5月14日、タイトリストの新しいメタルウッド「GTS」シリーズが発表された。
USPGAで高い使用率を誇った「GT」シリーズから2年。ネーミングに追加された「S」の文字は「Speed」と「Stability」を意味し、「GTS」シリーズはこの相反する性能を兼ね備える進化を遂げたドライバーとなっている。
ドライバーは「GTS2」「GTS3」「GTS4」の3モデルでローンチされるが、全モデルに共通するのが「GT」シリーズで採用されたポリマー素材「PMP」の使用率を大幅にアップさせた点だ。
『タイトリストのニューモデル「GTS」シリーズは3機種のドライバーがラインナップ』
「PMP」は、チタンよりもはるかに軽く、カーボンよりも強度の高い特殊なポリマー素材をサーモフォーム加工したもの。前モデル「GT」シリーズではこれをクラウン部に採用して低重心化に貢献したが、「GTS」シリーズでは使用部位をボディ中央部全周に拡大。「PMP」の占有率をヘッド表面積の約60%にまでアップすることでヘッド中央部の重量を大幅に削減することに成功した。
これによって「GTS」シリーズのヘッドは前方のフェース部分と後方のウェイト部分に重量が分散され、大きな慣性モーメントを保ったまま浅重心化しているという。
偏重心構造であるゴルフクラブは、基本的に重心位置が浅くシャフト軸に近いほどシャープに振り抜けてヘッドスピードが上がりやすい。一方で単純に浅重心化すると慣性モーメントが小さくなりやすく寛容性が低下してしまう。
しかし「GTS」シリーズは「PMP」使用量を増やしヘッドの重量配分を前後に二極化できたことでこの両立が可能になったというわけだ。
『軽量かつ強度の高いPMP素材をボディ全体に使用することでヘッドの重量が最適に配分された』
さらに「PMP」の使用率拡大によって全体の低重心化が可能になったことでヘッド後方のウェイト位置をやや高い位置に置けるようになり、ヘッドの縦の断面を上下シンメトリーに近づけることができた。
これはエアロダイナミクスの向上につながり、スイング時における空気抵抗を低減。さらなるヘッドスピードアップ効果を付与している。
またフェースに関しては、前モデルで採用されたミスヒットへの寛容性の高い「スピードリングフェース」の良さを残しつつボール初速をさらに向上させた「スピードシンクフェース」を採用。前作と同じく外周部を固定して中心部分の初速を最大化することに加えて、周辺部のフェースの厚みを調整することで、オフセンターヒット時の初速を維持することを可能にした。したがって、フェースの全体で初速が落ちにくくなり、打点ブレの多いアマチュアにとってはさらに恩恵の大きいものとなった。
これらの進化によって「GTS」シリーズは、より速くスイングできる「Speed」性能を高めつつ、大きな慣性モーメントを維持し「Stability」を確保した「飛んで曲がらない」ドライバーとなった。
『フェースに配置された「スピードシンクフェース」構造により初速を最大化し打点ブレにも強くなる(写真はGTS3)』
また「PMP」の大きな特徴の1つに、カーボンよりも音の響きが金属的だという点がある。そのためカーボンを多用するドライバーと比べてより金属的で心地いい打感・打球音が表現可能だという。
これをチタンのパーツとシームレスに接合することで、「GTS」シリーズはチタン単一のヘッド同様の継ぎ目を感じさせないシルエットとなっている。
こういった顔や打感に妥協しない点もタイトリストのこだわりであり、タイトリストユーザーにとっては安心できるポイントでもある。
「GTS」シリーズは、投影面積と慣性モーメントが大きめで直進性能の高い「GTS2」、やや締まったシェイプで操作性が高く強弾道の「GTS3」、そして低スピン超強弾道の「GTS4」の3モデル構成。
「GTS2」は前後2か所にウェイトポートを有し、これを入れ替えることで重心深度の調節が可能。「GTS3」と「GTS4」は同様に前後にウェイトポートがあるが、前方のウェイトはトウ・ヒール方向に移動させることができ、重心距離の調節もできる構造となっている。
『「GTS2」ドライバー』
『「GTS2」ドライバーには前方11g、後方5gのウェイトが搭載されている』
『「GTS3」ドライバー』
『「GTS3」、「GTS4」は重心距離の調整が可能(写真はGTS3)』
「GTS4」はヘッド体積が前モデル「GT4」の430ccから460ccに大型化されているのが大きな変化。ヘッドサイズが大きくなって「GTS2」「GTS3」と比較したときの違和感が小さくなったが、低スピン性能は「GT4」と同等。「GT4」の低スピン弾道を求めつつもヘッドの小ささゆえに敬遠していたユーザーにとって、より選びやすくなった。
これら3モデルの中から求める弾道の高さやスピン性能によって選ぶのが基本となるが、ウェイト交換などによる調整機能によってモデル間の中間的な性能を演出することもできる。タイトリストというとハードヒッター向けという印象が強いメーカーだが、ロフトやシャフトの選択肢も考慮すれば実際はかなり広い層のゴルファーに扱えるドライバーといえるだろう。
『「GTS4」ドライバー』
『ヘッド体積が460ccになった』
「GTS」シリーズは、ドライバーと同時にフェアウェイメタルも発売される。
こちらは「GTS2」と「GTS3」の2モデル。
『「GTS」シリーズのフェアウェイメタル』
前作「GT」シリーズのフェアウェイメタルから大きくモデルチェンジし、全体的にはやさしさが大幅にアップ。これはPGAツアーからの要望を受けた改善で、タイトリストが唯一PGAツアーでの使用率1位を取れてないフェアウェイウッド部門でも1位を狙うというや野心的な進化だが、アマチュアにとっても大きなメリットがあるといえる。
『「GTS2」フェアウェイメタル』
『「GTS3」フェアウェイメタル』
まずは両モデルともヘッドの投影面積が大きくなり、ややシャローフェース化して深・低重心化。これによってやや高弾道かつ低スピンに加えて、深・重心化による高い許容性を備え打ちやすく、グリーンを狙えるクラブという側面が強くなった。
またフェース部の仕上げがブラックからシルバーになりロフトの視認率がアップ。フェース全体が大きく見えてやさしい印象が強まった。
なおタイトリストによれば、PGAツアーで使用するプロたちのデータを取ったところ、フェースの色がシルバーになると入射角が鋭角になる傾向がある。これによりフェアウェイからのショットパフォーマンスが向上するという。
さらに、フェースはステンレスの鍛造Lカップフェース。ソール形状が前モデルと比べて平らな部分が広くなったことも相まって下の打点にさらに強くなり、コースでの実用的な寛容性が向上した。
『シルバー仕上げになったフェースで前作よりも視認性がアップ』
「GTS2」「GTS3」両モデルともヘッド前方のトウ・ヒール各1か所のウェイトポートを有し、弾道調整機能も高い。
「GTS2」は13.5度、15度、16.5度、18度、21度の5ロフト、「GTS3」は15度、16.5度、18度、21度の4ロフト構成で、「GTS3」に21度が追加されたことで選択肢も増え、さらに実戦での使い勝手は高まった。
『トウ側に5g、ヒール側に11gのウェイトを配置』
「GTS」シリーズの発売は6月11日の予定だが、すでにゴルフ5各店舗には試打クラブが入荷済み。ぜひご来店のうえ、実際に打ってその進化を体感していただきたい。
<GTSシリーズの詳細はこちら>
https://store.alpen-group.jp/golf5/campaign/titleist/gts/
【文章・写真】アルペングループマガジン編集部