いた瞬間に、違いがわかるはずだ。
 

【写真】矢野七海
【文章】池田鉄平

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