今年の「ゴルフ5レディス」は総勢108人の選手が出場しました。選手たちは1ヤードでも前に、曲げすに飛ばすためにドライバーには徹底的にこだわり、さまざまなテストを経て実戦投入に至ります。
そんな女子プロたちに人気のドライバーはどのモデルなのか。各メーカーのツアーレップにヒアリングを行いつつ、選手の使用ギアを実際にチェックし、アルペングループマガジンが調査してみました。
なお、使用選手数は「ゴルフ5レディス」の出場者でカウントしていますが、選手は試合当日に使用クラブを変更することもあるので、必ずしも試合での使用実績と一致するとは限りませんのでご了承ください。
各メーカー別に見ると、キャロウェイが20人超で最多だと思われます。使用モデルは「エリート トリプルダイヤモンド」シリーズが12-13人と多く、スタンダードの「エリート」が4~5人、その他旧モデルを継続使用している選手が数人いるようです。
しかし「トリプルダイヤモンド」は派生モデルが多く、細かく見ていくと「トリプルダイヤモンドTD」が最多で6~7人、次いで「トリプルダイヤモンドT」が5~6人、「トリプルダイヤモンドMAX」が1~2人という状況とのこと
「TD」は「ツアードロー」の略で、重心距離が短くつかまりのいいモデル。ドローヒッターを中心に好まれているようでした。

『キャロウェイでは「エリート トリプルダイヤモンド」シリーズが人気。なかでも「トリプルダイヤモンド TD(ツアードロー)」を使用する選手が増えたという』

『柏原明日架選手は「エリート トリプルダイヤモンド」ノーマルを使用』
次いで多いのが、14-15人が使用しているピンとダンロップ。
ピンは「G440」シリーズ3機種と「G430 MAX 10K」の計4モデルを投入していて、シーズン序盤からニューモデルへの切り替えはスムーズだったようです。
「G440」シリーズでは、スタンダードモデルの「G440 MAX」が8人と、モデル単体で見ると女子ツアーで最多と予測されます。低スピンモデルの「G440 LST」も4~5人が使用しているようですが、一般的に持たれている印象のように「パワーヒッターが『LST』を選ぶ」というわけではなく、多くの選手がヘッドのサイズ(「LST」のほうが小ぶり)や構えた印象などで選んでいるとのことでした。

『ピンの「G440 MAX」は8人ほど使用しているという』
髙野愛姫選手は、「G440 SFT」を使用。球が上がりやすくつかまりのいいアマチュア向けと目されがちな「SFT」ですが、今年からロフト9度のモデルが追加されたことで、球が上がりすぎずにつかまり性能を生かすことができるようになったことがチョイスの要因のようです。

『今季「ヨネックスレディス」で初勝利を飾った髙野愛姫選手は「G440 SFT」のロフト9度を使用』
なお、メルセデスランキング1位の佐久間朱莉選手は慣性モーメントが大きい「G430 MAX 10K」を愛用しているそうです。

『高慣性モーメントの「G430 MAX 10K」を使用する佐久間朱莉選手』
ダンロップは「スリクソンZXi」シリーズが中心で10人前後が使用していますが、青木瀬令奈選手、菅沼菜々選手は「ゼクシオエックス」を使用するほか、旧モデルの「ゼクシオ」を使う選手も2人ほどいるそうです。
モデル別で見ると「スリクソンZXi LS」が7~8人前後と最多。スタンダードモデルの「スリクソンZXi」が3人程度と、2モデルに集中しているようです。
こちらもハードヒッター向けと思われがちな「LS」に使用者が多いことからも、イマドキドライバーはこういった先入観にとらわれず、試打して弾道をチェックして選ぶことが大事ということでしょう。

『「ZXi LS」は低スピン。松山英樹選手も使用していた』
テーラーメイドは、総勢12人前後。
最新の「Qi35」シリーズに加え、昨年モデル「Qi10」シリーズを稲見萌寧選手、脇元華選手が、2020年モデルの「SIMグローレ」を川﨑春花選手が継続使用しているようです。
「Qi35」シリーズは、スタンダードモデルが7人、低スピンモデルの「Qi35 LS」が2人という内訳でした。こちらも構えた顔の好みを重視して選ぶケースが多いとのことでした。

『山路晶選手はスタンダードモデルの「Qi35」を使用』

『川﨑春花選手が継続して使用する「SIMグローレ」。中古で人気のモデルだ』
ブリヂストンのドライバーはトータルで8人前後が使用。今夏から「BX」シリーズを投入し、すでに多くの選手がチェンジしているとのこと。
最多は高弾道の「BX2」で4人、強弾道の「BX1 ST」が3人。低スピンの「BX1 LS」は桑木志帆選手が使用しているとのことでした。
タイトリストも7~8人前後で、慣性モーメントが大きく直進性能の高い「GT2」、コントロール性が高く強弾道の「GT3」がそれぞれ4人前後とほぼ同数でした。

『櫻井心那選手は「GT2」ドライバーを使用』

『「GT3」ドライバーはコントロール性能が高いモデル』
モデル別で見ると、ピン「G440 MAX」が8人前後と最多、「スリクソンZXi LS」、キャロウェイ「エリート トリプルダイヤモンドTD」がそれに次ぐかほぼ同数程度で、この3モデルが今年の女子ツアー3強ドライバーといえそうです。
しかし使用選手の顔ぶれを見ても、必ずしもハードヒッターが低スピンモデルを使っているわけではなく、構えた顔の印象を大事にしつつ、ロフトやシャフトで弾道を微調整するケースが多いようです。
アマチュアゴルファーも、女子プロのようにモデル選びを柔軟に行うことが好結果につながりそうです。自分に合う1本を見つけるためには、やはりフィッティングは欠かせません。