マラソン大会では、数多くのランナーが出場して42.195キロを何時間で走破できたかを競います。とはいえ、参加人数が多いマラソン大会は、各ランナーがスタートラインを切るタイミングは同じになりません。そのため、マラソン大会ではネットタイム・グロスタイムの2つの時間を表示していることが一般的です。
初めてマラソン大会に参加した方は、それぞれの時間が意味することがわからない場合もあるでしょう。
ここでは、マラソン大会に出場する前に知っておきたいネットタイムとグロスタイムの概要をご紹介します。
【目次】
■ネットタイムとグロスタイムの定義
・ネットタイムとは
・グロスタイムとは
■複数の時間設定がある理由は?
■ネットタイム・グロスタイムの活用方法
・ネットタイムの活用法
・グロスタイムの活用法
■ネットタイム・グロスタイムを賢く使い分けよう
■ネットタイムとグロスタイムの定義
マラソン大会で表示されているネットタイムとグロスタイムは、自分のランナーとしての実力を知るうえで非常に重要な指標です。それぞれの意味や違いを理解しておけば、自分の立ち位置を把握したり、トレーニングに役立てたりすることができます。
各タイムの概要と使われ方の詳細は、以下のとおりです。
・ネットタイムとは
ネットタイムは、ランナーがスタートラインを通過した瞬間から、ゴールテープを切るまでにかかった総時間です。
マラソン大会では、ランナーがスタートラインに横一列で整列して一斉にスタートするわけではありません。ランナーが殺到したり、コースの混雑を緩和したりするために、事前の申告タイムを基にブロックを分けておくのが基本です。
そのため、大会の規模にも左右されますが、最前列からスタートしたランナーと後ろから走り始めたランナーとで、スタートラインを越えるまでに数分の差が出ることもあります。
ネットタイムは、各ランナーがスタートラインを切った瞬間からゴールまでの総タイムなので、スタート位置に関係なく、「自分が42.195キロをどれくらいで走破できたか」を正確に知ることが可能です。
大規模な大会では、ゼッケンなどに装着した計測タグ(ICチップ)を使って自動的にネットタイムが計測される場合もありますが、手元のランニングウオッチを利用して計測する際は、スタートラインを通過した瞬間から計測を開始しましょう。
・グロスタイムとは
グロスタイムは、スタートの号砲が鳴ってからランナーがゴールテープを切るまでの総時間です。ランナーがスタートラインを通過したタイミングでカウントが始まるネットタイムとは異なり、グロスタイムは全てのランナーに共通するタイミングが起点になります。
例えば、スタート位置が後方でスタートラインを越えるまでに5分かかったとしても、グロスタイムではスタートラインにたどり着くまでにかかった時間は考慮されません。
9時に号砲が鳴った後、自分自身は9時5分になってからスタートラインを越えて12時にゴールした場合、グロスタイムとネットタイムは以下のように記録されます。
・グロスタイム:3時間
・ネットタイム:2時間55分
■複数の時間設定がある理由は?

前述したとおり、マラソン大会は全ランナーが一斉にスタートラインを越えるわけではありません。通常は、持ちタイムがあり速く走ることができる選手ほど前側(スタートライン近く)に、持ちタイムがないランナーや初心者ほど後ろ側に配置されます。
参加者が多い大規模な大会ほどスタート待ちの列は長くなり、後ろにいるランナーはスタートラインを越えるまでに時間がかかってしまうということです。
一番後ろからスタートしたランナーはスタートラインに到着した時点で数分以上かかっている場合もあるため、号砲が鳴ってからゴールまでの総時間を示すグロスタイムと実際の走破時計との乖離もその分だけ大きくなります。
その乖離を是正し、自分のタイムを正確に知るために有用なのがネットタイムです。
しかし、日本国内のマラソン大会では、ネットタイムは参考記録となるケースがほとんどです。
大会運営上、選手の記録や順位はタイムを参考につけることになりますが、各ランナーの走破時計を示すネットタイムを正式記録とすると、実際の順位が見た目と異なるうえに、全ランナーが完走するまで順位も確定しません。
そのため、基本的にはグロスタイムが大会公認の正式記録として扱われます。
■ネットタイム・グロスタイムの活用方法

ネットタイムとグロスタイムは、自分の実力を知るだけでなく、トレーニングに役立てることもできる指標です。ネットタイムとグロスタイムの主な活用方法をご紹介するので、参考にしてみてください。
・ネットタイムの活用法
ネットタイムは、ランナー自身がスタートラインを通過してからゴールするまでの記録です。「自分が42.195キロを実際にどれくらいで走り切れたのかを示すタイム」と言い換えることもできます。
つまり、ネットタイムはランナー自身の本当の実力を知るための重要な指標とすることが可能です。トレーニングやレース時のペース配分、スピードの分析なども、グロスタイムよりもネットタイムの方が活用しやすいでしょう。
GPS機能つきのランニングウオッチなどと組み合わせて分析することで、マラソン時のペース配分やスパートをかける場所の選定といった戦略の組み立てにつながります。
また、日本国内ではグロスタイムを正式記録とする傾向にありますが、海外のマラソン大会ではネットタイムを公式記録として採用するケースもあります。
・グロスタイムの活用法
グロスタイムは、号砲が鳴ってからゴールするまでの記録です。日本国内の多くのマラソン大会では、グロスタイムを基準にして順位を決定します。
また、日本陸上競技連盟の公認競技会規程では、公認記録として認められるのはグロスタイムです。そのため、大会への参加資格もグロスタイムでの記録で決まるケースがあります。
「○○大会に参加したい」などと考えている方は、自分のグロスタイムにも注目してみてください。
■ネットタイム・グロスタイムを賢く使い分けよう
マラソン大会で表示されているネットタイムとグロスタイムは、それぞれ走破するのにかかった時間を示すものですが、役割が異なります。
日本で大会の公認記録として残るのはグロスタイムですが、自分が走った本当の時間を知るうえで有用なのはネットタイムです。
スタート位置によっては、ネットタイムとグロスタイムで数分以上の差が生まれることも珍しくはありません。「グロスタイムは3時間3分だったものの、ネットタイムは2時間59分でサブ3を達成していた」というケースも往々にしてあり得ることです。
各タイムの違いを理解すれば、トレーニングに役立てたり、モチベーション向上につなげたりすることもできます。マラソン大会への参加を検討している方は、2つの違いをしっかり把握しておきましょう。
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【文章】アルペングループマガジン編集部