空腹時にランニングはしても良い? 実施する場合の注意点

ランニングシューズと動きやすい服装があればどこでも、誰でも始められるランニングは、体力維持や健康管理などに役立つことから人気の高い運動のひとつです。
一方で、仕事が忙しい、時間が取れないといった生活習慣の問題から、朝食前の空腹時などにしかランニングを行えないという方もいらっしゃるでしょう。
空腹状態でのランニングは、メリット・デメリットを理解したうえで行うことが大切です。
ここでは、空腹ランニングのメリット・デメリットや、実際に行う際のコツをご紹介します。

 

 

【目次】
■空腹で走るメリット・デメリット
・脂肪をエネルギーにしやすい
・パフォーマンスが落ちやすい
・筋肉量が落ちる可能性がある
・集中力が落ちやすい
■食前にランニングを行う時の注意点
・軽いランニングにとどめる
・水分補給を欠かさずに
・トレーニング後にはしっかりと栄養補給を
■目的や体調に合わせて走ることが大事

 

 

■空腹で走るメリット・デメリット

空腹で走ることで、いったいどのようなメリットを得られるのでしょうか。空腹ランニングの主なメリット・デメリットとしては、以下の点が考えられます。

 

・脂肪をエネルギーにしやすい

空腹時は、体内のエネルギー(グリコーゲン)が不足した状態です。そのため、空腹時にランニングを行うことで、体が脂肪をエネルギーとして活用しやすくなります。
脂肪をエネルギーとして利用しやすくなるため、脂質代謝のトレーニングとしての効果は期待できます。ただし、体重減少(ダイエット効果)については、運動全体の消費カロリーや食事内容の影響が大きく、空腹時ランニングだけで大きな差が出るとは限りません。

 

また、生活習慣にも左右されますが、人が最も空腹状態になる可能性が高いのは起きてから朝食を食べるまでの間でしょう。
朝食前にランニングで体を動かすことによって交感神経が優位になり、体が活動モードに切り替わりやすくなります。

 

・パフォーマンスが落ちやすい

前述のとおり、空腹時は体内のエネルギーが不足した状態です。一方で、体を動かすためにはエネルギーが欠かせません。
強度の高いトレーニングでは、エネルギー不足が原因でパフォーマンスが落ちる可能性があります。

 

運動によって血糖値が低くなり、低血糖を引き起こす恐れがある点にも注意しなければなりません。

 

・筋肉量が落ちる可能性がある

エネルギーが不足した状態で運動すると、脂肪がエネルギーとして使われやすくなるというメリットがある一方で、エネルギー不足の状態が長く続くと筋タンパクの分解が進みやすくなり、結果として筋肉量が減少する可能性があります。
これは、他のエネルギー源がなくなった際に、筋肉から体を動かすエネルギーを取り出す場合があることが理由として挙げられます。

 

基礎代謝を上げて太りにくい体づくりを目指している方にとって、筋肉量の減少は逆効果になりかねません。筋力アップも重視したい方は、空腹状態でのランニングは避けた方が良いでしょう。

 

・集中力が落ちやすい

低血糖や空腹感、不快感などが影響して、ランニング中の集中力が落ちる恐れがある点もデメリットです。パフォーマンスの低下につながるだけでなく、注意力が散漫になった結果、歩行者とぶつかったり、段差につまずいたりしてけがをする場合もあります。

 

エネルギー不足が原因で、めまいなどの症状を引き起こすことがある点にも注意してください。

さらに、集中力が切れた状態だとランニングフォームの崩れにもつながりかねません。誤ったフォームで走り続けた結果、体を痛めてしまうことも考えられます。

空腹ランニングには脂肪がエネルギーとして使われやすいというメリットはあるものの、多くのデメリットがあるのも事実です。
メリット・デメリットを考慮して、空腹ランニングをどのように実施するかを検討する必要があります。

 

 

■食前にランニングを行う時の注意点

空腹ランニングは、体に悪影響を及ぼすこともあり得るものです。とはいえ、生活習慣などの関係から、朝食前などの空腹時にしかランニングを行えないという方もいらっしゃるでしょう。
食前の空腹状態でランニングを行う際は、次の点に注意が必要です。

 

・軽いランニングにとどめる

大前提として、空腹状態の体はエネルギーが不足しているので、体をしっかりと動かすことに向いていません。長時間のランニングや高強度のトレーニングなどを行うと、エネルギー不足が原因でさまざまな悪影響を及ぼす恐れがあります。

 

空腹ランニングでは、無理は厳禁です。息切れをせずに他人と話せるくらいのゆっくりしたスピードで、短時間のランニングを行う程度にとどめることをおすすめします。

ランニング前にストレッチやウォーキングを取り入れ、体を温めてからランニングを始めることも重要です。

 

・水分補給を欠かさずに

しっかりとご飯を食べた後だとしても、水分が不足しているとパフォーマンスが落ちてしまうだけでなく、体調を崩す原因にもなり得ます。特に、朝起きてすぐは寝汗などで体内の水分が不足した状態です。

 

必ず、ランニングを始める前やランニング中、走り終えた後などのタイミングで、水分補給を行うようにしましょう。気温が高い夏場はもちろん、のどの渇きを感じにくい冬場もしっかりと水を飲むことを心がけてください。
起床直後に冷たい水を飲むと負担がかかるため、ランニング前は常温の水や白湯(さゆ)などを、コップ1杯(約150~250ml)程度を目安に補給するとよいでしょう。

また、完全に絶食してエネルギーが不足した状態でランニングを始めると、低血糖に陥る恐れがあります。
ランニングを始める前に、バナナやゼリー飲料など、消化が良く短時間でエネルギーになる糖質を中心とした軽い補食をしておくのもおすすめです。

手軽に摂取できるアイテムを活用すれば、朝起きた直後や時間が足りない時でも、ランニングに必要なエネルギーを補えます。

 

・トレーニング後にはしっかりと栄養補給を

運動後の体は、エネルギーを使い切った状態です。エネルギーが足りないと、疲れた体をケアすることはできません。
ランニングを終えたら、しっかりと栄養補給を行いましょう。

 

ランニング後の栄養補給では、体づくりに役立つたんぱく質や、体を動かすエネルギー源となる糖質(炭水化物)を中心に、栄養バランスの取れた食事をすることをおすすめします。

 

 

■目的や体調に合わせて走ることが大事

空腹ランニングには、脂肪をエネルギーとして燃やしやすいというメリットがある一方で、デメリットも数多くあります。
基本的には、完全に絶食状態で走り始めるのは避け、ゼリー飲料やお菓子のような軽い補食でエネルギーを補ってから走り始めることを心がけましょう。
また、走り終わってからしっかりと食事で栄養を摂ったり、前後に水分補給を行い脱水症状の予防に努めたりすることも大切です。

 

どうしても朝食前などにしかランニングの時間を取れない方は、ご紹介した内容を参考に、健康に配慮してランニングを行いましょう。


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【監修】甲斐沼 孟(医師)
【文章】アルペングループマガジン編集部

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