■まさに一新!ナイキ ペガサス 42(NIKE PEGASUS 42)
1982年、初代が約50ドルの『EVERYONEシューズ』(全てのランナーのためのシューズ)として登場して以来、40年以上続くシリーズ、ナイキ ペガサスシリーズが、いよいよナイキ ペガサス 42にアップデートしますよ。
今回、このシリーズとしては初、フルレングスの『Air Zoomユニット』搭載、また、アッパーのラスト(靴型)も一新されて、私の個人的な感想ですが、これはこのシリーズに『ReactXフォーム』がミッドソールに初搭載された『ナイキ ペガサス 37』以来の大きなアップデートだと感じています。
ということで、ブランドを問わず業界を俯瞰してもロングセラーシリーズの最新作『ナイキ ペガサス 42』にはどんなアップデートがあって、どんなランナーに合うのか、そして、フルマラソンベスト2時間34分の私ならどう使うか、発表イベントにてNIKEアスリートの声も聞いてきましたので、その辺りを含めて解説していきましょう。
■『ナイキ ペガサス 42』のミッドソール変更点
今回の最も大きなアップデートは、今まで前後に分離して、ミッドソール内部に搭載されていた『Air Zoomユニット』がフルレングスになったことでしょう。

この完成度は、はじめて『Nike Air』ユニットが搭載されたナイキ エア テイルウィンド以来、このシリーズの悲願でもあり、しかも、時代を経て、今回のフルレングスの『Air Zoomユニット』は、『ナイキ ペガサス プレミアム(NIKE PEGASUS PREMIUM)』のように、前足部がスプーン状に湾曲した画期的なものになっています。
ユニット自体は薄型化されつつも、フルレングスの『ReactXフォーム』に内包。カーボンプレートを彷彿とさせる形状が、ソール全体のガイド感と連動して推進力を生み出します。
さらに、今回はつま先の跳ね上げを調整することで、厚みは3mm増えたのにもかかわらず、ヒール(踵)とフォア(前足)部の厚み【37-27mm】、ソール高低差【10mmDrop】のバランスを維持しているのは、まさにエンジニアリングの妙=マジックとも言える仕上がりです。確かに実走して感じるクッション性、推進力のアップデート感と同時に、いつものナイキ ペガサスシリーズらしいガイド感があるのもそれゆえと言えます。
『走ると足元にエアを感じる』
NCAA若手注目選手、イーサン・ストランド(Ethan Strand)のその言葉が印象的。足入れすると誰でも、彼と同じように誰でも明確にソールの厚みを感じられるレベルです。
■ナイキ ペガサス 42のアッパーとアウトソール

トップレイヤーは、部位に応じて適切なサポート、通気性、強度を配置して作られた二層構造の『エンジニアードメッシュアッパー』になっています。
指先の動きを邪魔しないルーミー『トゥボックス(つま先部)』になっていて、また、甲まわり、ヒール部のフィット感もいい、最新データをもとに設計された新しいラスト(靴型)は、とても満足できる足入れ感ですね。
さらに、中足部は『ミッドフットバンド』構造になっていてになっていて、それもフィット感の良さに貢献していることは間違いありません。
また、ボトムレイヤーのアウトソールは、今回も『ナイキ ペガサスシリーズ』では、お馴染みの『ワッフルソール』形状になっています。
これはナイキの創業者の『フィル・ナイト氏』と共同創業者であり、彼の元コーチであった『ビル・バウワーマン氏』が、奥様の作っていた昼食のワッフルから着想したという、ヒストリカルな機能性。その上で今回の『ナイキ ペガサス 42』のデザインは、機能性はそのまま、より洗練されたものになっています。
■『ナイキ ペガサス 42』の実走レビュー

実は、はじめて『ナイキ ペガサス 42』を履いたのは東京マラソンEXPOのNIKEブース。足入れしたファーストインプレッションは、とてもフィット感がいい、そして、立ち上がって数歩歩いただけでも感じる、ソールの厚み感でした。実走でもその印象は変わらず、とにかくソール全体に厚みが増しましたね。クッション性アップです。
発表イベントのゲスト、新たにNIKEファミリーに加わった『佐藤圭汰選手』は、反発性もありながら安定感もあって、ジョグから流しまでシームレスに使える1足だと称していましたが、まさにそれが全てを形容しています。
クッション性と合わせて、接地から蹴り出しまでのスムーズさ、推進力を感じるモデルに仕上がっていますね。
ただ、10分も走れば「いつものペガサス」が戻ってくる感覚。テクノロジーが進化した中でも、シューズへの価値観が変わっても、根底に流れるスタンダードな安心感は揺るぎません。それでいて常に最新機能搭載モデルでもある、そんな2面性を持つ、それが『ナイキ ペガサスシリーズ』です。
■3アイコンモデルの一つ、それが『ナイキ ペガサスシリーズ』
反発性の『ペガサス(PEGASUS)』、クッション性の『ボメロ(VOMERO)』、 安定性の『ストラクチャー(STRUCTURE)』といったNIKEの3つのベースのアイコンモデルの一翼を担っているのが『ナイキ ペガサス 42』です。

そのNIKEの3大アイコンモデルを中心に、『プラス(PLUS)』モデル、『プレミアム(PREMIUM)』モデルがそれぞれにぶら下がる『ナインボックス(NIKEラインナップのマトリックス(体系)』がNIKEのラインナップの中心になっているんです。
その中でも『ナイキ ペガサスシリーズ』は、常にスタンダードであり続ける部分と進化し機能的である部分が同居してきたモデル。たくさんのファンを満足させると同時に、新しいファンを作るという言わば“使命”を背負ったモデルでもあります。そして、それに今回も間違いなく答えたどころか、“迷ったらこれ”という存在であり続ける、その理由がここにあります。
短距離から長距離まですべてのNIKEアスリートが何かの用途で使えるような万能性は、もちろん市民ランナーでも同じ。『ナイキ ペガサス 42』はジョグからLSD、距離走、ときには完走を手助けするレースデイシューズとして、使い古された言い方ですが、『1足持っていても損のないモデル』。
私は、このシリーズ、ジョグからワークアウトのウォーミングアップで頻繁に使っていましたが、今回のこの『ナイキ ペガサス 42』はLSDのようなロングランでも積極的に使いたいと思わせる感触ですね。
4/9(木)からの発売ですが、まだ、このモデルを1度の履いたことがないというランナーはもちろんですが、もうすでに履いている、また以前履いていたというランナーも、今回のこのモデルは、足入れだけはしてもらいたい、今回も強くオススメしたいモデルとなっていますね。
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<著者プロフィール>
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
藤原岳久(FS☆RUNNING(旧 藤原商会)代表)
日本フットウエア技術協会理事
JAFTスポーツシューフィッターBasic/Advance/Master講座講師
足と靴の健康協議会シューフィッター保持
・ハーフ1時間9分52秒(1993)
・フルマラソン2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)
・富士登山競走5合目の部 準優勝(2005)
【文章・写真】藤原岳久