ASICS MAGIC SPEED 5(マジックスピード 5)にクラシックレーサーを感じた〜初めてカーボンプレート搭載シューズを履くランナーでも扱いやすいオススメな1足〜

■アシックスからMAGIC SPEED 5が登場!
 

市民ランナーのための“スーパーシューズ”いわゆる「セミスーパーシューズ」であるASICS MAGIC SPEED 5(マジックスピード 5)が12/11(木)からいよいよ発売されます。

 

ちなみにこの明るいグリーンカラーは、アシックスのその他9モデルと一緒に発表された『EKIDEN Pack』の象徴的なカラーで、未来への成長を表す「芽が育つ姿」やスタートを意味する「信号が青に変わる瞬間」から着想されています。さあ、走り出そう、とランナーを後押しするようなモチベイティブなカラーとなっています。まさに駅伝シーズンにぴったりなモデルというわけです。

 

しかし、このシリーズは、ほんとモデルチェンジの進化を止めません。毎回前モデルからドラスティックな変更があり、これはアシックスの進化へのあくなき探究心の表れでしょう。

 

今回は話題のMETASPEEDシリーズに搭載されているミッドソールフォーム「FF LEAP(エフエフリープ)」を搭載し、全体構造も前モデルとはコンセプトも変わって、ほんと別のモデルというぐらいの仕上がりです。

 

では、そんな大きな変更があったMAGIC SPEED 5は、前作とどんな違いあって、どんなランナーに合うモデルなのか、解説していきたいと思います。

 


■最新モデルにはついにFF LEAPが搭載!

 


今回ミッドソールは、「FF LEAP」を上層部に、下層部に「FF BLAST PLUS(エフエフブラストプラス)」の2層構造になりました。

 

FF BLAST PLUSの2層構造に四角片状のFF TURBOが前足部プレートの下にインサートされた前作までとは構造が変わって、業界内でもセミスーパーシューズの構造として多い二層構造スタイルになったと言え、機能性にはパンチが出ました。

 

今回採用されたFF LEAPは、トップランナーのためのスーパーシューズ『METASPEED RAY』のミッドソール前面に使用されている素材で、27.0cm片足で129.9gという軽さです。

 

ですからMAGIC SPEED 5は、下層部のデイリートレーナー用の素材FF BLAST PLUSが肝。反発に加えて安定要素がうまくブレンドされたまさに典型的な「セミスーパーシューズ」となっていると言えるでしょう。

 

そして、今回、カーボンプレートは、前足部がフォークプレートになっていて、2層のミッドソール素材との硬度バランスからその形状も、レングスも見直されています。

 

それらの変更から生み出されたベネフィットとして、27.0cmで約196g と、前作から約 49 g の軽量化に成功しています。私のサイズ25.5cmでは約184gとこれはスーパーシューズ並みの重量になっています。

 

業界を俯瞰しても、このセミスーパーシューズではこんな軽量なモデルは見当たりません。

 


■アシックス伝統モデルのような接地感を感じるシューズ

 

 

そして今回ソール全体の厚み(スタックハイト)に大きなコンセプトの変更がありました。これ大袈裟ですけど、業界全体にも影響を与える大きなコンセプトだと私は思っています。

 

前モデルのミッドソール踵部の厚み「約43.5mm」は、今回「約 37.5 mm」になり、なんと約6mmもソールが薄くなったわけです。(メンズモデル)つまり、前作の典型的な「厚底モデル」は、言うならば、「中厚底モデル」になったと言うわけです。

 

前作までの“厚底レーシングの厚底レーシングらしい”その40mmを超すミッドソールは、高反発素材FF LEAPを組み合わせることで、ソールを少しスタックハイトが薄くなっても、クッション性を保ちつつ、地面への接地感を高めることに成功しています。

 

これは、カーボンプレートレーシングシューズが新しい段階に進んだと言うべきです。

 

最近のこういった厚底カーボンプレートではどうしても希薄になってしまう接地感覚がしっかりあり、いわゆる「薄底っぽさ」を感じるモデルに今回なっています。

 

ほんと曲解ですが、実走してみて、MAGIC SPEED 5はアシックスの伝統的な薄底スタイル「TARTHER(ターサー)」シリーズの遺伝子を、最新素材でリメイクした言わば「ネオターサー」のように私は感じましたね。

 


■MAGIC SPEED 5 は“接地感のある反発”を作っている

 


とは言え、37.5mm厚は、薄底とはいうにはまだまだ十分な厚さがあって、かつての薄底構造では厳密にはありませんし、やはりクッション性を背景に、カーボンプレートが推進力に貢献するような「速く走る概念」が後退することはありません。

 

ただ、FF LEAPという反発弾性の高い素材を採用することで、クッション性と接地感とのバランスをとった厚底と薄底のいいとこ取り構造にすることができたわけです。

 

ですから、まさにこれは厚底レーシングでもなく、薄底レーシングでもない、中厚底の「ネオレーシングフラット」と私は呼びたいです。

 

厚底のカーボンプレート搭載シューズにどうしてもある「履かされている感覚」ではなく、薄底的なフィーリングの「履いている感覚」が高い、そんなモデルになっています。

 

着地すると接地感覚がまず印象にあって、その後反応の良いFF LEAPをほのかに感じる感覚の履き心地です。ダイレクト感と同時に起こる、ソールの厚みとフォームの反発で、まさに「薄底っぽさ」を感じます。

 

ただ、パワーメーターのスコアは、着地の剛性と推進力に高いレベルの値が出て、厚底っぽいデータになっているから面白い。MAGIC SPEED 5は“接地感のある反発”を作っている、といっていいでしょう。

 


■METASPEED EDGEとSKYのような関係

 


カーボンプレートもより短くソールバウンドとの最適化レングスに調整されていて、バウンドの反応もとてもいいです。ストライドより 軽快な足さばきのピッチ走法のランナーにはとても扱いやすい構造になっていると思いますね。

 

今まで、「厚底のカーボンプレート搭載シューズがフィットしなかったというランナー」にとって待望の1足という感じなのかもしれません。同時にこれは、その操作性の安易さから「初めてカーボンシューズを使うランナー」にも良さそう。

 

反面、FF LEAPという素材特性を活かした“宙に浮くようなバウンド”を求めるランナーには「やや物足りなさ」を感じるかもしれません。

 

ただ、そこは、「METASPEED EDGEとSKY」の関係のようにピッチとストライドランナーに向けた“かゆいところに手が届く”ラインナップがあるのがアシックスです。

 


■MAGIC SPEED 5とSONICBLASTの関係

 

※すでに別記事で紹介させて頂いた「SONICBLAST」
> SONICBLASTの記事はこちら

 

こちらでも紹介したSONICBLASTは、このMAGIC SPEED 5の登場ではっきりと、この2モデルの関係が見えてきました。

 

約46mmの踵の厚み、FF TURBO SQUARED(エフエフターボスクエア)とFF BLAST MAX(エフエフブラストマックス)と2層で構成されたまさにクッションの恩恵を形にしたようなモデルで、ASTROPLATE(アストロプレート:樹脂プレート)が搭載、溢れんばかりのミッドソールクッションとプレートによる推進力は“ハレの日のシューズ”、レースデイシューズの象徴的な機能性となっています。

 

つまり、ピッチのリズムで走るランナーや、厚底スタイルが苦手なランナー(その走り方がそうしている可能性大ですけど…)はMAGIC SPEED 5、 前作MAGIC SPEED 4のようなハイバウンドスタイル、ストライドを広げて走りたいランナーにはSONICBLASTというラインナップになっていると言えそうですね

 

ただ、私もシューズにバウンドを求めるストライドランナーですが、MAGIC SPEED 5の接地安定感は好感です。ペース走やインターバルで使って、厚底レーシングと履き分けるような使い方をするつもりですね。

 


■アシックスが誇る「2タイプ × 2レイヤー構造」

 

 

まさに「METASPEED EDGEとSKY」の関係のように「2タイプ × 2レイヤー構造」はアシックスの分厚い大きなラインナップの特徴です。

 

フルマラソンで言えば、「MAGIC SPEED 5とSONICBLAST」の関係は、サブ4ラインのレースデイシューズにもなり得る「NOVABLAST&SUPERBLAST」と、「METASPEED EDGEとSKY」を使うユーザーの隙間を埋める、3時間前半からサブ3.5を目指すランナーのラインナップと言えますね。

 

また、初めてこういった厚底のカーボンプレート搭載シューズを履いてみたいというランナーにとってもオススメ。40mm以上の分厚いクッションと、強い蹴り出しを応援する屈曲しない剛性の強いカーボンプレートシューズは操作性の観点からも思っているほど簡単ではないかもしれません。

 

それが今回のスタイルになったMAGIC SPEED 5なら、接地感もあり操作性も高いので、そんなランナーにもオススメしたいモデルですね。フルマラソン用レーシングなのか、5K、10K、仲間と出るリレー駅伝用のとっておきのシューズになるのか、どちらにしても活躍するポジションは必ずあるはずです。

 

しかも、19,800円(税込)とこのカテゴリーでは手頃なプライスレンジです。健康に、そして、レースなどで自己の可能性を探ろうとする一人でも多くのランナーに、このアシックスの力作、MAGIC SPEED 5を試してほしいですね。

 


MAGIC SPEED 5 特集ページ
> 特集ページはこちら

 


<著者プロフィール>
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
藤原岳久(FS☆RUNNING(旧 藤原商会)代表)

 

日本フットウエア技術協会理事
JAFTスポーツシューフィッターBasic/Advance/Master講座講師
足と靴の健康協議会シューフィッター保持

 

・ハーフ1時間9分52秒(1993)
・フルマラソン2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)
・富士登山競走5合目の部 準優勝(2005)
 

【文章・写真】藤原岳久

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